こんな時でさえ

 ご無沙汰しております

 先日とても悲しいことがありまして

 第2子がお腹の中で

 お空に飛び立ちました

 まだ6w

 赤ちゃんの形も見えませんでした

 でも確かにお腹に存在し

 みなに祝福され

 息子のようにすくすくと

 育っていくと信じてました


 その日は朝から出血が多く

 もしかしたら今日お別れかもしれないと

 掻爬手術の1週間前のことでした

 急に夕方に腰痛が強まり

 赤ちゃんは1時間ほどで出てきました

 小さな小さなその子をジップロックに入れ

 かかりつけの産婦人科へ


 夫の運転で到着し

 手持ちのお金が足りなそうなので

「今日だけ俺のクレジットで払って」

 と夫が言うので受け取り

 降りようとした瞬間に

「やっぱり返して!」

 病院の駐車場で夫が叫びました

  バックの中には

 つい15分前に生まれた赤ちゃんを抱え

 泣き腫らした私は

 一瞬何を言われているのか

 わかりませんでした


「ごめん。やっぱ不安すぎるから

 俺の財布に1万入ってたから

 これで支払って」


 夫はクレジットカードを私から受け取り

 ホッとした顔で見送りました



  こんな気持ちでごめん

 赤ちゃんを助産師さんに渡し

 診察を受けて

 今後の説明を聞いている時に

 悔しさと悲しさで

 涙が止まりませんでした

 こんな日まで

 こんな瞬間まで

 我が子を悼む時にまで

 たった数十分の診察と支払いの間でさえ

 夫のクレジットで

 ギャンブルをしてしまうのではと

 疑われてしまう


 あまりにも情けなく

 あまりにも悔しく

 あまりにも空に還った赤ちゃんに申し訳なく

 あまりにも無情でした


 車に戻ってから

「流石に今日の対応はないと思う」

 と涙声で夫に伝えると

「本当にごめん。

 最初からお金を探せばよかった」

 もちろん二度とクレジットを作る気は無い

 借りる気もない

 それでもこんな緊急事態でさえ

 私には信用は無いのだと

 流れ出た我が子を抱え

 ギャンブルをするかもしれないと

 思われていたことが

 さらに悲しみを深く落としました


 ギャンブルは

 パートナーの信用を裏切り

 信頼を裏切る行為です

 私は六度もスリップしたので

 夫に大きなトラウマを抱えさせたのも

 事実です

 そしてそれはこんな形で

 私の身にも帰ってきました


 本当に

 愚かな行為です

 ギャンブルというのは

 借金をしてまで 

 家族を裏切ってまで

 嘘をついてまで

 やることではありません


 あの子が旅立って10日が経とうとしてます

 どうか次の命に繋がる時は

 無事に幸せに産まれますように