秘密の合図。
秘密の会話。
秘密の関係。
僕らはいつだって秘密ばかりだ。
Rouge
Bar K223のドアの前にはcloseの看板が吊り下がっている。しかし、中はまだ明るいようだ。
「終わりにしたの?」
中丸が聞く。
「亀ちゃんがおわらせるって」
「そう。」
中丸は、パソコンを鞄から取り出した。上田は、店のレジを慣れた手つきで閉めようとする。BGMはもう止まっていて、シンとした店内に田口の声が響く。
「カメは?」
「後ろ。」
「はじめるの?」
「たぶんね?中丸。」
「あぁ。はじめよう。」
みんながごくりと喉を鳴らしたその瞬間、マスターが店の後ろから一つのワインを持ってやってきた。
「カメ。」
「オーパス・ワンだよ。」
友情の意味があるそのワインが、いつだって彼らの合図だった。カメは、なにも言わずにグラスを4つカウンターに置いた。
「今日は、お酒飲みすぎで疲れたんだけど~。」
「上田はそれが仕事だろ?」
「違うよ!お客さんをいい思いにして帰ってもらうのがホストの仕事!」
中丸はふっと笑うと注がれたワイングラスを持った。
「ねぇ、田口。中丸。たっちゃん」
カメが言う。
「なに?」
「なんでもないよ。
乾杯をしよう。」
シンとした店内にカンっとグラスがなる。彼らは各々グラスの中のワインを飲んだ。
幹部が誰なのか。どのぐらいの規模の組織なのか。内情は全て闇に包まれているが、裏の世界では、その確かな功績が認めららている何でも屋。だからこそ、危ない橋を渡らせるには好都合。
「で、俺らを頼ってきたわけね。」
カメが言ったセリフに田口はにやりと微笑んで言った。
「そーいうわけ。」
「ホントは、4人だけの組織なのにね。」
上田はクスリと笑ってワインを一口。
「で、仕事内容は。」
中丸はカメのほうへ冷たい視線を向けた。
「政治家を懲らしめようって内容。詳しくは今日この後あって聞くよ。」
「依頼主は。」
「ま、それはトップシークレットってやつね。」
そう言って人差し指を口に持っていく所作はとてもセクシーだ。
「殺し?」
「違うよ。たっちゃんはいつもそうなんだから。」
「つまんねーの。」
口を膨らます上田は、話の内容に見合わずキュートで、カメとどちらがホストかわからない。
「まぁ、まっとうするまで。でしょ?」
終始微笑んでいた田口が言った。
「そういうこと。明日詳しく話すから、中丸と田口はもう帰れ。」
カメの言葉に2人は立ち上がった。
「ツケといてくれ。」
という中丸に
「おじいちゃんみたいー。」
というカメと上田の笑い声が響いた。
カウンターに残った4つのグラス。そのどれにももうワインは入っていなかった。ボトルキープの札の名前はKAT-TUN。
全てが闇に包まれたその組織。たった4人の構成員のことを知る人は少ない。知る人ぞ知る彼らのことをこう呼ぶ。
秘密結社 KAT-TUN。
*あとがき
話が進まない!
あ、カメだけカメなのはまだ亀梨っていう名前が出てないからです。それだけです。
亀梨って出しそびれました。
まぁそのうち出てくるでしょう。
