ヘアドネーションをするため　娘も女子孫も、髪の毛を伸ばし始めた。

娘「私の髪の毛のばして　30cmのヘアドネーションにするわ。」

私「女子孫ちゃんの髪の毛も　腰ぐらいまで、のばすって言ってたから　まだまだだね。」

そんなある日、孫達が小学校から　みんなの目標を書く用紙をもらって帰って来た。

私「男子孫ちゃんは、目標は何て書くの？」

男子孫「僕ね走るの好きだから、陸上頑張るって書くんだ。」

私「へ～すごいね　赤ちゃんの時から、走るの好きだったよね。

だから靴がすぐ破れちゃって。

これから、もっと靴がいるね。」

女子孫「私はね、ヘアドネーションをするのが目標って書くの。」

私「うん、そうだね。クラスのみんな　どう思うかな。」

女子孫「う～ん　わかんない。」

以前ドキュメンタリーで、小学生の男の子が　ヘアドネーションをするために腰まで髪の毛をのばしているのを見た。　勇気のいる事だ。

しかし、その事にクラスメートや学校の皆さん達も、とても理解をしてくれている。

そんな子供達のように､ヘアドネーションの事を知らない子達に､知って貰えたら良いなと思った。

そして、私は娘の所へ行くたび　長い髪の毛との戦いが始まった。

娘は会社員だ。隅々までの掃除は行き届かない。私が行ったらなるべく手の届かない所を掃除をする。

すると､どうやって入って来たのか長い髪の毛がここにも、あそこにも落ちている。

毎日シャンプーしている髪の毛だ。ツヤツヤして､キューティクル綺麗だねと思っていた娘と孫の髪の毛。

だけど落ちている髪の毛を見つける度　綺麗の感覚は無くなる。

１本でも　ワァ～髪の毛だ～ヤダ～と思ってしまうのだ。

髪の毛が襲って来る分けでも無いのに、沢山見つけると　なぜかドキッとする。

昔、床屋さんをしている知人に、聞いた事がある。

その人は、『人の髪の毛を触るのが仕事だけど、短い髪の毛は　針のようになって、僕の顔や爪の間に刺さって入り込んで来るんだよ。襲って来るんだ。』

と言ったのを思い出した。

私は思った。

(やっぱり髪の毛は襲うこともあるんだ。)

どこでも入り込む髪の毛　こんな所にもあんな所にもあった。

どうやって、入り込んだんだろうと思う。

押し入れ、寝具、お風呂の排水口の奥の方ベットの下　等々一生懸命掃除した。

ア～やれやれと思っていたら、さっき掃除し終わったばかりの床に髪の毛が落ちている。

私の白髪の髪の毛だ。

髪の毛だけは、やってもやっても　いつの間にか落ちている。

油断大敵だ。だから、毎日髪の毛との戦いなのだ。

最近女子孫は、私に髪の毛を触らせるようになった。

私「おじいちゃんはね、髪は女の命って言いながら、子供の頃のお母さんの髪の毛をブラシで、いつもとかしていたんだよ。」

と言いながら、今は私が孫の髪の毛を艶々にしている。

女子孫が、誰かの為にヘアドネーションをして、役に立ちたいという希望をかなえてあげるため、それまで大事に保とうと思っている。

すい臓がんステージ4、肝臓転移、余命宣告…

夫のすい臓がんが見つかってから、旅立ちまで、闘病中の夫や家族の様子・妻として感じたことをKindle書籍にまとめています。