私には、双子の孫がいる。一人は女の子だ。

七五三の写真を撮りに行くので、私もついていった。

長く伸ばした髪を、結ってもらい　着物を着せてもらう。

写真屋さんは、孫の髪をとても褒めてくれた。

写真屋さん「髪の毛ツヤツヤしてとても綺麗だね。この長い髪の毛はいつもしばってるの？」

女子孫「ううん、しばってない。

このまま学校に行く。」

そんな　やりとりをしている。

女子孫は、ある時から私に髪の毛を触られるのを、嫌がった。

だから私は触らない様にしている。

私は小学生の時、母に前髪を短く切られ　絶対学校ヘ行かないと言って、大泣きした事がある。

私はその事を忘れて、女子孫が四才の時に　前髪を短く切ってしまった。

女子孫は、物凄く怒って小さな手で私を何回も、叩いた。

私が可愛いよと言っても聞いてくれない。

泣きながら、明日保育園に行かないと言った。

私と同じだ。気持ちはわかる。

次の日、朝になっても保育園に行かないと言う孫を、説得した。

先生に休む理由を言う為に　保育園に行こうと連れていった。

私「女子孫ちゃん　保育園の先生にわけを言って、今日休みますって言える？」

女子孫「うん、言える。」

と言って一人で職員室ヘ入っていった。

私は職員室の前の廊下で、様子を見ていた。

女子孫が戻って来た。

女子孫「先生にね、お婆ちゃんが私の前髪を短く切りすぎたから、今日保育園休みますって言った。」

私「先生なんて言った？」

女子孫「前髪可愛いよ。プリキュアの女の子みたいだねって言った。」

その先生の言葉が嬉しかったのか　次の日から保育園に行った。

それでも、前髪を短く切られてイヤだった気持ちは、前髪が伸びるまで　引きずってしまった。

そんな事があってから、女子孫の髪の毛は触らないようにしているのだ。。

そして、女子孫は小学校に入ってからも髪の毛を切るのを嫌がった。顔や首にまとわりついている。

私「女子孫ちゃん、髪の毛伸びたね。給食を食べる時じゃまじゃない？切らないの？」

女子孫「うん、切らない。」

私「お母さん、ヘアドネーションするって言ってたけど、女子孫ちゃんもする？」

女子孫「なあに　それ」

私「おじいちゃん、病気の時に髪の毛が無くなってツルツルになってたでしょう。

そういう人のため、髪の毛を、寄付してもらって、カツラを作る所があるんだって。」

女子孫「ふ～ん」

私「お母さん、髪の毛をもっと伸ばして寄付するって言ってたよ。」

女子孫「うん、私もする。

私ね、今まで生きて来て、何も良い事した事が無いからする。

私もしたい。」

目を輝かせて言った。

私「ほんとう、まだ生まれて間もないのに、そんな事思うんだね。えらいね。」と微笑んだ。

そして、何日かして､再び聞いてみた。

私「女子孫ちゃん『ヘアドネード』するの？」

女子孫「お婆ちゃん違うよ。間違ってる。ヘ、ア、ド、ネ、ーシヨン」

私「アハハハハ、間違えちゃった。そうだったね。」

私がこれぐらいの年令の時は、遊ぶ事ばかり考えて　人の事など考えもしなかったと思う。

こんな二人を見ていて、誇らしく思った。

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女子孫もヘアドネーションを