撮影するにあたって、まず録音マイクはAKG C214を使用しました。C214とはマイクの有名定番であるC414の廉価版です。録音対象であるモデルインペリアルの音の特徴は、響板の温かい反響と、鍵盤左側に拡張された低音弦の響きですからその音を捉えるには高品質なラージダイアフラムのコンデンサーマイクが必要であり、また個人的に高周波を立ち上げたかったので、自分の耳で確かめたわけではありませんがC414はその特性(高周波を立ち上げ)があり、C214はその音響特性を引き継いでいるそうなので採用しました。しかしマイキング(マイクの位置・方向)に関しては、手が回りませんでした。ピアノのマイキングはすべての楽器の中で最も難しいです。加えて2時間しか時間枠が取れないスタジオで入念なマイキングを行う余裕はありません。無念。

映像収録は、カメラはSonyのフルサイズシネマのFX3を使用しました。当初はもっと廉価なカメラでよいかと思いましたが、さくらんぼは命を込めたので振り切ることにしました。このカメラはレンタルしたのですが、個人が使用するような機種ではないので審査やデポジット金などを経てようやくレンタルできました。ピアノ練習で精いっぱいだったので参りました。レンズは、動画内演奏者正面向き左位置カメラにsony Planar T* FE 50mm F1.4を使用しました。このレンズは、古くはありますが素晴らしい画を捉えてくれます。なお、ピントの位置をミスしたのは無念です(鍵盤の中心より少し手前になってしまった。あともっと絞るべきだった。)。撮影記録形式は4K 60fps(XAVC S-I)、ISO12800、100M 4::2 10bit、Cine EI、S-Gamut3.Cine/S-Log3でして、とんでもないファイルサイズなので別途でcfexpressカードを用意し、1機体に2枚のカードで記録メディア自動振替設定にするなど入念な撮影準備を必要としました。YouTuberもそうですが後から「撮影失敗してました」というのは絶対に避けたいものです。まあ、色々頑張りましたがホワイトバランスは少しミスしておりましたが、幸いなことに補正で何とかできました。やはり後からなんとなるように高品質で収録しておくのは大事です。しかしピントと画角はどうしようもないですから許されません。えぇ長くなりますから語りつくせません。

機材の設置なのですが、これは入念に検討を重ねました。このスタジオは、枠が1枠2時間限りなのでその時間内でカメラ・マイクの設置をして演奏を収録しなければいけません。また、難しいのはこれら大がかりな機材を持ち込むことの威圧です。ギターやドラムなど、バンドするミュージシャンのスタジオであれば問題はありませんが、本スタジオは純粋にクラシカルな音楽がメインで..説明が上手くできませんが、すなわち僕のように個人でこれほど大掛かりな機材を持ち込む利用者はあまり想定されていないように見受けられます。またモデルインペリアルという非常に高価なピアノ(ざっと調べたら約4000万円くらいだった。)を使用するため、万が一破損させてしまうリスクがありますので、カメラやマイクの持ち込みは確認したところ問題ないのですが、あからさまに大掛かりだと断られしまうと思いました。そのため、スタジオの方に安心していただけるようしっかりケースにまとめマイクスタンドにクッションカバーをかけたりと色々工夫しました。