平成27年 1月 13日
橿原市長 森下 豊 殿
「橿原市のことはみんなで決めよう会」 中村 正之 ㊞
〒634-0824 橿原市一町1140-1
八木駅南市有地活用事業について、本年3月までに
市民誰もが参加できる説明会を開催することの要望書
平素は、橿原市政をお導き頂きまことにありがとうございます。
さて、平成26年12月26日付けで、八木駅南市有地活用事業に係る優先交渉権者の決定についてという文書が橿原市ホームページに公表されていますが、そもそも、橿原市民の多くはこの事業の存在そのものをよく知りません。
市役所分庁舎や、展望台・飲食店などを含んだ計画のようですが、この中に、市内在住の私たちが、まず利用することのない「宿泊施設」が含まれており、本市の将来負担比率を大きく押し上げる一因となっているということに大きな懸念があります。
地方自治法や地方財政法の基本理念として、自治体の公金というものは、その自治体の住民の福祉・公共サービスのために最大限の効率を重んじて支出されるべきものであることは明らかです。
市外からの一般来訪者のための宿泊施設というものは、税金を原資とする公共事業・公共サービスではなく、民間事業者が受益者負担を原則に実施するのが普通であって、そういうものに市内住民の福祉を差し置いて公費を投入するということが、そもそも、自治体運営上の原則から外れています。
あえて、その原則から外れたことをするというのであれば、
(1)本市が何を目指しているのか、ビジョンの中の位置づけと事業効果(※橿原市第3次総合計画には、公金を投じて宿泊施設を建設する予定はなかった。)
(2)新規参入を考える民間事業者や、既存の民間施設との関係(※奈良県旅館ホテル環境衛生同業組合橿原支部が、民業圧迫を指摘して、市長と議会に対して計画の見直しなどを求める要望書を提出している。また、本市を訪れる観光客数は、近年減少しており、宿泊数を増やしていくという市の主張は、実績がないため信頼を得られていない。)
(3)事業の採算性・本市の将来負担の重さ(※2014年3月13日付け毎日新聞奈良版「公費ホテルに懸念」の記事によると、20年間のPFI事業計画の中で、ホテル部分は、建設費・金利・維持管理費で計30億円前後、毎年1億円弱の賃貸料を得ても20年間で10億円の公金赤字が出ると想定されている。公共サービスとは言い難いものに投資をしたあげくに、受益者負担で賄いきれない部分を公金で賄うことになり、地方自治体運営上の根幹に関わる問題が生じている。)
(4)今まで、市民への周知、パブリックコメントの聴取、市民向け説明会の開催といった説明責任を果たしてこなかった理由(※奈良県旅館ホテル環境衛生同業組合橿原支部が、要望書の中で早期のパブリックコメントの実施を求めていたが、その回答は、しないというだけで、まっとうな理由の説明もなかった。)
といった点について、本年3月議会以後の優先交渉権者等との正式な契約に臨む前に、全市民を対象とした説明会を開催するなどして、市民の懸念を解くことが必要だと考えます。
昨年3月の債務負担行為の議決から、この一年間、市民は完全に置き去りにされてきました。
このまま、市長と議会の承認だけで本事業を進めて頂くことには、断固として反対を表明いたします。
民主主義の基本的な手続きとして、市民参加の重要性をご理解のうえ、早急に善処頂きたく、本題の通り、八木駅南市有地活用事業について、本年3月までに市民誰もが参加できる説明会を開催することを強く要望申しあげます。
以上