「すまんすまん!つい、奇妙な生物を発見したんで、そっちに気を取られてたら、戦闘が始まってたんやな。」
「さ、佐々木さん!」
そう言えば、佐々木の姿を見ていなかった。しかし、皆、ノレッセの事で頭がいっぱいで、気にも留めていなかった。
「今までどこに?」
「いや、そやから、奇妙な生物見つけてしもて、それを観察してたら、誰もおらへんようになってな・・・それより、気をつけな、すぐ攻撃してきよるで!」
佐々木の言ったとおり、すぐさまノレッセの一人が起き上がり再び襲い掛かってきた。が、今度は一気に足払いで倒れこんだところに膝を合わせた。これが見事に命中し、脳を揺らされた男は、紐の切れた操り人形のようにへなへなと倒れこんだ。
「一丁上がりってとこやな!早川君!ほな、このまま一気に他も片付けよか!」
相変わらず、テンションだけは高い佐々木だった。しかし、佐々木のお陰で助かった事も事実だった。
「助かりました。佐々木さん!」
「礼は後や!俺は教授を守るさかい、頼むで!」
「わ、わかりました。」
佐々木は青柳教授を連れて、駆け出した。
「逃がすものか!」
セルゲスがそれに気づき同じ方向へ駆け出したので早川はその行く手を遮るようにセルゲスの前へと躍り出た。
「どけ!」
と、銃を構え、トリガーを引いた。
「陸!」
友香が叫ぶ。
とっさに早川は両腕で頭部を塞いだ。しかし、玉は飛んでこなかった、
「くそ!やはりこいつは使い物にならんか!」
セルゲスは悔しそうに銃を地面に叩き付けた。そして、その時初めて、セルゲスやノレッセの連中の体が濡れている事に気がついた。
「陸!どうやら抜け道は水中を通って来なくちゃいけなかったみたいだから、それで銃は使い物にならなくなったみたいよ!」
なるほど、それでジアーノもすぐに撃ってこなかったのか・・・早川は納得と同時に素手ならと、一気にセルゲスに歩み寄り、殴りかかった。
「ふふふ、素手なら勝てるとでも思っているのか?こういう危ない仕事をしていると常に命の危険と隣り合わせなんだ。鍛えていないとでも思っているのか?」
早川の拳は空を切り、次の瞬間一気に背後を取られた。