前回、削り仕事で形を整えたので、次は銘切りをしていきます。

銘を切るのは一番最後のような気がするかも知れませんが、小刀の場合は茎(なかご)ではなく刀身に切るので、焼入れをしてしまうと硬くなり切れなくなるか、最悪折れてしまう事もあるので、焼入れ前に切っておきます。

各刀匠によってやり方は色々あると思いますが、私の場合はまず小筆用のペンで下書きをして、左手に鏨、右手に小槌を持って銘を切っていきます。

そもそも下書きが下手くそなので、下書きがあってもとても緊張します。

銘切りの上手な方は、流れる様なひらがなだったり漢字でも草書体を本当に筆で書いたのかと思う様に切るのですが、わたしは硬筆も毛筆も習った事がありませんので、出来る限り丁寧に楷書で切っていきます。


『光』の右の足がもう少し右に長かった方がいい気がしますが、まずまずの出来じゃないでしょうか。

ちなみに、小刀の銘を切る側の刀身は写真のようにヤスリ目を切り(刀身に対して垂直)の方向に入れるのが掟です。

銘が切れたら次は土置きです。

土置きとは、刃文を作る作業と言っても間違いではないでしょう。皆さんが知っている刃文は土置きをした刀身を加熱して水で急冷した時に土を置いた時の厚みの違いによって現れる紋様の事で、土が薄い部分は早く冷却され、逆に厚い部分はゆっくり冷却され、その硬さの違う鉄が混ざり合う事で粘りのある日本刀になります。


今回は『のたれ』に『足』を少し入れてみました。

写真のように土を置くのですが、この土の厚みの違いによって冷却速度が変わり刃文が生まれます。

上手に焼きが入ってくれると良いのですが・・・