子供の頃から、虫が苦手でした
家で虫に遭遇するたび、ギャーギャー騒いで母親に助けてもらったりしてました
いつか大人になったら、自分一人で立ち向かわなければならない日が来るかと思うと不安と恐怖で一杯でした
そして大人になり、何度か戦う機会がありましたが、何だかんだで対応できました
ただ、誰か同居してる人がいる時ばかりだったので、いざとなったら助けてもらえるという気持ちの余裕があったから戦えたってのもあるかもしれません
克服なんてまるで出来てません
ところが昨日、誰にも助けてもらえない、完全に一人で戦わなければならない状況に陥りました
公園を散歩した帰り、スカートの中に違和感が
チラッと捲ってみると…
なんか黒いのいたーッ!
パニックになってぎゃふぎゃふ言ってる私に、相方の冷静な言葉
「そこのパチ屋のトイレで落としてきなー」
えっ…
助けてくれないんですか?
「さすがに俺は手出し出来ないから」
冷たく突き放されました
岸和田だんじり祭りが繰り広げられている私の脳内が、突然の豪雨に見舞われたかのようでした
落ち着いて考えてみれば、確かに手出し出来ません
だってスカートの内側ですから
まさか駅の近くの人通りの多い道端で、ぎゃふぎゃふ騒ぐ女とハイちょっとごめんなさいよーとスカートを捲り上げる男がいたら、通りすがりの人がヒソヒソするだけにとどまらずお巡りさんがやって来て署までご同行することになりかねません
そんなことになってしまったら、私のスカートの中の虫はどうなるのか(そこか)
とにかく、覚悟を決めてトイレの個室に入る私
孤独な戦いになるわけですが、せめて孤独感を減らそうとドアを開けっぱなしでやることに
誰もいなかったけど
誰かいたらそれはそれで怪しい人と思われて店員さん呼ばれる可能性高いけど
恐る恐るスカートを捲ってみると、黒いカナブンのような虫がしがみついてました
何故かカナブン系の固い虫は比較的苦手度が低めなのが不幸中の幸い
何とかスカートから離れていただこうと、虫がついてる部分を便器の縁まで持っていくんですが、どうしても降りていただけない
よほどスカートの居住性が気に入っていただけたのか、もしくは便器のツルツル感がお気に召さないのか
揺さぶってみたりするんだけど、さらに奥に行こうとしたりして一向に降りる気配なし
私のスカートを終の住処と決めてしまったのでしょうか
気に入っていただけたのはありがたいのですが、この住処は近いうちに大洪水に見舞われて更に炎天下に干乾しにされる予定ですよ
大災害が起こるとわかっている家に住むのはいかがなものかと
このままでは埒があきません
なんとか引き剥がさねば…
ここらで私も年貢の納め時
遂に、虫を触る日がきてしまったようです
そのとき思い出しました
ここはトイレであることを
トイレットペーパーをカラカラ引っ張りだし、紙越しに掴んでみようとしました
が、気持ちと裏腹に、手がまるで虫を掴もうとしない
くッ…ガッツがたりない!
仕方ないので、先ほど便器にやったように、トイレットペーパーの上に誘導してみることに
すると、あっさりと終の住処を捨てて新居に移動しました
やはりツルツルが嫌だった模様
その後、黒いカナブンと妙な連帯感を持ってしまった私は、そのまま流すのは忍びないと思い、外の植木の草の上に離してあげました
これが吊り橋効果ってやつか…
こうして私の長きに渡る戦いは幕を下ろしたのであった(7~8分)
でも、これを機に虫ともう少し仲良くなりたいですね
私にあだなす虫は敵と見ていいんですけど、特に害のない虫を毛嫌いするのは可哀想だなとは思うんですよね
思うけどなんか怖い
つい逃げちゃう
この夏は、なんとか蝉とも仲良くなれないかと思ってます
蝉ファイナルを涼やかに見届けてあげるくらいの余裕が欲しいところです