お久しぶりです。
今回はちょっと巾を広げて、食料全体の課題を。
バイオテクノロジー(遺伝子工学)企業は、ベンチャー企業から、大手の化学会社に至るまで、世界には数多くの会社が存在します。 しかしながら、商品化や技術で先頭を走っているのは、大手化学会社の一事業部門である事が多いでしょう。
何故、多くの企業が、このバイオテクノロジー産業に参入してくるのでしょうか、今さら言うまでもなく、今後10年以内に大きなビジネスチャンスがやってくると予測しているからです。
既に、糖尿病の治療に必要なインスリンは、遺伝子組み換え技術によって、ヒトインスリンの遺伝子を大腸菌に組み込む事により大量生産できるようになり、最近ではヒトインスリンのアミノ酸配列をさらに変換し、より高品質なインスリンの大量供給ができるようになり、多くの糖尿病患者を救う事ができるようになりました。
その他では、インターフェロンやB型肝炎ワクチンなども、遺伝子組み換え技術を利用して生産されています。
さらに、穀物メジャーの最大手のカーギル社は、トウモロコシを加工処理する過程で発生する、ブドウ糖からできる乳酸を原料としたラクチドという化学物質を経てできる生分解性プラスチック「エコPLA」を発明しましたが、これはサトウキビやでんぷん等の農産物を発酵させて、土に埋めたり、放置しておけば分解する新しいプラスチックです。
現在は、カーギル社とダウケミカル社が共同出資会社を設立し、本格的な商業化に向けて取り組んでいます。「エコPLA」はブドウ糖が原料なので、遺伝子組み換え技術により、ブドウ糖を多く含む農産物が開発できれば、農産物がプラスチックとして、石油に取って代わる可能性が示唆されており、この「エコPLA」は基本的に30日で分解されて自然に戻るので、世界中のエレクトロニクスメーカーが筐体プラスチックとして注目しております。
また、サトウキビから作られる生分解性プラスチックでは、カーギル社と日系企業の共同開発で、家庭製品ではシャンプー・リンスの容器、生ゴミ袋、食品包装用フィルムとしての用途にも、既に一部使われております。
このように、遺伝子組み換え技術を使った製品は、世界人口の増大に伴う食料問題、栄養問題を解決するだけではなく、新しい薬品や、環境に優しい巨大なプラスチック市場も期待できる、将来は大きな産業に発展してゆくに違いありません。
