あなたは今、人の心と体を癒す真の力を身につけねばならぬ時期に来ています。
そのためには、あなた自身が常識の枠を超えて真実の悟りを開かなければならない。
それでは人を癒す真の力に至るためには、どのような悟りが必要なのか。
私たちは、清水のそばで沐浴をして体を洗うと、身も心も洗い清められます。水の力は
すべての悩み苦しみを取り除く力があるからです。この水の力は人体のスヴァジスターナ、
すなわち丹田に宿るといわれています。この丹田の力を開発し、水の力を使って人を癒すことが出来たら、どんなにか後々あなたの仕事の助けになるだろう。
そうだ、私は今日、日本では弁財天、インドではサラバスティと呼ばれてた、女神の物語をしようと思うのだ。
時は一万八千年の昔。この時代の人々は、富や栄達を求めるのではなく、一人一人が神のごとくなろうとして、切磋琢磨していた時代であった。
まだ神の境地に至っていなかったサラバスティは、どのようにしたら民衆の苦しみを取り除くことができるのか?日夜ガンガーの川の流れに浸って瞑想を続けるのであった。
「おお、清らかな流れを湛え給えるガンガーよ。どうしたら私はこの川のごとくに、せいらつな心と、人を癒す力を身に着けることが出来ようか。」
サラバスティはついに決意をした。
「そうだ。私もまたこのガンガーの流れの川の一部となって、この川そのものになりきるのだ。そして、もはや人体の姿には2度と戻らなくてもいいと思う。私はこの地球が存続する限り、この川の姿に己の姿を変え、私のもとに来る人々を癒し続けよう。」
こうしてサラバスティは、ガンジス河の支流の1つの川に姿を変えた。
それとは知らず、サラバスティが姿を変えた川に、たくさんの民衆が水遊びにやってきた。
「みごとな川の流れですね。」
「そうですね。透きとおっているようです。」
「でも少し、水量が足りないかもしれませんね。」
それを聞いたサラバスティは、
「そうか。もっとたくさんの人々を癒してあげなければいけないのに、どうして私の川はこのように水量が貧しいのだろうか?これは私の心が貧しいがゆえだろうか?」
悩みに悩んだのでした。
己の川といえば膝元くらいの深さしかなく、子供や若者を癒すことは出来ても、お年寄りや屈強な若者は見向きも致しません。
「この私の力量では、まだまだ癒せないたくさんの人々がいらっしゃる。どれもこれも、わたしの川幅が狭く、水量が貧しい為だ。どうしたら私のこの水量をもっと豊かにすることができるだろうか?」
これはおそらく、開業したが今ひとつなかなか壁を突破できない、治療院を経営している
人間にとっては、一度は陥る壁なのである。
そこで私はこの壁を突破する、偉大なヒントをあなたに授けよう。
同じように一万八千年前、サラバスティは己の限界にぶち当たった。
「このまま一生終えてもいいのだけれども、私の魂がそれを許さないのだ。私はもっと、たくさんの人々を癒して差し上げたいのに、どうしてたくさんの方々が私の川に沐浴に訪れないのか?ああ、どれもこれも、私の川幅が足りないせいなのだ。私はもともと小さな小川でしかない運命を授かっているのか?どうあがいたところで、この川幅を豊かにすることはできないのだろうか?」
サラバスティは日夜日夜、宇宙の神イシュバラに祈りを捧げ、自分の川の水量がもっと豊かになれるようにと祈りました。ところがイシュバラは微笑を返すだけで、いつになっても水量は増えませんでした。
サラバスティは辛くなりました。
「イシュバラよ。こんなことなら川になるのではありませんでした。私は己の分を超えた世界に入ってしまったようです。己の器を見極めずに、私はたくさんの人々を癒せると勘違いして、川の姿に身を変えましたが、こんなことならば、いっそ人間のまま与えられたごくわずかの幸せに満足していれば良かったのに。私は川の姿になったがゆえに、恋人さえも失ってしまったのでございます。」
さめざめと泣くサラバスティであった。
さて、このように苦悩の日々を送るサラバスティに転機が訪れたのは、彼女が川の姿に形を変えて十年目の日であった。
地方では名高い国王が、ガンガーでは川の流れが速すぎるということで、サラバスティが姿を変えた川に水遊びにやって来た。たくさんの家来を引き連れて。ところがこの川が膝元までしか水量がないとは、国王は知らなかった。国王はかんかんに腹を立てた。
「何という事だ。国王のわしが遊びに来たのに、この川の無様なことといったら。見ろ!
ほとんど水なんかありゃしない。しまった。騙されてこんな川に来るのではなかったわい。時間の無駄遣いであった。」
かといって、このまま、すごすごと引き返すわけにはいきません。およそ十日分の食料を
携えて、沐浴にやって来ていたからであります。
「えぇい、沐浴なんぞやってられぬわ!よおし。この川に巨大ないかだを浮かべて、この川で思い切って遊んでやろう。」
ところが家来たちは、慌てて国王を制止致しました。
「国王、何をおっしゃいますか。沐浴でさえ不可能なこの川の浅さ。いかだ遊びなど、とんでもございません。」
「いかだ遊びも出来ぬような川なら、壊してしまうがよい!」
こうして国王は怒鳴り散らし、そして、川のあちこちに杭を打ち込み、川幅を広げるように突貫工事を始めました。
サラバスティはあちこちの体に杭を打たれて、それはもう、苦しそうな表情。サラバスティはそのとき初めて知りました。己の川の水流が、こんなにもゆるやかで水量が小さいのは、私の川のもっとはるか上流に大きな岩があって、そして、私の川に流れる水量をせき止めているのが原因だと。何度もサラバスティは自分の体を持ち上げて、その大岩をどかそうと致しました。しかし、自分のわずかの水量では、当然びくとも致しません。
「あぁ、どうにもならない!この岩さえなければ、もっと豊かな水量がやって来るのに。
あぁ、イシュバラよ!これでも私を放っておかれますか?これでも私を、この残酷な運命の中に放っておかれますか?」
国王はますます癇癪をおこし、突貫工事を進め、そして、サラバスティの体という体に杭を打ち込んだ。そのため、サラバスティの体は血みどろになってしまった。
国王は驚いた。
「見ろ!血のような赤い濁りが出てきた。なんと不吉な川じゃ。おもしろい。もっと杭を打ち込め!者ども、打ち込むのじゃ!」
サラバスティはのたうちまわりました。
「おやめください!イシュバラよ。どうしてあの国王の耳に、私の悲鳴を届けては下さらないのですか?これ以上私の体を痛めつければ、私は死んでしまいます!」
それでも工事はドシンドシンと行われていった。
「苦しい。あぁ、苦しい。私に何をなさるのですか!小さな幸せで満足していたのに、もっと川幅を広げろと、何と残酷なことをおっしゃる。そしてそれを、そのまま見ておられるイシュバラの神は何と冷たく、冷酷な神であろうか。私は今まで、イシュバラは心の温かい優しい神だと思っておったが、今初めてイシュバラよ、あなたの正体を知りました。あなたは、私がこれほど人々を幸せにしようとして悪戦苦闘をしておるのに、私を放置しておかれる。残酷でむごい神でいられます。」
それでもイシュバラは動こうとはしなかった。
三日とそして四日目になった時、サラバスティの体は杭で打たれて、息も絶え絶えであった。サラバスティは己のみじめになった川の姿を見て、さめざめと泣いた。
「あぁ。なんとみじめなことよ。もと私は女王であったのに。川の姿に身を変えたばかりに、このようにみじめなことになってしまった。私はみじめだ。私は悲しい。何と私は醜い姿をさらけ出しているのだろうか。私はもっと恋をすればよかった。私はもっとたくさんの人々の役に立ちたかった。私は寂しい。辛い。こんなにみじめな自分を見たのは生まれて初めてだ。」
こうしてサラバスティは四日、五日にかけて、大泣きに泣いたということです。
話はこれで終わりでしょうか?
いえ、天の神イシュバラはそのはるか先を見ておられました。六日目の晩、泣きに泣いた
サラバスティの涙が、やがて豊かな水と変わり、その川はもとの十倍以上の水量を湛えたのです。
十日目の朝、そろそろ引き上げようかと思って、目を覚ました国王は、目の前に広がった光景を見て、しばし呆然といたしました。
「何という事だ・・・見たことも無い。豊かな川ではないか。」
そうです。その川の水は、自分のすべてをさらけ出し、自分の惨めさを泣き泣き受け入れて流したサラバスティの涙でありました。
その時になって、初めて天の神イシュバラは動きました。
「辛かったな、サラバスティ。お前は今、水の悟りを得たのだ。自分の為に泣き、人の為に泣き、そして自分の良いところも悪いところも、言いたいこともすべてさらけ出した時におまえから溢れ出る力。これこそが水の力なのだよ。大自然にある水は、私イシュバラが流した涙なんだ。今こそわかったか、私の悲しみが!生まれては滅びていく一切の生命に対し、憐れなり、かわいそうだ、何とかしてやらねばやらぬ。こうして流した私の涙が水の正体なのだ。お前は今日から水の神となれ。」
どの文献にも載っていないが、これこそが失われたサラスバティ、水の神の物語だ。
不完全でよい。技術は未熟であってもよいのだ。自分の為に泣き、人の為に泣きなさい。
その時おまえの体から、水のオーラが立ちのぼるだろう。その時おまえの臍下丹田
スヴァジスターナチャクラから、滾々と尽きることの無い、人を癒す力が噴出すのだ。
水そのものとなれ。水そのものとなれ。
自分を100%さらけ出した時、人は水の力を得て、超えられなかった壁を越えるものと知れ。小さくまとまってはならぬ。
自分の中の思いのすべてを出せ。これが壁を突破する道だ。
オムサラバスティオムサラバスティオムサラバスティ・・・・・
サラバスティ、弁財天の神よ。この者ならびにこの場に集う者達に、水の力、癒しの力、ならびに繁栄の力を授けたまえ。
オームイシュバライシュバラスー・・・・
オムシャンカリアサラバスティーソワカ オムシャンカリアサラバスティーソワカ・・・・
アカシックレコード書記官