日経平均株価が53,688円で取引を終えた。4万円台はあっという間に通り過ぎ、ついに日経平均5万円の時代に突入してしまった。かつてのバブル期の最高値である38,915円すら、もはや比較の対象にならないレベルに感じる。

 

相場の下落を待っている方も多いだろうし、私もその一人だ。とはいえ、このまま上昇が止まらずに利益を取り逃がす可能性も否定できない。端的に言えば、下落を待っていては上昇局面を取り逃すリスクがあり、かといって最高値圏の今買って暴落が起これば、そのダメージは計り知れない。

 

では一体、我々はどうすればいいのだろうか? 私の提案はこうだ。

 

指数に連動した投資信託やETFなどは、控えめな積立やスポット買いで対応し、個別銘柄に関しては買い付けを控える。今はこうした方針が良いのではないかと考える。

 

理由は明確だ。インデックス・ファンドやETFであれば、このまま上昇すれば恩恵を受けられるし、もし下落しても淡々と買い増せばいい。それに対して個別銘柄は、「市場全体の下落に巻き込まれた際、指数以上に深く沈み込み、そのまま戻ってこないリスク」がある。

 

相場全体が過熱感から調整局面に入ると、個人投資家の投げ売りや、信用買いの追証回避売りが発生する。そうなれば、いかに優良な個別銘柄であっても、換金目的のために一律で売られ、指数以上の下落率を記録することも珍しくない。

 

日経平均が5万円を超えるような高値圏では、有望銘柄の多くがすでに割高な水準まで買われている。ここからさらに上値を追える銘柄を見極めるのは大変困難であり、万が一選択を誤れば、指数が回復してもその銘柄だけは低迷し続けるという「取り残されるリスク」をはらんでいる。

 

インデックス投資であれば「市場はいずれ回復する」という歴史的な裏付けを信じて保有し続けられるが、個別銘柄は暴落時に「この会社は本当に大丈夫か?」という不安に直結する。最高値圏で掴んでしまったという後悔が冷静な判断を狂わせ、最悪のタイミングでの損切りを招きかねない。

 

したがって現在は、「攻め(個別株での利益追求)」よりも「守りながらの参加(指数による積立やスポット買い)」に軸足を置くべき時期だといえる。

 

「上昇の波には乗り遅れない、しかし暴落で致命傷は負わない」。このスタンスこそが、こうした歴史的な高値圏を生き抜くための、最も賢明な振る舞いではないだろうか?

チャーリー・マンガーの影響で心理学の本を読んでいる。

 

 

気になった文章を引用させていただき最後に感想を述べたい。

 

そして同じように、「このように高いリターンがあがった史上最長の期間」の後に、平均以下のリターンが必ずしも起こるというわけではないのである。

p23より引用

 

これを著者は「ギャンブラー錯誤」と呼んでいる。簡単に言えば大いに上がったから次は大幅な下落に見舞われるだろうという考えのことをいう。実はそうではなくてこのままジリジリと上がり続ける可能性もある。またはボックス圏に移行して動かなくなる可能性もある。実はこれは私も大いに陥っていたと実感した。「ギャンブラー錯誤」が言いたいことは市場などどうなるかわからないというのが結局のところだ。

 

300ページほど読んだが様々なバイアスを避けるためにはインデックスファンドの積立を著者は勧めている。詰まる所、そこになってしまうか、、、と少し残念な気持ちになってしまった。

 

結局、我々が戦っているのは市場ではなく「自分自身の脳」なのかもしれない。 著者が最終的にインデックス投資を勧めるのは、それほどまでに人間のバイアス(偏見)を克服することが困難であるという裏返しでもある。

 

「上がりすぎたから、次は下がるはずだ」というギャンブラーの錯誤に陥り、チャンスを逃したり、根拠のない恐怖に怯えたりする。そんな凡庸な心理から脱却し、冷徹なまでに客観的な視点を持ち続けたバフェットとマンガー。彼らが築いた富の根底にあるのは、高度な投資理論以上に、自らのバイアスを制御し続けた「規律の力」だったのだと、300ページを読み進めて改めて確信した。

 

 

 

年末の日経新聞にこんなことが書かれていた。

 

「中国の自動車販売台数、日本を抜く」

 

これは反発を招くかもしれないが日本は基幹産業である製造業から次の産業に移行したほうがいいと思っている。経済学者の野口 悠紀雄氏も著書で主張していて私もこの意見に賛同している。

 

この産業の移行はこれから世界のミドルパワーとして日本が新たな方向に進んでいくという新たな転換点なのだ。スイス、シンガポール等の小国ながら世界に対して強みを見せている国を研究して日本経済がどういう方向性に進むべきか考察したい。

 

具体的にどの業種に今後、日本が力を入れるべきかお伝えしよう。

 

それはずばり金融・保険・時計だ。

 

金融・保険について説明しよう。

 

・まず大規模な工場などの設備投資が必要ない。仕入れも必要ない。仕入れは普段、我々が何気なく銀行に預けているお金や毎月保険会社に支払っているお金だ。安価な調達コストで手に入る。簡単にいえば資本効率が非常に高い。「お金」「保険」という商品は腐ることも、型落ちして価値がゼロになることもない。自動車であれば材料を集め加工・製造し、販売場所へ送らなければいけないが、お金であれば支払は100万円も100億円も送る経費はほぼ同じだ。

 

・金融・保険業は免許制でありライバルが比較的少なく、強固な参入障壁が存在している。さらに金融システムが崩壊すると国が止まるため、政府による強力なバックアップや公的資金の注入が行われるなど、倒産リスクに対して他業種より強い保護が存在している。自動車産業は新たなEVメーカーが世界でどんどん生まれてきており参入障壁がなくなってきている。

 

・金融・保険業は強力なストック型ビジネスであり住宅ローンの利息や保険料、カードの決済手数料などは、営業活動をしなくても「仕組み」として入ってくる。海外に広く展開できれば強力な参入障壁の1つである「顧客の囲い込み」の拡大が可能となる。

 

・日本は国土を海で囲まれており永世中立国のスイスのように資産を安全に保全できる場所と言える。そして金融・保険業の肝である信頼という点において政治が安定しており汚職が少ない。モラルが高い民族であり教育水準が比較的高く金融商品や保険を安心して扱える。

 

・日本には約2,100兆円を超える個人金融資産があり、これは世界的に見ても驚異的な資源である。この巨額の資金が預貯金として眠っている状態は、経済的に見れば宝の持ち腐れ。これを金融業が吸い上げ、成長著しいアジアや新興国のインフラ、あるいは国内のスタートアップに投資(配分)する仕組みを強化することで、日本は世界の投資家として配当や利息で潤う構造を作れる。

 

・日本は「巨大災害(地震・台風)」や「超高齢社会」を経験している課題先進国であり、ここで培った高度な損害予測データや生命保険の設計ノウハウは、これから同じ課題に直面するアジア諸国にとって極めて価値の高い「商品」となる。

 

・中国に「箱(車体)」の製造で負けたとしても、その車を走らせるための「決済システム」や「自動運転保険」を日本が握っていれば、利益の源泉(バリューチェーンの最上流)を抑えることが可能。

 

 

自動車産業は、巨大な工場、材料、そして数百万人の労働力を必要とする「労働・資本集約型」のビジネスだ。一方、中国のような巨大な市場と安いエネルギー・労働力を持つ国と「量」で競うのは、現在の日本には限界がある。金融・保険は、物理的な資源をほとんど使わず、「信用」と「データ」と「数理モデル」で付加価値を生むビジネス。自動車1台を売って得る利益よりも、巨額の資産をグローバルに運用して得る利益の方が、少子高齢化で労働力が減る日本にとって効率が良い「稼ぎ方」になる。

 

 

 

 

そして時計。

 

日本が「時計産業」に注力し続けるべき理由は、自動車産業が直面している「コモディティ化(汎用品化)」の罠から逃れ、「高付加価値・高収益」な経済構造へ転換するための鍵が詰まっている。

 

・大量の原材料を輸入し、大量の製品を輸出するモデルは、輸送コストや関税の面で不利だ。この点で時計は非常に小さくて軽いため、海外に輸出するとしても空輸コストが安く済む。時計は数グラムの金属やネジが職人の手によって数百万円、時には数千万円の価値に変わる。材料費(原価)に対して販売価格が極めて高い「超・高付加価値」ビジネスといえるだろう。

 

・時計の歯車やネジを作る超微細加工技術は、医療機器(カテーテルや手術ロボット)、半導体製造装置、航空宇宙産業など、他国が容易に真似できない高付加価値分野と直結している。さらにセイコーやシチズンのように、自社で工作機械から油、ヒゲゼンマイ(心臓部)まで作れる国はスイスと日本以外にほぼない。

 

・時計のブランド化は歴史と信頼に基づいたものであって偽物のロレックスを大量製造している中国が歴史と伝統に裏付けられたブランドを作るのには大変な時間が掛かる。海鴎表(1955年創業)、北京表(1958年創業)などの高級時計メーカーもあるのだが中国には世界の工場としてのイメージがあり中国製=安いという負のブランドイメージが高価格帯への参入を阻んでいる。

 

・その点、日本は世界で成功してきたCASIO(1946年創業)、CITIZEN(1918年創業)、SEIKO(1881年創業)がある。どの企業も特徴的な時計をそれぞれ作ってきている。CASIOは最近、機械式時計EDIFICE(エディフィス)を発売し、SEIKOはグランドセイコーというラグジュアリーブランドを磨き上げている。世界でMade in Japanのイメージは悪くない。先人が築き上げてきた歴史に感謝し、さらにプラスし新・Made in Japanとして磨き上げていくのが現在の我々日本人の役目である。

 

・「正確な時計」はスマホに取って代わられたが、「時を刻む芸術品」としての需要は消えることは消えない。時計産業で培うラグジュアリー・マーケティングのノウハウは、他の消費財にも応用可能な強力な武器になる。さらにインフレになった日本において、自動車販売は景気や関税、ガソリン価格に大きく左右されるが高級時計は一種の「資産」として扱われるため世界的なインフレ局面でも価格を維持・上昇させることが可能。過去に製造した「良質な日本時計」が世界中で転売・流通し続けることは、日本という国家の信用と認知度を永続的に高める「広告塔」としての経済効果を持つ。

 

 

以上が私がこれから日本が進む方向だと考えている。今回は金融・保険・時計を取り上げたがほかにもたくさん違った考えがあると思う。どんな方向性に進むにしろ日本の為になるのであれば間違いではないと思っている。読者の方が考えるそのような企業を暴落時に買ってじっと保有していればいい。

 

これは単に自分が儲けるという概念を超えて真に日本の経済に役立つという立派な価値を持つ行為となる。これこそが本来の投資というものだと思う。インデックスの積み立てもしながらこのような投資も可能な範囲で割いて資金を投じて欲しい。投資という行為が本当に輝き出し自分が社会に役に立っていると感じることができるだろう。

 

 

かつて様々な問題を起こしてきた三菱自動車だが最近の戦略には目を見張るものがある。

 

一言で言えば「選択と集中」。かつてのように世界中で全方位に戦うのではなく、自分たちが圧倒的に強い地域と技術にリソースを絞り込む戦略を徹底してきている。

 

 

現在進行中の中期経営計画「Challenge 2025」の柱となる3つのうちの2つを解説したい。


1. 地域戦略:アセアン・オセアニアへの超集中

三菱自動車は、北米や欧州での競争からは一歩引き、アセアン(東南アジア)を「成長ドライバー」と位置づけている。

  • 稼ぎ頭の強化: タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナムなどで高いシェアを誇っており、ここに経営資源を集中。

  • 戦略車の投入: アセアン市場に特化したSUV「エクスフォース」や、新型「トライトン(ピックアップトラック)」など、現地のニーズに合致した車種を最優先で投入。

 

2. 商品・技術戦略:「PHEV」と「タフさ」

他社が完全EV(電気自動車)へ急進する中で、三菱は**PHEV(プラグインハイブリッド)**を現実的な解として中核に据えている。

  • PHEVの先駆者: アウトランダーPHEVで培った「四輪制御技術(S-AWC)」と「電動化」を掛け合わせ、「環境に良く、かつ悪路でも力強く走れる」という独自のブランドイメージを構築。

  • 電動化目標: 2030年までに電動車比率を50%、2035年までに100%(ハイブリッド含む)にする計画を掲げている。

 
 

一方で、今後のリスクとしては以下の点が心配事だ。

  • 中国メーカーの台頭: 主戦場のアセアン市場に、BYDなどの中国EVメーカーが低価格で攻め込んできており、これにどう対抗するかが最大の焦点です。

  • 電動化のスピード: PHEV中心の戦略が、現地のインフラ整備や規制の強化に対していつまで優位性を保てるか。

 
私としてはとことんSUVの車に特化して欲しいと思っている。もはや規模やコストでは中国などに敵わない。というかこのような戦略を取らなければいけないのは本当は日産だ。私は日産も三菱自動車ももはや規模の経済では世界と戦えなくなってくるのだから光岡自動車のようになったほうがいいと思っているのだがどうだろうか? 
 
という意味で日産がGTRの販売を止めたのは残念でならない。あのような車こそ日産が必要だったと思う。もはや日産がトヨタやホンダと同じような車を作ったところで将来性はない。のであるのならば一回、倒産したと思ってかつてアップルが倒産の瀬戸際にあったときにスティーブ・ジョブズが製品を4つに絞ったぐらいの決断が必要だ。
 
今後、トヨタ以外は徐々に効率・規模で優位には立てなくなってくるだろう。自動車会社の投資には私は実に慎重だが三菱自動車は進むべき方向性に進んでいると思う。アメリカのJeep、イギリスのRange Roverのような尖った企業になって欲しいと思う。
 
 
 

かつて中国共産党の中央委員会副主席である鄧小平はこう言った。

 

「中東には石油があるが、中国にはレアアースがある。中国はレアアース大国としての優位性を十分に発揮しなければならない」

 

では中国にレアアースで戦略的急所を半分以上握られている日本には一体何があるのか? 

 

投資を通して日本の国力を底上げしたい私は伝えたい。

 

日本には海があるじゃないか、と。

 

日本は陸地は狭いが海は圧倒的に広いというアンバランスな特徴を有している。国土面積は世界61位と小さいが、海の広さ(領海 + EEZ)はなんと驚くべき事に世界第6位だ。これを知っている日本人は少ない。

 

国別に順位を挙げると1. アメリカ、2. フランス(海外領土が多いため)、3. オーストラリア、4. ロシア、5. カナダについで6位だ。中東も中国も有していない資源を保有している。中国は10位前後であり日本は中国より広大な海を有しているのである。そして私が投資と国力を考える際に参考にしているスイスに海はない。

 

そこで日本が今後、海から資源を得るために活動している企業を取り上げたいと思う。

 

日本国内には、海洋資源(メタンハイドレート、海底熱水鉱床、レアアース泥など)の開発や探査において、世界屈指の技術を持つ上場企業が複数存在する。 

 

これらは大きく「資源開発・プラント」「掘削・機器」「調査・エンジニアリング」の3つのカテゴリーに分けられる。ちなみにプラントとはエネルギーや物質を化学的・物理的に作り替える巨大なシステムのことを言う。

 

 

 1. 「資源開発・プラント(中核企業)」  海洋資源プロジェクトの主導や、大規模な生産設備の設計・運営を担う企業。

 

三井海洋開発 : 海洋石油、ガス生産設備の国内首位。表層型メタンハイドレートの回収技術開発で中心的な役割を行っている。

 

INPEX : この企業は投資家に馴染深い会社だ。日本最大の石油・天然ガス開発会社。政府主導の海洋資源調査プロジェクトに深く関与している。

 

石油資源開発(JAPEX):  海底熱水鉱床やレアアース泥の調査技術も保有。

 

日揮ホールディングス : 大手プラントエンジニアリング。海洋資源の生産プラント建設や水素・アンモニア関連技術に強い。

 

 

 

 2. 「掘削・機器・造船(現場の技術)」  実際に海底を掘る、あるいは掘削用の船や機器を製造する企業。

 

 • 三井E&S  :  資源探査船の建造や、海洋掘削に関わるエンジニアリングを手がける。

 

 • 鉱研工業  :  ボーリング(掘削)マシンのトップメーカー。海底掘削用ドリルなどの技術。

 

 • 三菱重工業  :  地球深部探査船「ちきゅう」の建造実績。深海潜水調査船の技術を保有。

 

 • 東洋エンジニアリング  :  海底6000mからレアアース泥を汲み上げる揚泥システムの技術開発に参加。

 

 

 

 3. 「調査・解析(探査のプロ)」 どこに資源があるかを調べる「目」の役割を果たす企業。

 

 • 応用地質  :  海底地盤の調査・解析に強み。メタンハイドレート探査のコンサルティングなど。 

 

川崎地質  :  地質調査の専門会社。海洋土木や海底資源の探査に実績。

 

 • 古野電気  :  魚群探知機の世界大手。水中音響技術を応用した海底資源の探査機器に強み。

 

 

と日本の海からエネルギーやレアアースなどを取り出せる技術力を持つ企業が複数存在する。個人投資家が安心して投資できる大きさの企業を考えるとINPEXあたりが主力になるだろう。資源小国の日本が海外からエネルギーやレアアースを輸入するのは致し方ないが可能な限り自分たちが持っているものを最大限利用したほうがいいに決まっている。核融合発電も海の水があれば行える。日本の海には実は未開のフロンティアが広がっているのだ。

 

私個人としてはインデックスファンドやETFなどで積み立てていくのも然るべきことながら、自分の資金の一部を日本の国力発展のために振り向けたいと思っている。このブログは相場の熱狂に耳を塞ぐブログなので短期的な方向性のことよりも今後の日本のために個人投資家が参考となる情報を取り上げていきたいと思う。