はじめに

 

不動産売却において、悪質な営業マンによる「囲い込み」という行為が問題になっています。これは、本来複数の不動産会社に依頼して競争入札を行うべきところを、特定の不動産会社だけが物件情報を独占し、他社からの購入希望者を排除することで、売主にとって不利益な低価格での売却を強いようとするものです。

 

囲い込みの手口

 

囲い込みの手口は様々ありますが、主なものとしては以下のようなものがあります。

  • レインズへ登録しない:レインズとは、不動産流通機構が運営する不動産情報の共有システムです。囲い込みを行う悪質な業者は、レインズへの登録を怠ったり、登録期間を短く設定したりすることで、他社からの物件情報閲覧を制限します。不動産業者によっては、あえてレインズ登録義務のない一般媒介契約とすることで囲い込み行為を行うという場合もあります。
  • 物件情報を故意に隠蔽する:物件の立地や築年数、設備など、重要な情報を故意に隠蔽することで、他社の営業を妨害します。
  • 虚偽の情報を伝える:すでに購入希望者がいるなどと虚偽の情報を伝えて、他社からの内覧を阻止します。
  • 値下げを強要する:最終的に、売却が長引いていることを理由に、必要以上に値下げを強要します。これによって、売主は損害をこうむりますが、仲介業者は買主からも手数料を受け取ることができます。

囲い込みの防止方法

 

囲い込み被害を防ぐためには、以下の点に注意することが重要です。

  • 複数の不動産会社に相談する:複数の不動産会社に相談することで、それぞれの会社の提案を比較検討し、囲い込みを行っている会社を見抜くことができます。
  • 媒介契約の内容をしっかりと確認する:媒介契約書には、専属専任媒介、専任媒介、一般媒介の3種類があり、それぞれ囲い込みのリスクが異なります。自分の希望に合った媒介契約を選択することが重要です。原則として一般媒介契約が安全といえるでしょう。
  • レインズ登録状況を確認する:依頼した不動産会社に、レインズに登録されていることを確認しましょう。また、仲介契約の際、一般媒介であってもレインズに登録するよう念を押してください。
  • 物件情報の公開状況を確認する:レインズやインターネット上で、自分の物件がどのように公開されているのかを確認しましょう。売主は自分の物件の情報を閲覧できるので、仲介業者に必ずその点を要求してください。
  • 営業担当者の言動に注意する:必要以上に値下げを迫ってきたり、他社からの内覧を阻止しようとしたりする営業担当者は、囲い込みを行っている可能性があります。おかしいと思ったら、別の業者のセカンドオピニオンを聞くことも大切です。

まとめ

不動産売却において、囲い込みは大きな問題です。上記のような方法で囲い込みを防ぎ、自分の物件を適正な価格で売却できるようにしましょう。

情報

 

中古住宅を売るとき(その1)(国民生活センター)

 

なお、上記の情報はあくまでも参考情報であり、個別の事案については専門家に相談することをおすすめします。