高野山で眠る | 風を感じて

風を感じて

アラカンに突入。セカンドライフ、ぼちぼち行こか。

貫太が亡くなって8ヶ月が経ちました。

お仏壇に手を合わせる毎日ですが、これからお墓や納骨をどうしようかと、お墓の見学にも行ったりしていましたが、なんかしっくりきません。


貫太のことをきっかけに、自分たちのお墓のことも考えることになり、還暦もあって少し終活を意識するようになりました。


そんなお墓問題をかかえながら、つい先日、お笑い芸人パンサーの向井さんがゲストに出ている「アナザースカイ」を何気に観ていると、向井さんの母親が数年前に亡くなられて、遺骨を高野山に納めたエピソードを話されていました。


戦国武将やら有名人、大手企業などのお墓が多い高野山。

へぇえ一般人でも高野山に納骨できるんやと思い、早速調べてみると、高野山にある100以上のお寺の中で墓じまいやお墓以外の供養として納骨堂での納骨サービスを展開しているお寺がいくつか出てきました。


資料請求したら、直ぐにパンフレットが送られてきましたが、納骨する区画のグレードや場所によっては高級車が買えるほどのなかなかのお値段でした。

そして12/25までの限定区画のキャンペーンで、今なら、年間管理費3万円が永久免除とありました。

限定区画は小さなお墓を建てるくらいの金額はかかりますが、6霊(人)まで入れるし、最後の人が亡くなってから、23回忌目に高野山奥之院に一緒に合祀されるそうです。

戦国武将たちが眠る世界遺産で土に還るのも悪くないかなあなんて思いました。


パンフレットを見ながら、とりあえず嫁さんも賛成。息子はどっちでもええと他人事。それゃそうやわな。

猜疑心の強い娘が「納骨詐欺!?みたいなもんかもしれんで」と言うので、どっちにしても現地を見てみようと、キャンペーンの締切が迫るなか、嫁さんは仕事だったので、全権を担って高野山まで見学に行ってきました


ちょうど寒波がやってきた日で、寒空の下、大阪から南海電車に乗って向かったのですが、3時間ちょっとかかりました。人生2回目の南海電車。

車だと2時間半くらい。それでも遠い。


ケーブルカーで標高900メートル近くまで上ると、小雪が舞い、まわりはうっすら雪が積もっていました。







気温は-4℃を指していました。

平日だったので訪れる人はまばら。さらにそのうち半分が外国人でした。

お寺の副住職さんが、今話題のダイハツの軽自動車でケーブルカーの駅まで迎えに来てくれました。

まだ30過ぎくらいの若いお坊さんです。

そこのお寺の住職の息子さんだそうです。


高野山のメインストリートからちょっと横すじに入ったところのお寺です。お庭も広く、宿坊もやっておられる様子。


お寺独特の底冷えの廊下を通って、応接間に案内されました。

ひと通り説明を受けてから、これまたピーンと張りつめたような冷たい空気が漂う本堂でお参りさせてもらった後、地下の納骨堂を見学させてもらいました。


地下にも御本尊の大日如来が鎮座しており、何度か火災で焼け出され、修復を繰り返して今日に至るそうです。

納骨堂はふかふかのカーペットで床暖房も完備されていて、快適な空間です。

黄金色の郵便受けのような納骨棚がびっしりと並んでおり、その一角に今回のキャンペーンの区画がありました。

「納骨堂」と「キャンペーン」という言葉の組み合わせが妙におかしい。



↑ここはン百万もするVIP区画です。


キャンペーン区画はもうほとんどが埋まっており、高さ190cm超の最上段と、高さ40cmほどの最下段が空いており、さらにそのひとつ上の段は残りわずか。

値段はどの高さでも同じで、早い者勝ちだったみたいです。

小さな仏像が付いて、扉があるので中は自由に使えます。

だいたい骨壷と写真を入れている方が多いみたい。


毎朝、本堂でお経をあげる様子をライブ配信しているので、遠方でも配信越しにお参り気分が味わえるそうです。

檀家も少なくなり、昔のようなお寺との繋がりも希薄になってきている昨今、お寺側も色々考えますね。


最後に合祀される奥之院の納骨堂も案内してもらいました。

通常、奥之院へは数百メートルの長い参道を歩いてお参りするのですが、関係者ルートを通り、奥之院のすぐ手前までクルマで連れて行ってもらいました。

納骨堂は奥之院の裏手、弘法大師が今も瞑想を続けていると云われる御廟のすぐ近く。

お骨は納骨堂に入ったあと、納骨堂が満杯になったら、順次御廟横の土に埋めて貰えるそうです。

奥之院にお参りする世界中の人に拝んでもらえるのかも。


御廟にお参りするときに副住職が隣で般若心経を唱えてくれました。

奇しくも訪れた日は弘法の日。弘法大師の月命日だそうです。

京都の東寺でも毎月行われる縁日の日です。

そして今年最後の「しまい弘法」でもありました。

これも何かのご縁かもしれません。


弘法大師空海に特に思い入れがあるわけではないのですが、小さい頃からお盆に謳う御詠歌には高野山や弘法大師の歌が出てくるので、親近感はあります。

宗派を超えて死者を弔う場として1000年以上の歴史があり、最期に骨を埋めるにはよい場所かもしれません。


見学を済ませ、まずは納骨詐欺ではなさそうだ(ところでそんなんあるんかいな)。

座って中が拝めるので、ど真ん中近くの下から2段目の区画を申し込みました。

最上段だと大谷翔平でも見づらい。

貫太と嫁さんとボクの3人で入ります。最後の人が亡くなって22年までであれば、残り3霊まで追加は可能です。息子が生涯独身で行くところがなくなったら仲間に入ってもいいよ。と言っています。

3人揃ってから22年後に奥之院に行きます。

長ければ50年ほど先の話になります。

3人分の納骨の際の法要も一緒に申し込みました。

その他法事は都度同じ料金で可能でいちいちネットで調べないといけないお布施など不要の明朗会計。

もちろん納骨したら放ったらかしでもかまいません。代わりに毎日お坊さんたちがおつとめをしてくれます。


貫太の納骨は1周忌のタイミングかな。

遠い所なので子供たちにはたまにライブ配信で拝んどいてと言いました。

日々拝むことろは家のお仏壇で十分かな。

息子や娘には親の死後のことはほっといて、たまに思い出すくらいでいいかなという思いです。


そしてなんとかキャンペーンの締切日であるクリスマスの日に大枚を振込みました。

アナザースカイを見てなかったら、高野山で納骨しようなんて思わなかったです。この3週間足らずの急展開で貫太の納骨とボクたち夫婦のゆく末も決まり、少しホッとしています。


本当に今年は最後までなんやかんやありました。

あと数日で新年。

良い年になりますように。