伊藤計劃記録/伊藤計劃
¥2,100
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☆☆☆☆ 昨年若くしてお亡くなりになったSF作家、伊藤計劃氏のブログや未完のまま終わってしまった新作などが収録されている。ものすごい才能にあふれた作家であり、編集者からも同業の方からも惜しまれての死。「虐殺器官」「ハーモニー」などの肝心の作品はまだ読んでいないが、この『記録』を読んだだけでも、その創造性・才能の豊かさは推し量られる。


高く手を振る日/黒井 千次
¥1,470
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☆☆☆☆  黒井さんの作品はこれが初めて。なので黒井さんがお若い頃の作品とこの作品がどう違うか、興味がわいた。というのも、老いた男の心の動きがとてもしなやかに描かれているから。作者自身が年を重ねたからこそ、この味わいがうまれたのだろうか。老いても人の心は柔軟だ。そして老いたからこそ潔くもなれるし、正直にもなれる。この作品、若い人にはどう受け止められるのだろうか、それにも興味がある。


カッコウの卵は誰のもの/東野 圭吾
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  タイトルの付け方がいつも上手。しかし、内容は読み終わったらすぐ忘れてしまうような感じ。おそらく、東野さんも、これは平均とご自分で評されたのではないか。事件の犯人の正体も意外性はないし、必然性も感じない。

ズッコケ中年三人組age44/那須 正幹
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☆☆  悪くない。いや、なかなか面白い。オリジナルの3人組の中年姿に意外に、幻滅しなかった。さすが、那須さん。ご自分のキャラがどう成長し年を重ねていくか、ご存じなのだ。小学生の息子も喜んで読んでいる。恋愛シーンもすこーしあるが、子どもに毒があるわけではない。
先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!―鳥取環境大学の森の人間動物行動学/小林 朋道
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☆☆☆☆ よかった。活字も大きくよみやすい。動物の生態にはあまり興味がないのだが、タイトルの面白さにひかれて読んでみた。筆者の動物に向けるユーモラスな眼差し、愛情、学生への信頼感などがとても魅力的。このシリーズの他のものも読んでみたい。
走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)/村上 春樹
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☆☆☆☆  「ノルウェイの森」で拒否反応が出て以来、村上さんの小説に手を出すことはなかった。が、これはエッセイ。村上さんがランナーだともおいくつかも今回これを読むまで知らなかった。村上さんの言葉は、文章は流れだすものなのだと思った。この本はとてもいい。村上さんの書くための論理などもちらっとうかがえる。もっぱら、走ることについてではあるが。

あの世に聞いた、この世の仕組み/雲 黒斎
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☆☆☆ この手のスピリチュアル系の本は読んでいて体が拒否反応を起こすことがある。が、この本はわかりやすい。(難しいと思う個所もあるにはあるが。)また、著者がたんたんとしていて、とても心地よい。この手の話を熱く語られると、それだけでひいてしまう。ACIMという考え方と同じことを言っているが、こちらのほうが親しみやすい。


マドンナ・ヴェルデ/海堂 尊
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 面白くなかった。主人公の娘の行動もその夫の行動も理解ができない。おりしも野田聖子氏の話題もあり、テーマ(妊娠できない女性が何らかの形で他の女性のヘルプを得て子を授かろうとする)としては面白いのだが。


Nのために/湊 かなえ
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 出だしはよかった。期待したが、割と早い段階で登場人物たちに興味が持てなくなる。話も少々複雑で作者のひとりよがりとも思えた。(辛口ですみません。)