還ってきたら、
『おかえりなさい』って
言うつもり。

なんで電話しなかったのか、
電話する暇くらいあるだろ、
なんてね、キレられても…


術前の患者に、
どう声をかければイイのかわからなかった

エイプリルフールで、
全てが嘘になってしまいそうでイヤだった

何も考えたくなかった

ライヴに集中したかった


そんな事、言えるわけがない。

そんな事言ったら、
貴女はまた傷付くのでしょう。

育て方が誤ったかと
人知れず涙を流し、
自分を責めて責め抜くのでしょう。

自業自得だから、
ただただお叱りの言葉を受けて
電話の向こうで涙を流す。


人の生死を目前に
血を分けた身内でさえも
患者と捉えてしまう歯痒さよ、、

人の生死を目前に
血を分けた身内ですらも
これから生けるモノを、、
自分の夢や職務を優先してしまうジレンマを

お祖母様、貴女はきっと理解しない
お母様、貴女はきっと非情と嘆き
お父様、貴方はきっと苦笑い


10年前も、そうでした。
自分の夢を、職務を優先して
大好きなお祖父様の死に目に会わず
葬儀参加はたったの3分。

お見舞いは、たったの1度
20秒。

皆が、泣き崩れてる、その横で
涙1つ流さず、
スケジュール通りに全てをこなし
タクシー捕まえ、移動した


お祖父様も、お祖母様も
応援はしてくれたけど

もしもの時も、
今すべき事を優先すれば良いと
背中を押してはくれたけど


口数の少ないお祖父様は、本当は傍に居て欲しかったのではないか

お祖母様は、本当は苦しかったのではないか


過ぎ去りしコト、喪ったモノに、想いを馳せても仕方ない

自分の選択に、
後悔はないけれど

私も人間、たまに迷う。


喩え、明日
アナタが死んでも
帰りません。辞めません。留まりません。

そう、胸に刻み、今日まで走って来たけど

アタシは本当にソレでイイのか
本当にヨカッタのか



まだまだ、弱いな。

君が居たら、シャンとせいって
また頬っぺた叩かれるのかな

君が居たら、大丈夫だよって
また抱きしめられるのかな


まだまだ未熟者


早紀ちゃん、
アタシは少し人間らしくなりました
でも最近ずっと、笑ってない気がするよ

頑張りすぎる癖は治ってないみたい。

だけど大丈夫。
大丈夫。

そう思ってるうちは、頑張ってるうちに入らなかったりするんだもん


癌だらけだな、苦笑

『手術控えてるから電話してあげて?喜ぶはずだから』

って、そう気丈に振る舞う彼女も癌なんだ。

忘れちゃいけない
目を逸らしてはいけないんだ、現実から

最愛の母を想う娘は強し。
そんな母を想う娘はチッポケだ。

興味なさそうに冷たい返事をするけれど

実際、何も感じない。
否、感じないんじゃなくて、
感じないように心がブロックしてる




大っ嫌いな人達が
病という魔物に侵されて
弱っているのを信じたくないだけ。

嫌いな人は嫌いなままで
憎しみ抱く程大好きで大嫌いなままで
恐怖を抱く存在のままで
居てくれなくちゃ、

ココで闘う理由がわからなくなる


いつまでたっても天邪鬼


弱くてチッポケなアタシは、あの頃から何も変わってないんだ


次は、アタシだったりするのかな
代わりでもイイ
捌け口でもイイから
傍にいさせて
 
泣きそうな声でそう呟いた君の
弱味と優しさに漬け込んで
 
あの日、
もしも君を選んでいたら
 
 
今頃、僕は
どこで何をしていたのだろう
 
何を見詰め
何を感じ
何を想っていたのか
 
 
今より、少し…
今より、少し笑っていたかな
今より、少し……
 
破壊衝動と涙の数は減っていたのだろうか