自称「術式」のおっさん達に取り憑かれた話

自称「術式」のおっさん達に取り憑かれた話

2020年12月18日夕方6時すぎ。
仕事から帰宅してくつろぐ私の耳元で聞こえだした「ドーマンセーマン」という男達数人の掛声。
同時に同居する母親から「下手くそな歌が聞こえる」と謎の申告。
これが、我が家に起こる怪異の始まりだっだ。

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長い話を書く前に、まず現在の状況を書いておきたい。

 

私は女だ。

学生時代はオタクと言われていたが、今はアニメも漫画もほとんど見ない。

とくにファンタジーや異世界ものは苦手だ。

地に足がついてない話を時間を割いてまでして見る価値があるのかどうか。

極論的な言い方をすると、世界構築までフィクションとノンフィクションがあるならノンフィクションのほうをとる。

それが私という人間だ。

わざわざ作らなくても世界は美しいものとグロテスクなものに溢れている気がする。

 

そういうのが好きな方には苛つく言い方かもしれないが、価値観の違いと思っていただきたい。

 

さて、そんな私であるが、説明でも題名でも明記しているとおり、取り憑かれている。

間違いなく。

 

なぜ、そう思うのか。

また、なぜそのような自覚が芽生えたのか。

 

イタコの口寄せといものを知っている人は多いと思う。

イタコと呼ばれる霊媒師たちが自分の身体に依頼者から呼んでくれと頼まれた死霊を降ろし、自分の口を使って依頼者たちと会話させるというものだ。

 

私はそれが呪術なのかなんなのか知らない。

昔テレビでそういう人達の映像を見たことがある程度だ。

しかも、ほとんどインチキだという風評まで知っている。

はっきりいって、私本人がその「口寄せ」を信用していない。

 

しかし、私はその「口寄せ」によって、自分 に憑依している呪術代行業者である霊媒師のおっさん達と会話している。

 

厳密にいうと、勝手に私の口を使っておっさん達がしゃべるのだ。

頼んでないし、やりたくもない。

しかし、勝手に自分の口がしゃべるのだ。

 

会話は成り立つ。

当たり前だ。

私が喋っているが、私ではない。

ただ、端からみると、私が声色と喋り方を変えて独り言を言っているようにしか見えないだろう。

しかし私にそんな技術はない。

演劇部にすら入ったことはないのだ。

そもそも、一人でどうしてそんなことをしなくてはいけないのだ。

理由がなさすぎる。

 

口寄せだが、おっさん達の出身地はバラバラらしく、関東弁もいれば、関西弁もある。

九州弁ぽいのもあった。

一度だけ「〜だで」という名古屋弁を聞いたが、それは私が以前少しだけ名古屋の人とお付き合いらしいものをしたために気がついたもので、ほんの一瞬だった。

名古屋住まいなのか聞いたが答えはなく、それから名古屋弁は聞いていない。

 

昼間、会社で勤務中は口寄せのような会話形式で出てくることはない。

ただ、会社でも私は喋れない。

私が喋ろうとしたことをおっさん達が自分の言葉で私の口を使って言葉にするのだ。

口を封じられているも同然である。

 

説明しにくいが、憑依すると可能なのだ。

憑依対象の人間が頭で考えていることを判別するのは高度な能力であるとは思うが、私個人の別件の経験から、可能であると判断する。

(ここでは、別件の話はまた長くなるので割愛することにする)

そして、上記の状況であるがために自分で喋れず、時折苛立って無理矢理自分の口を開くが、自分の声は出ない。

おっさんの声でおっさんが私の言いたかったことを私が喋っているかのように言う。

もしくは、いつも私の言葉を代行で言うおっさんが「〜だって」とまわりに伝える。

腹がたつためそのおっさんは「てって君」と侮蔑をこめたあだ名で呼ぶことにしている。

 

しかも、おっさん達も各々で私の口を使って喋ろうとするからお互い邪魔になり、時々うまく喋れていないときがある。

カラオケのマイク争奪戦を彷彿とさせる光景だといつも思う。

このような状況のため、自分で喋ることすら出来ないと言い切っても過言ではないだろう。

 

おっさん達が会社では控え目に、私の言いたい事をかわりに言うだけにしているだけでもマシだと思わないといけないのかもしれない。

そんなおっさん達だが、去年会社で一度だけ私の意志を無視して出てきたことがある。

 

会社の先輩でパワハラもどきの事をいう女性がいるのだが、その人が上司がいないときを狙って私に言いがかりをつけてきた時のこと。

それまで衝突を避けるために先輩に対してなるべく反論を避けていた私だが、おっさんの一人が相手の勝手な物言いと思うことをはっきり言わない私の態度にムカついたらしく、人目を避けて絡んできた先輩に対して関東弁でまくしたてた。

 

勝手にしゃべり出す自分の口に驚きは感じたものの、停止することもできぬまま目の前の先輩と自分の口との言い争いは上司が部屋に入ってくるまで続いた。

部屋に入った瞬間に殺伐とした空気を感じ、どうかしたのか聞いてくる上司。

「〇〇さん(上司の名前)の前でも仰ったらいいんじゃないですか」

と追い込みをかけるおっさん。

女相手に容赦なしである。

おっさんの理詰めな反論で相手の女性は論破したが、関係は悪化し、しばらく無視をされた。

どちらが正義だったのかいまでもわからない。

 

その先輩には、憑依が顕在化し言葉に影響が出だした2021年の年明けくらいから

「なんなんその喋り方(関東弁)気持ち悪いからやめてくれへん」

とあけすけに言われていたのだが、衝突したことで喋り方に関してはうやむやになり、今に至る。

 

あと、身体であるが手足の先が勝手に動く現象は日常おこっている。

しかしながら大きな動きは今のところは出来ない様子。

 

ただ、歩いているときに歩くのが辛くなる時は、ほぼ霊媒師が歩くのを邪魔するため「後向きに歩こう」としているので、どこまで私の身体が勝手に動くのかは不明。

この現象がどういうことかというと、私が前に足を運ぼうとすると、おっさんが後ろに足を運ぼうとする。

つまり、私の感覚では足が前に進みにくくなり重くなる。

早い話が嫌がらせである。

 

嫌がらせは他にもある。

 

おそらくは人型ではないかと思っているが、時おり刺すような痛みがあちこちに走る。

大概はチクチク程度の痛みだが、以前少し違う大きな痛みもあった。

 

私は腰痛の持病があるのだが、痛いのは腰の右側である。

しかし、朝飽きたらいつもより痛みの範囲が広がり、右足の付け根まで痛くなった為歩くのが辛くなってしまい、欠勤したことがある。

その日家で安静にしていたところ、夕方近く、おっさんの「飽きた」のひと言で嘘のように右足の付け根の痛みは引いた。

チクチク野郎が足の付け根もやっていたようだ。

嘘のようにと書いたが、本当に嘘の痛みだったのだ。

どうやってやっているのかは知る由もないが、その瞬間にこいつが最低のクソ野郎であることだけははっきりとわかった。

 

飽きたらやめてもいいような呪詛ならやらなくてもいいんじゃないのかと言いたい。

 

このように基本嫌がらせを楽しんでやるところがあり、本当にたちの悪い人間の集団だと認識せざるをえない。

見も知らないアカの他人に呪いをかけるだけでなく、実際取り憑いて嫌がらせが出来る人間なのだから、性格のいい人間などいなくて当然なのだが。

 

ただ、会社員のように、業務遂行した証明を提出する義務もないので、おっさん個人の匙加減で私の不愉快さが非常に変動するのは感じている。

おそらく、おっさんが楽しめる呪詛が粘着質になる部分なのだろう。

しかしながら、期間が長すぎるため、現在おっさんのモチベーションは地を這い、わたしも目新しい嫌がらせに出会うことなく。

正直な話おっさんも私もうんざりしている。

 

1番粘着質なのは間違いなく依頼者である隣の工場のじじいSだろう。

 

目先の金に飛びついて悪くもない人間に取憑き続けている霊媒師にも辟易するが、諸悪の根源であるSに問題がありすぎる。

 

私は工場排気の被害者である。

工場が迷惑をかけましたと謝りに来るならともかく、チンピラの罵声に呪詛までくらわしにくるなどとんでもない。

 

いい加減にしろとS本人に道で鉢合わせしたとき何度か言ったがやめる気配すらない。

これで訴えるのをやめる気になるとでも思っているのか。

 

1年以上、こんな下らない霊媒にどれだけの金を払っているのか知らないが腹が立つので訴えるのは絶対に諦めないことに決めている。

ついでに霊媒師の記録も取り続けることにしようと思う。

もし、解呪方法がわかってネット上で公開すれば同じ目にあっている人が助かるかもしれない。

もし自分すら助からなくてもこんな呪詛が存在することを残しておけば痕跡として役にたつこともあるかもしれないし。

そう思って書きとどめておくことにした。

 

コソコソ卑怯なことしてるんじゃねえよ。

 

これが私の彼らに対する回答である。