カリメロ子のカリカリ婚活日記 -4ページ目

カリメロ子のカリカリ婚活日記

婚活中の29歳カリメロ子

ずっと彼氏がいません

背水の陣(一歩もひけないような絶体絶命の状況の中で全力を尽くすことのたとえ)
と思いきや!!のんびり婚活中?!

もうずっとずっと前の話。

旅行中に出会った人に一目惚れをした。

一目惚れと言っても外見に一目惚れしたことは、それまでもその後もないんだけど。

二、三言会話のキャッチボールをして「この人、素敵」直感で好きになった。

そのときの私には彼氏がいた。
もちろん彼氏のことは好きだったし、他の人に一目惚れをしたからと言って別れるわけでもなかった。
日常に戻って彼氏と付き合いながらも一目惚れの彼からメールがくると嬉しくてたまらなかった。
でもそれは極端に言えば大好きな芸能人からメールを貰うような感覚で、心の中の王子様という存在だった。
日常の中で私を幸せにしてくれるのは彼氏だったし、たまに気まぐれでメールをくれる王子様に何かを求めているわけでもなかった。

「月がきれいだよ」
「最近何してるの?」
「ちゃんとご飯食べてる?」

3ヶ月に一回くらい、忘れるか忘れないかくらいで必ずメールがきて、たわいもない会話が数日間続く。

それを出会ってから5年くらい続けていた。一度も再会すること無く。
その間に彼氏とは別れていて、気がつけば王子様の存在が私の中でとても大きくなっていた。
しかしそれまでのルールというか、心地よさというか、なかなか自分からその不思議な関係を壊すことが出来なかった。

でも「後悔したくない」「人生一度きり」という思いから、なんとなく思い立ってある日突然告白をした。いつもの連絡手段であったメールで。

彼の反応は悪くはなかったと思う。
その時も彼は優しかった。いかにも王子様というような返信があって、その後電話をして、会うことになった。
実に二度目の再会。何年ぶりだろうか。
ドキドキし過ぎて心臓が飛び出そうだった。

でも
私は何も出来なかった。
何も話せなかった。
何も言えなかった。

本当は嬉しかったのに、すごく嬉しかったのに。

結局その後も以前のようなメールはしばらく続いたけど、会うことはなかった。
なぜだろう。
あんなに好きだったのに。
「付き合ってください」の一言が言えなかった。

今はもう連絡を取っていない。
結婚して子どもくらいいるだろうか。
きっとかわいいんだろうな。


「夜のピクニック」という小説の中に

好きという気持ちには、どうやって区切りをつければいいのだろう。どんな状態になれば成功したと言えるのか。どうすれば満足できるのか。告白したって、デートしたって、妊娠したって、どれも正解には思えない。だとすれば、下手に行動を起こして後悔するより、自分の中だけで持っている方がよっぽどいい。



という一文がある。

私が彼に会っていたとき、ずーっと心の中で感じていた違和感はまさにこれだった。
私の中で、彼とどうにかなるより、心の中で大切に持っておきたい。
そう思ってしまった。

もうすぐ三十路になる私は、今でもこの一文のような思いが心の中に渦巻いている。

私がうまく恋を成就させられないのは、動物的な感情に左右されないこういう思いが心の底にあるからなのではないかと、ふと思ったのです。






夜のピクニック (新潮文庫)/恩田 陸
¥704
Amazon.co.jp