今日でもう4年も恋人同士でいるんだね優ちゃん。
いつも陽菜がわがまま言って優ちゃんのこと困らせてるよね・・・・ごめんね。
たまに素っ気ない態度をとって優ちゃんのこと悲しませたり、喧嘩してひどいこと言ったり
陽菜が素直になれなかったり・・・・。
こんな私を優ちゃんは"愛してる”って言ってくれる。
陽菜はいつも優ちゃんの優しさに甘えてる。
「麻里ちゃん・・・やっぱ優ちゃんのとこ・・・・・んっ。」
「それ以上は言わせない。」
そう言って麻里ちゃんはキスをしてくる。
私は優ちゃんのことについてずっと麻里ちゃんに相談に乗ってもらってた。
愛人関係になるつもりもなかったし、ましてや麻里ちゃんを恋愛対象として見てなかったのに・・・・。
でもあるとき麻里ちゃんにいつもどおり優ちゃんのことを話していたら急に麻里ちゃんが切ない表情になってその表情にドキってして・・・・・。
気づいたら麻里ちゃんと何度も身体を重ねている関係になってしまっていた。
もう、取り返しがつかない・・・・。
「陽菜、私は陽菜のこと愛してる。」
麻里ちゃんが真剣な眼差しで何かを訴えてくる。
でもその訴えてることがなんなのかは私には通じてない。
麻里ちゃんの考えがわからない。
「陽菜は・・・麻里ちゃんのことそうゆう風に見れない。」
麻里ちゃんと目を合わせることができない。
本当のことだけど、麻里ちゃんの陽菜への想いだけは真っ直ぐに心に届いてるから辛い。
「そっか!今までごめんね・・・・。早くゆっぴーのところに行きな!早く行かないと篠田陽菜のこと襲うよ?」
そう言って麻里ちゃんは悪戯に笑った。
麻里ちゃんのそんな姿を見て胸にナイフが突き刺さったように鋭く痛む。
「ごめんね・・・・麻里ちゃん。」
そう言って私は麻里ちゃんの横を通り抜けてすぐにタクシーに乗って優ちゃんの家まで急いだ。
「優ちゃーん!!」
私はドアの横についているインターホンを二回押して優ちゃんの名前を呼んだ。
「陽菜・・・・・・・・どうしたの?」
優ちゃんはすごく驚いている。
どうして?なんでそんなに驚いてるの?
「なんで・・・なんでそんなに驚いているの?」
「今日は違う人のところへ行くなと思ってたから。」
違う人って・・・麻里ちゃんのこと?優ちゃん知ってたの・・・・?
「違う人って誰。」
心のどこかで願った。どうか知らないでほしいと・・・。
でも・・・・心のどこかで私のことをせめて欲しいとも。
気づいているのなら優しくしないでと。
「篠田麻里子。」
「いつから知ってたの?」
私は否定できなかった。
優ちゃんの前で嘘はつけなかった。
「最初から・・・知ってた。」
私はなにも言えなかった・・・。
今まで見て見ぬ振りしてたんだね優ちゃん。
知ってて、それでも"愛してる”って言って優しく抱きしめてくれていたんだね・・・。
「陽菜が私の隣に居てくれればいいよ。他にはなにも望んだりしない。」
この言葉で私は涙が溢れた。
ひたすら泣いた。
優ちゃんのこと大好きで愛しているのに・・・。
今頃になって優ちゃんが惜しい。
「陽菜、愛してる。」
そう言って優ちゃんはそっと包み込むように陽菜を抱きしめてくれた。
「優ちゃん・・・・ごめんね。」
「なにも言わなくていい。私、別れる気なんてないから。」
優ちゃんは勘が鋭いな。
さっきまでは別れることを考えてた。
もうこのぬくもりは感じられないんだって。
優ちゃんの笑顔がとなりで見られないんだって・・・。
でも、優ちゃんがそんなこと言うから甘えちゃうじゃん・・・・。
「もう一回最初からやり直そう。」
「い・・・いの?」
「当たり前じゃん!今日は終わりの記念日で始まりの記念日だね!。」
そうだね・・・優ちゃんのこと一生愛し続ける。
今日が終わりの記念日で始まりの記念日だね。
「陽菜意味わかってる?今日は本当なら私たちが付き合ってから4年が経ったという記念日で、色々あって陽菜ともう一回やり直すことになったから始まりの記念日ね!わかっ・・・・。」
一生懸命陽菜に対して説明している優ちゃんが愛しくて優ちゃんの唇にキスを落とした。
「まだ説明してんのにー!」
「優ちゃん・・・・愛してる。」
私は優ちゃんを抱きしめて耳元で囁いた。
「私も誰よりも陽菜のこと愛してる。」
これからもよろしくね優ちゃん。
神様、私はもう絶対に裏切りません。たとえ優ちゃんが私を何回も裏切ったとしても私は優ちゃんのことを愛し続けます。
優ちゃんがそうしてくれたように・・・。
優ちゃんを抱きしめながらそっと心の中で誓った。