以前、当会の組手動画を見られた方から「素人の喧嘩か?」との感想をいただいた。
実戦云々との言葉は使いたくない。しかし、当会設立当初のコンセプトは路上の乱闘で使える空手だった。その意味ではお褒めをいただいたと感じている。
さて、沖縄空手はジャンプや上段蹴りのような見栄えがする技が少なく、型も決して鑑賞用として秀でたものではない。不自然な動き、無駄な動きは極力排している。とはいえ、人工物であるので鑑賞の要素をまったく排除したと言えば嘘だろう。シンプルな中にも自然な美しさを感じることができる。様式美のみを求めての稽古も否定はできない。
いっぽう、現実の戦い、特にルールのない戦いでは基本とは無縁な動き、力任せの技も含めて何があるかわからない。現実のストリートファイトにきわめてルールが近かった初期のUFCなども戦いぶりはカンフー映画やプロレスなどの華麗さとは程遠かった。
現実の戦いは勝つことが優先される。様式美を考慮する余裕などはないだろう。必ずしも美しいとは限らないことも知っておきたい。