やわらかいソファーの座り心地 | よるのさんぽずき ブログ

よるのさんぽずき ブログ

思い付きで書きます。

 やわらかいソファーに長く座わり、いざ立とうとすると脚がうごかなくなる。アレと思い、動けと念じているとようやく脚が動き出す。昔の蛍光灯かと思ってしまうほど感度が鈍い。だから変形性股関節症の私は長時間ソファーで座ることが好きではない。

 

 椅子(いす)は人が座る際に使う道具あるいは家具の一種であるが、江戸時代前の日本ではあまり普及していなかった。これは日本人の生活習慣が床・畳などに直接座る習慣だったことが起因している。日本人が直接床や畳に座る習慣になったのは日本の気候が影響していると言われているが、これは各地にのこる民家をみてみるとその理由がわかる。

 たいてい日本の民家は風通しのよい構造になっている。これは日本人の生活が寒い冬より暑い夏を重視していたあらわれである。寒い冬はたくさん物を着込み部屋を暖めれば過ごせるが、暑い夏はクーラーがあるわけではないので何か工夫をしないとのりきれない。暖かい空気はつねに上にいくから熱い夏はできるだけ低いところに身をおき涼しくすごしたほうが快適となる。すると物の上に座るよりできるだけ低いところで座ったほうがよいというふうになる。

 

 さて椅子は社会的地位の象徴としてしばし使われる。王様の椅子、総理の椅子、社長の椅子。人はその椅子の座ったとたんその椅子の座り心地に惑わされおかしくなっていく。余程その椅子の座り心地が良いのだろう。

 

 それぞれの権力の象徴とされる椅子。日本人の生活スタイルから考えてみると本来椅子なんて必要ないものであり、必然的に社会的地位を表す椅子という表現も要らないのかもしれない。日本の気候は温暖化の影響で以前より暑くなってきたというし、椅子やソファーなんて座っていたらさらにより温かい空気が頭のまわりを回旋してボーとしてしまうような気がする。だから権力者にはやわらかいソファーに座らせるより針の筵に座らせたほうが頭も冴えて調度良いと思う。