「レク姉様ぁ…いつまでここ歩くのー?絶対道違うってー。なんか逆にレン兄様から遠ざかってる気がするよー?」
「え?なに、何か言った?てゆーかいいんだよ、あの変態からは遠ざかって」
赤い目をした黒髪ツインテールの小柄な殺人鬼は、隣を歩く黒髪癖っ毛の殺人鬼を見上げた。
「レク姉様、昨日道迷って赤色に遭遇したんでしょ?」
「うん、怖かった…((ドンヨリ」
「人類最変の逃亡者め…っ((ボソッ」
とある商店街。
二人の殺人鬼は目的もなくてくてくと歩く。
「…さっきからさりげなく私のこと責めてないかっ!?」
「ううん、気のせいだよレク姉様っ((ニャハッ☆」
時々漫才のような会話を交わしながら、殺人鬼達はてくてく歩く。
ツインテールの殺人鬼は小柄な身体に似合わぬ大きなギターケースを背負っていた。
昨日赤色から運良く逃走できた癖っ毛な人類最変の逃亡者、零崎閉織は妹であるところの零崎奏織と合流し近くにあった商店街を歩いていた。
ーーー誰もいない、商店街を。
「てかさー、レク姉様がレン兄様のカレーから逃げて、それで僕がレク姉様追いかけろーってレン兄様に言われて追いかけて来たわけだけどさぁ?」
「ふむ」
「なんで僕レク姉様と同行してんだろーねっ?」
「さぁ」
「……」
一瞬、奏織の手が背中のギターケースに伸びかけた。
しかし何かを思い直したのか、「はあー」と一つ溜め息をついて、
「レク姉様、レク姉様。なにやら血なまぐさいんだけどこれってやっぱり2人仲良く零崎のお時間的な感じでよろしいのかなっ☆」
「え。なんで私まで参戦しないといけないわけっΣ」
「まーまー、いーからいーから☆ 逃げたら僕怒るよー?w」
奏織はそう言って背中のギターケースから巨大な鉈を取り出した。
ケースはそのまま放り投げる。
「レク姉様追っかけてる途中に追っかけられちゃってさ((ケラケラ だから半分レク姉様のせいなんで、2人仲良く零崎ってことで☆」
そう言った奏織を見て、閉織も渋々腰の刀を握る。
刃が真っ黒な日本刀が姿を現した。
それからたいして構えもせず、2人は後ろを振り返った。
そこには、スーツを着た男が5人立っていた。
「誰、こいつら」
「知らないおじさん?」
「嘘つけΣ」
「うん、嘘☆ けっこー前から僕につきまとってる名も無き殺し屋さんですっ((ニャハッ」
そこでやっと、2人はそれぞれの得物を構え始めた。
「どーするー? 5人だけど、レク姉様何人いける?」
「知るかっ! 私は妹のおこぼれに預かれればいいさ!!」
「つまんねー☆」
さてさて。
それではご一緒に。
「ま。めっためたのぎったぎたになってくださいよぅ☆」
「ちょ。我が道を行くなよっ!?せっかく語り部さんがふってくれたのに!!」
「何をー?((ケラケラ」
「ダメだこの子orz」
……それでは気を取り直して。
「とりあえず、零崎の幕開けだ」
「ちゃっちゃと零崎を初めよーかっ☆」