斎王のつとめ (斎宮歴史博物館) | 魁!神社旅日記

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「斎王の第一のつとめは、もちろん伊勢神宮の祭りに参加することでした。

 

斎王の参加する祭は、9月の神嘗祭と6・12月の月次祭(つきなみのまつり)で、「三節祭」(さんせつさ

 

い)と呼ばれ、その構成はほとんど同じでした。これらの祭りは内宮。外宮各2日にわたって行われ、

 

内宮は16.17日、外宮は15・16日で斎王はいずれもその二日目に参加していました。

 

斎王は太玉串と呼ばれる榊の枝に麻の繊維を付けたものを宮司から受け取り、神宮の瑞垣御門

 

(みずがきごもん)の門の前の西側に立てるのが主な任務でした。この太玉串は、神の宿るもの

 

(神籬)(ひもろぎ)で、祭の最初に行われる神の来臨の儀式だと考えられています。

 

平安時代の文献では、斎王は天照大神の御杖代(みつえしろ)と称されます。御杖代とは、

 

杖の代わりに神を案内するものだといわれています。

 

神とともに諸国を回り、伊勢神宮を定めたとする伝説の斎王、倭姫命(やまとひめのみこと)

 

のイメージが太玉串とともに現れる斎王の姿と重なる説もあります。

 

一方、「延喜式」によると斎宮では、正月元日・7日・16日や5月5日、7月7日、9月9日と

 

11月の新嘗祭には節会(せちえ)が行われており、年中行事や儀式を大切にする平安宮

 

にならった生活が見られたようです。

 

また、伊勢神宮での祭りの他にも、2月には農耕の開始を告げる祭である祈年祭(としごいのまつり)

 

を行い、多気・渡会の2つの神郡(神宮の支配を受ける郡)内の神社に、幣帛と呼ばれる

 

贈り物を分配し、11月の新嘗祭で収穫を祝うのも斎宮の重要な祭でした。この他にも、

 

火の神や占いの神の祭、斎宮寮の司の春・秋の祭りや、6月・12月の大祓いなど、

 

神祭に関わる組織らしく、数多くの行事が行われました。

 

また、門や建物の祭りも斎宮では行われており、門には「御門神」(みかどのかみ)が祭られ、

 

建物の新築の時には、大殿祭という祭が行われていました。また