子どもの言葉がある程度増えてきたら、
論理を意識した声かけをしてみてください。
物事を論理的に説明していく方法として、
次の3つをご紹介します。
この3つは文章を読む時にも必要な考え方ですので、
会話を通して文章を読む準備をすることができます。
①言いかえる
子どもの言葉を、同じ内容を表す別の言葉や表現に言いかえてあげ
また、子どもが言った内容をまとめたり(抽象化)、
くわしくしたり(具体化)してみてください。
例)
子ども「今日、友達にごめんって言ったよ。」
大人「そう、友達に謝ったのね。きちんと言えてえらかったね。」
子ども「こんなこと言われたから怒ったんだ。」
大人「そう、そんなこと言われたら頭にくるよね。」
子ども「今日先生が答えを間違ったの。」
大人「弘法も筆のあやまりだね。」
子ども「なすとかトマトとかきゅうりをもらったの。」
大人「つまり野菜をもらったのね。」
子ども「桜が咲いてたし、蝶も飛んでたよ。あと、タンポポも咲い
大人「春らしくなってきたね。」
昔は祖父母と同居している家が多く、
日常的にことわざや慣用句などを聞く機会がありました。
そのため、子どもはそれらの言葉を意識せず覚えていましたが、
今は意識していなければ触れる機会がなく、
勉強するものだと思っている子どもが多いです。
ぜひ、日常的に意識して使ってみてください。
また、感情を表現するのが苦手な子どもには、
今どういう気持ちなのかを問いかけ、
そのような時に人はどう感じるのかを伝えてあげるとよいです。
そういう感情があると知っていると、
経験したときに「ああ、これがそうなのか」と
気付くことができるからです。
気持ちを表す言葉をいくつか載せますので、参考にしてください。
無理して不自然に使う必要はありません。
思いついたら使うくらいの考えでいてください。
☆気持ちを表す言葉
うれしい 喜ぶ・幸せ・満ち足りた・満足・充足感
感動 興奮・感銘を受ける・心が打たれる・胸に響く
好き 愛する・いとしい・好む
優しい 思いやり・尊敬・尊重・気づかう
明るい さわやか・ほがらか・心地よい
楽しい 面白い・愉快
願い 望み・希望・願望・夢
悲しい かわいそう・同情・つらい・心が痛む・切ない
がっかり 落ち込む・落胆・失望・むなしい・情けない・みじめ
こわい 不安・心配・青ざめる・心細い・悩む・苦悩・
きらい 見下す・憎む・馬鹿にする・嫉妬・恨む・
怒る 不機嫌・不愉快・腹立ち・不快・イライラ・じれったい
あきらめ 我慢・耐える・辛抱
くやしい 後悔・悔やむ・惜しむ
② たどる
こどもに「なぜ?」「どうして?」と問いかけ、
理由をはっきりさせたり、理由がおかしかったら
途中をうめてあげるようにしてください。
物事には原因と結果がありますが、
この因果関係をしっかりとたどる手助けをしてあげてください。
子どもの行動や発言に対して、
「なぜだと思う?」「どうして?」と尋ねてあげることで、
子ども自身も整理できるようになります。
例)
子ども「今日学校遅刻しちゃった」
大人「どうして遅刻したの?」
子ども「家を出るのが遅かったから」
大人「なぜ遅くなったの?」
子ども「
大人「どうしてプリント見つからなかったの?」
子ども「プリントやったあと、
大人「そうなんだね。じゃあ、次からどうすればいいと思う?」
子ども「プリントやったらすぐにしまうようにする。」
大人「そうだね。」
③ くらべる
対になるものを比較することで、
それぞれの違いに気づかせます。
似ている二つのものを比べることで、
それぞれの違いがわかりやすくなります。
例)
「こっちの実はまだ青いね。こっちの実はもう赤いね。」
「うちの車は赤いね。前の家の車は黒いね。」
「今日は晴れたけど、昨日は雨だったね。」
「バスを使うと時間がかかるけど安いね。新幹線を使うと早く着く
☆会話の中で「反対の意味の言葉(対義語)」
プールが「浅い」「深い」
鉛筆の色が「濃い」「薄い」
ゴムが「伸びる」「縮む」
桜の花が「咲く」「散る」
敵チームを「攻める」「守る」
荷物が「軽い」「重い」
☆①の「言いかえる」と合わせて使ってみましょう。
子ども「ぼくはいいよって言ったよ。」
大人「あなたは賛成したのね。反対した人はいたの?」
子ども「テストは九時から始まるって。」
大人「九時開始なのね。終了は何時かな?」
子ども「今は公園に行っちゃいけないんだね。」
大人「今は禁止なの。許可が出たら行こうね。」
この子にはまだこの言葉は早いかな?と思わずに、
難しい言葉もどんどん使ってあげてください。
子どもに新しい言葉を紹介したら、
すぐに使わないといけないということ
はありません。
時間をかけて日常の中で繰り返し大人が使うことで、
子どももある時突然使い始めます。