背中の天女  
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逢う、ということ

逢う…竜と…

今まで来夢は、出会い系で実際に誰かと会ったりした事がなかった。

何があるかわからないし、危険がないとは言い切れない。
メル友が出来て、会いたいと言われた時も、理由をつけて会わなかった。
結局、会う事ばかり要求してくるその人に嫌気がさして、メールもやめてしまった。

でも何故か、

竜と逢うということに、何の違和感も感じなかったし、

むしろ

逢ってみたいと思っていた。

その時にはもうすでに、来夢は竜に惹かれていたんだと思う。


「…逢ってみたいとは思ってる。竜くんがよければだけど。」

『オレも逢ってみたいよ。来夢との話、楽しいし。でも来夢に言わんといけん事があるんよね。それ聞いたら来夢引くかもしれん。』

「何?引かんよ!!」

『唐獅子牡丹に関係あるんやけどね。』

「…刺青?」

来夢が想像していた事を言ってみた。

『!?なんでわかったん!?』

竜はビックリしているようだったけれど、来夢は思っていた事だったし、

やっぱり

と思うくらぃだった。

突然の言葉

「そういえば竜くんのアドレスって唐獅子牡丹よね?」

来夢が竜にメールを送るきっかけになった言葉…。
気になって聞いてしまった。


『そうそう、よく知っとるね!!あんまり、ソコつっこむヤツおらんよ(笑)』

「来夢、和柄好きなんよ~♪でもなんでなん??」

数秒の沈黙…

聞いてはいけない事を聞いてしまった…?


言いたくないなら、言わなくていいんよ!!

そう言おうとした時だった。



『来夢、オレと逢う気ある?』

初めての電話

『来夢?竜やけど。はじめましてやなニコニコ


その後来夢も電話番号を教えて、すぐに竜は電話をかけてきてくれた。

「はじめましてニコニコなんか声想像してた通りだぁ」
『想像してたん?来夢の声想像してた通り。』


竜は少し笑って言った。
竜の声は少し低めで、来夢はとっても好きだった。

『初めに来夢に言っときたいんやけど、正直オレ、出会い系とか初めてなんよ汗ウチの従業員の若いモンに2日前に教えてもらったんよ。オレに長いコト女がおらんかったから、やってみろって言われてなァあせる

「そうなの!?なんか意外ニコニコ

『いやいや、オレの携帯は電話かけるだけのモンやし(笑)やから慣れてない。でもいつもやってるとかって思わんでよ』

「うん、わかったよ!来夢も来たメール見るぐらいで、実際メル友とかもいないし。やから竜くんも来夢が出会い系いっぱいしてるとか思わんでね汗
『おぅニコニコ了解』


本当に意外だった。
でも慣れてないからあんなそっけないメールだったんだと納得する。

竜との会話はすごく楽しくて、それから気づくと2時間近く話していた。