各地で 熊が人家にあらわれ 犠牲になられた方も出てしまい連日ニュースで見聞きします。
森深くに 自然の移り変わりの中を生きている熊に
何か変化が起きていることは 生態に詳しくない私でも
容易にわかります。
「生きる」ことに自体が極限の状態が熊たちを
襲っていて 人間の言葉で表現すれば
背に腹はかえられない、 必死さを感じます。
このニュースを見て、なぜか思ったのは
「野火」という大岡昇平の作品。
戦争で 極限の飢餓状態になり
理性と本能のせめぎ合いに葛藤した果てに
本能が主人公を動かし、凄惨な決断をして
飢餓から脱しようとする話し。
人と熊に 共に与えられている 生命は
平常はコントロールできていても
様々な環境の変化で脅かされたら
理性といたわる心も いったんどこかに隠れてしまい
生きるエンジンが全開になり 制御がきかなくなります
食べる、という 日常味覚で楽しみ食事をする世界
からは まったく 異次元の姿です。
熊に起きたことが、人に影響なんて✋
つながらないはずが、接近してわかること。
人家まで 下って きていることが、
あなたたちも 例外ではなくなっている。
と 熊は 極限の食事をしながら 人にみせている
ように思えてなりません。