どうもべちおです。

これは僕が先日、7ヶ月間の無職期間を終えてやっと決まった仕事をたった1日で辞めた日の夜に見た夢の話。それと夢を見終わって自分なりに考えた後の話です。ちなみになんで辞めたかはこちらから↓

>>【せっかく決まった仕事を1日で辞めたワケ】

 

 



やっと決まった仕事で、やっと妻を安心させることができて、やっと安定した収入を得ることができて・・

そのはずだったのに、僕はその仕事を1日で辞めてしまった。正しくは1日持たなかったという方が正しいかもしれない。

もう辞めると決めたとき、電話で妻に相談した。

妻は「もう帰ってきていいよ」と優しく言ってくれた。

電話をしてから数時間後、僕はたった1日でその仕事を辞めた。

1日で何がわかるんだ!という人も多いと思う。

でも1日でわかることもたくさんある。

特に僕みたいに30代に入って転職経験も多い人間からすると、なんだかわからいけど、直感的な部分が働く。この部分は我慢するに値するな。とかここがこの程度ならかなりヤバイな、、とか。理由もなくここヤバイってのもたまにある。

面白いことにだいたいヤバイと思った会社はその後、何かとトラブルが発生して事業を縮小していたり、廃業してるとこもある。

たった1日で辞めたここは全てが当てはまっていた。面接段階で気づけなかった自分が憎らしい。

そんな自分を責めながら帰宅すると妻は優しく、僕の大好きなフィリピン料理を用意して待っていてくれた。

「頑張ったね」その一言とハグだけで僕は膝から崩れ落ちた。

無職の期間が7ヶ月間あり、その間に発生してしまったコロナ禍の大騒動。その影響もあるけど、妻と僕は7ヶ月の間、僕がハローワークや面接で出かけるときを除いて、大袈裟ではなく、お風呂とトイレ以外では24時間ずっと一緒にいた。僕らの住まいだって大きいわけじゃない。だから半径5メートル以内には必ず妻がそこにいて、なにをするにも妻からは僕が見えるし、僕からも妻が見える、そんな空間だった。

そもそも付き合った当初、付き合って5ヶ月も経っていない状態で二人きりでタイに3ヶ月だけプチ移住したときも3ヶ月間ずっと一緒に過ごしたが、一度たりともケンカなんかしなかった。唯一あったとすれば、胃腸の弱い僕が路上で急に腹痛になり、そこら中を走り回ってトイレを探し回った時に、テンパらせてしまったことぐらいだろうか。

だからこそなのか、たった1日だけの仕事だったけども、帰ってきた時に1番に思ったのは「会えなくて寂しかった」という気持ちだろうか。

もちろんせっかく決まった仕事を1日で辞めたことに対する申し訳なさ、不甲斐なさなどの気持ちもあったが、本当にただ単純に寂しかった。たった9時間ぶりくらいに会っただけなのに、周りから見たら正真正銘のバカッブルだと笑われるだろう。今年で付き合って5年目になる笑



無職になる前は月に平均で25万円くらいもらっていた。インセンティブがある会社だったので調子がいい月だと35万くらいもらえたこともあった。子供もまだ予定がない、車も所有していない二人には生きていくには十分な金額だと思う。

でも僕には借金がある。それもほとんどは僕自身の借金ではなく、僕がまだ幼いころから積もりに積もった親の借金だ。僕を含めた子供たちはもう成人していて、何年か前までは毎月借金返済用に親にお金を送っていた。アメリカ留学をしている間も、国際送金でお金を送っていた。だからもう全て完済できていたと思っていた。

しかし、完済したのは利子がつく消費者金融系だけであって、友人や親戚から借りていた借金がまだ3倍くらい残っていた。それに重なって判明した両親の浪費癖と子供たちが返済用に送っていたお金をちゃんと返済に回さずに、そのお金で車のローンを組んだり、なにかと贅沢をしていたのを知ってしまった。これが判明する前は僕は、年金生活の親が粛々と必要最低限の生活をしていてくれていると思っていた。そんな中でもたまに電話でお金のヘルプを頼んでくるので、当時、親に対してなにも疑念をいただいていなかった僕はカードのキャッシングリボなどを利用して親に10万円単位でお金を送っていた。

今考えたらそこが負のループの始まりだった。結局リボなどを重ねてしまった結果、僕自身が抱える借金が膨れに膨れてついに、自分の年収以上の借金を負う羽目になってしまった。もちろん、お金を送られた親が返すなんて期待はこれっぽっちもしていない。毎月利息と元本を少し払う生活を余儀なくしているし、毎月20日をすぎると情緒不安定になる。

この時点での僕のなかでの豊かさというのは完全にお金の有無になった。

そんな中での会社からの解雇通達。理由は不当だと思ったが、仕方なく引き下がった。会社都合での退職だったので翌月から失業保険はもらえることができた。

しかしそれも半年足らずで期間満了を迎え、ついに無職期間+@な状態になってしまった。この期間が7ヶ月間のステータス「無職」。

そしてコロナ騒動と神コンボをくらってくらってくらいまくって、HPゲージが今まさに真っ赤に点滅している状態なところに、採用通知の連絡が入った。

連絡がきた時はそれはもう妻と抱きついて喜んだ。

調子にのって出勤前日には焼肉食べ放題に行ったりもした。

そしてそれをたった1日で辞めた。その日は散々泣き崩れ、泣き疲れてベッドに入ると不思議な夢をみた。

不思議な夢
夢なのでかなり曖昧な表現になってしまいますが、あしからず。

ふと起きるとそこにはなんだか既視感がある部屋の中に僕一人がいた。どうやら誰かと話をしているが、誰だかよくはわからないが男性ではある。

俗にいう「ここはどこ?わたしはべちお」状態である。

話の内容的にはどうやら、たった1日で仕事辞めてしまったこと、妻に対する申し訳なさ、借金のこと、今後の不安など、今まで話してきたこと全てを僕が相手に話していた。

夢の中の男は僕に対して「まぁまだ31歳でしょ?まだまだこれからじゃん!なんだってできるよ!」という悩んでる人に対してのテンプレートなアドバイスをしてきた。それに見ず知らずの人間に対してタメ口だ。

夢男は続けて「俺だって悲しいことあったり、辛いことあったりしたけど、なんとかこうして生きてるし、笑ってるし、今一番心配なのはうちのワンちゃんの具合が悪いってことだけだよ。それ以外では特に心配のない幸せな生活をしているよ」

僕は「はぁ。」とだけ相槌を打つと、既視感の強い部屋の中を散策し始めた。テレビ台の上にはたくさんの写真が飾ってある。全て家族写真やワンちゃんの写真。どれもとても素敵な写真だけど。さっきまで話していた夢男の写真は1~2枚しかない。

なるほど。これ全部あの夢男が撮ったのか。だから写ってないんだ。

写真の中にある笑顔は作り笑いでもなんでもない、正真正銘の心の底から溢れ出る笑顔だらけだった。そして夢男がどれだけ家族を大切にしているのか、愛に溢れた人なのかが手に取るようにわかった。

しばらくすると夢男から

「べちお、お前はね。お金がないだけなんだよ。わかるかな?」

僕はだから困ってるんだと言いたかった。

「べちおはお金がないだけで、その他の部分においては全部べちおの中では十分なくらい満たされているだろう?平均身長より高い身長・どこの国に行っても必ず太ってしまうその食欲・雨風を凌げる家・五体だって満足じゃないか。それに一番はずっとそばにいる妻の存在。」

僕の中で何かがハッとした。夢男は続ける

「世の中には何か一つ足りないだけで不満をいう人間がごまんといるんだ。でも考え方を変えて見るとどうだろう?1問2点の100点満点のテストがあって全部埋めたけど、結果は98点だった。その結果に対してべちおはどう思う?」

「98点も取れたんだって喜ぶと思います。」そう答えた。

「そうだろう?小学生なら家に持って帰って自慢してオムライスを作ってもらえる権利を獲得できるくらいすごい偉業のはずだ。だから一つくらい自分に足りないものがあったとしても、それはそれでべちおの人生は幸せなはずなんだ。だから今日はもう帰りな。なにかあったらまたここに来るといい。」

そう言い残して家を出たら目覚ましのアラームが鳴った。

不思議と目覚めがよかった。泣きすぎてパンパンになった顔を洗い、うがいをして、妻とお揃いのマグカップでお白湯を飲みながら昨日見た夢の話をした。

「その夢男ってべちお自身じゃないの?本当の答えはもう出てるのわかってるのに、自分の中で考えすぎちゃうから、夢で未来の自分が教えてくれたんだよ」

なるほど。としか言いようがなかった。だからあんなにも既視感が強かったり、見ず知らずの男に対して今の悩みを全て打ち明けることができたのか。いや打ち明けるというよりも、もうすでに彼は経験した後だったからなのか。

そして夢から覚めて頭の中で整理した。一つしか足りない物がないってすごい満たされていることなのはわかったが、お金がないことに変わりはない。でも「お金がないだけ」と、すごい簡単に問題を小さくイメージできたことは自分にとってかなり大きなポイントになったと思う。98点取れたけど、残りの1問をどうやって正解しようかなんてのは、何回も間違えて、結果100点取れればいいんだ!そう思うことができた。

そしてなにより今日という1日をまたこうして妻と一緒に過ごせると思っただけで、僕の未来に対する考えと、いかにこの先の人生を妻と一緒に過ごすことができるかと想像を働かせただけで、僕の心はとても豊かになっていった。本当にこの人と一緒になれてよかった。となんだかニヤニヤしてしまった。

妻「今日のごはん、何か食べたいものある?」





「オムライスがいいな」