数本主演映画を観たことがあり、可愛いなと思っていたペ・ドゥナ主演の『空気人形』



ファミレスに勤める中年男性(板尾創路)が持っている空気人形は
ある日突然心を持ってしまった。
空気人形は、男の留守中に街に出かけるようになるのだが
レンタルビデオ店で働く純一(ARATA)に恋して、同じビデオ店でアルバイトを始める。


切なかった!!
でも、救いようのない切なさではなかったと思います。
心を持ち始めた朝のこと
物干し竿から落ちる雨の水滴に手を触れながら
「きれい」とつぶやく空気人形。

韓国人のペドゥナがたどたどしい日本語で少しずつ色んなことばを覚えていきます。
人形が習得しているように見えて、ナイスキャスティングだなと思いました。
無邪気にいろんなものに興味を示す空気人形がとてもかわいかった~ラブラブ

星野真里が演じる過食症の女性は、空気人形とは直接交流することはなかったけれど
なかなかに印象深かったです。
「この街に住む人はみんな空っぽなんだよ」
と、代用教員だったという老人が空気人形に語ります。

あの街はどこだろう?
都会のビルがすぐそばにそびえる東京の下町。

今この瞬間も、空気人形はあの街を闊歩しているような気がします。

切なさを愛しいと思えるような、そんな大人に観てほしい作品です。