転職が決まると、やめようとしている現在の会社が

妙にいい会社に見えたりします。


それまで、となりの芝が青く見えていた状態。

転職が決まると、それまで自分の庭だったところも

となりの芝の一部になってしまうからかもしれません。


失ってみて初めて、あなたの大切さがわかった。


それはなにも、男女の関係だけに言えることではありません。

会社と社員の関係にも、しっかりと当てはまることなんですね。


私が最初の転職をしたとき、

当然ながら、得たものと失ったものがありました。


まず、得たもの。

給料の大幅アップ。

住宅手当を含む福利厚生。

一生勤務できそうな安定感(やめちゃいましたけど)。

自分も一部上場の大企業に就職できたじゃん、という

妙な安心感。


失ったもの。

就業中のインターネット環境

時代の先を行っていたような雰囲気

同年代の仲間

風通しのよい社風

洗練された、無駄のない業務フロー

自由なこころ(=好きなときに有給)

「いい仕事」に対するモチベーション(これは結果論)

家族との時間


ここで、転職する際にとてもとても重要なことは、

「転職することで失うもの」が、自分にとって

「たいしたことない」ものか、どうかです。


自分にとって大切なものを守る、ということは、

転職によって得たいものを得ることよりも

大切なことなのです。


なぜなら、「転職によって得たいもの」は、

今現在はないものであり、つまりは、なくても

生きていけるものかもしれないから。


一方で、本当に失ってはならないものを

失ってしまっては、その瞬間生活が崩壊するかも

しれないわけですね。


私の場合、一回目の転職で失ったものの

ほとんどは、まあ、惜しいけど、別にいいや、

という程度のものでした。ただ一つを除けば。


その分、得たものというのは、当時、本当に

得たいと思っているものでした。


でもそれは、当時、そういう気分になっていただけで、

本当に得たかったものは、より大きな、

得るのが困難なものであり、実際に得たもの、

得たいとおもっていたものは、それを達成するための

表面的な手段に過ぎなかったような気がします。


そして、ただ一つ、本当は失ってはならなかったものを

失いました。

そのときは、絶対に失ってはならないとは

思っていなかったのです。


まさに、失って初めてその重みが分かった。

手に入れて、その価値のなさを知った。


そういう転職を私はしたわけです。


そういう転職をしたことに、今はとても意味を感じています。


ただ、みんながみんな、そういう転職をする必要はないと思います。


絶対に得たいものを得、絶対に失ってはならないものは守る。

そのために、私はまた転職しました。

そして、最初の転職に意味を持たせるために、

いま、この仕事をしています。


本当に良い転職のお手伝いをしたいものです。