しばらく更新をさぼってしまいました。

こういうのは毎日書かないといけませんね。


今日は、すでに外資系金融機関5社を渡り歩いた、

ある意味転職のプロとも言える、

学生時代の先輩に会って来ました。


印象に残った、かつココでぜひ書いておきたいせりふ。


「転職も、いかに『今に見切りをつけるか』なんだよね」


いや、実に共感しました、といっても

これだけ書いてもわかりませんね。


これは、僕も経験である程度はいえることなんですが、

転職をするきっかけというのは、視点の問題ではありますが、

結局、今いる場所、あるいはそこにいる自分に対して

なんらかの見切りがついた、

あるいは見切りをつけざるを得なくなった、

というのが一番大きい、というハナシです。


見切り、というのはあきらめとは若干違います。

見切ることで、その先どうしていくかを考える、

前向きな思考だと僕は思っています。


もちろん、なにかをしたい、という前向きな転職が

あるじゃないか、という意見もあるとは思いますが、

それは裏返して言えば、いまいる会社では

それはできない、あるいはすぐにはできない、

または、転職するより労力がかかる、といったことに

置き換えることができます。


ただ、自分で「何を見切ったのか」が

はっきりわかっていないと、

いざ転職しようとしたときに、

どこに行けばいいのかがわからないし、

転職した先でも同じ見切りをしなければならない、

ということにもなりかねません。


僕は以前から、

基本的に転職を積極的に勧めることはありませんでした。

いまでも、転職しなくてすむのなら転職しなくていい、

と強く思っています。


そして、僕が転職したのは、

いずれの場合も、ある「見切り」をつけたからです。

それは、会社に対してでもあったし、

自分に対してでもありました。


自分を見切る。むずかしいですよね。


僕がインテリジェンスでキャリアコンサルタントをしていたころ、

転職希望者とお話しする際、ヒアリングでもっとも重視していたのは、

何をしたいのか、どんなところで働きたいのか、ということではなく、

なぜ、今の会社を辞めたいと思っているのか、ということでした。


その理由を明確にすることで、次なる職場探しの一番の

指標になるわけです。


こういう聞き方をすると、

たとえばやりたいことが新たにみつかった、ということを

転職の理由に挙げている人も、実はいろいろと

現状の不満をあげてくれました。


それを解消できる先を紹介してこそ、

キャリアコンサルタントとして存在価値が

発揮されるのではないかと。


かといって、

今より仕事の量が半分で給料倍じゃなきゃいや

というようなリクエストに応えられるかっていったら、

よっぽどひどい会社に勤めてるんじゃなければ

まあ、難しいでしょうね。


人材紹介業、というのはその名の通り、

「人材」を(企業に)紹介する事業であって、

転職先を紹介することで

利益を上げるわけではないので。


そこで、やはり「見切っ」て、納得していただき、

そして前に進むこと。

これをサポートするのが、キャリアコンサルタントが

転職希望者の方に提供すべきサービスのひとつではないかと思います。


ところが、この見切りが難しい。

必要以上に見切ってしまう紹介会社

あるいはキャリアコンサルタントが、実はあまりにも多いのです。

なぜかというと、そのほうが仕事が楽だから。

そして、そういう会社・コンサルタントは、もうひとつの、

大切な仕事をしていないような気がします。


キャリアコンサルタントのもうひとつの大切な仕事は、

「見出す」こと。


企業は、あれができるひと、これができるひと、という風に、

経験や能力を中途採用者に求めます。

それはときには、そんな人世の中にいないんですけど、

っていうような注文に発展してしまうわけですが、

それに対して、人材紹介会社のあるべき姿とは、たとえば

仮にその業務が未経験であっても、こういう業務についていたから

こういう形で親和性があってなおかつ新しい視点で仕事ができる

みたいな提案をすることだと思います。


こうした、直接経験があるわけではない職種において、

それまでの経験を活かすことを、「再現性」と呼んでいます。

新しい業種への転職や、若手の人材の転職において、

これは直接経験があるかどうかよりも重要となりうる指標です。

ただ、これは自分自身ではなく、客観的な目によって初めて

見出されるものであり、それを見出すのがキャリアコンサルタントであり、

人材紹介会社なのです。


そして、少なくとも僕たちは、、見切る分だけ、いや見切る以上に

見出せる、そういうキャリアコンサルタント集団であると

自負しています。