おはようございます。
こどもアートクラス主催、3色パステルアートインストラクターの薫です。
今日は私が留学していたイタリアの入試と画材のお話。
もともと私は油絵科専攻でした。
当時、日本で美大を受けようというとき、
「油絵科」「日本画科」「彫刻科」「デザイン科」
の4つに分かれていました。
小学校のときに、絵の上手だった祖父から趣味の油絵を習って、中学でも高校でも油絵に親しんでいた私は、躊躇することなく油絵科の道を進もうと思っていました。
そして、大学受験。。
超あがり症の私はいつも自分の力を発揮できず、何回か失敗。
絵を描くだけだから、あがり症かどうかなんてあまり関係ないように思いますが、答えが決まっているわけではない絵を描くという入試。
確かに、大学入学できる人を決めないといけない試験なので、絵で判断しないといけないわけですが、
当時、東京芸術大学で34~7倍という高倍率。
もともと人と競うことが好きじゃない私は最初から受かるつもりじゃなかったのかも、
と、当時の複雑な自分の心境が見えてきます。
そして、恩師の勧めもあり、イタリア留学を決意したのですが、まずはイタリアに発つ前3か月イタリア語集中講座に通い、8か月アルバイトをしながら週2のコースに通い、何とか留学をスタートさせました。
そして、イタリアの大学の外国人向けイタリア語学校を終了。
いよいよミラノにあるブレラ国立美術学院の外国人向け入試の日。
まじめな日本人の私は
カルトン(デッサンを挟んで運ぶ入れ物)に木炭紙をたくさん入れて、
日本から持ってきた好きなメーカーの木炭、
消しゴムになる食パンは買えなかったので(質が悪く)、練り消し、
を持って入試会場へ
入試内容は、
「裸婦像を4日間で5枚仕上げる+イタリア語能力判定」
単色でデッサンんをするものだと思い込んでいた私は、
目にした光景にただびっくり。
世界各国から来ている人たちの画材のバリエーション!
確かに、「単色」とは言ってないし、5枚提出すればいいということらしいけど・・・
でもラフでしょ!紙でしょ!
中には紙なのに、ジェッソを塗ってマチエールのようなものを作っている人もいる。。。
そしてとにかくみんな発想が面白い!
私のすぐ前で描いていた彼。
体は少しの形の狂いがあるものの、実直に描き上げているのに、顔が決まらない!
突然裸婦像の顔を消し、描き始め、また消し、を5回くらい繰り返しているので、
「どうするのかなぁ~?」と思っていたら、
なんと!
モデルの顔に実在しない仮面が登場!!
こんな感じの↓
そして、複数の仮面がモデルの周りの空中を飛び始めました。
もうおかしくておかしくて笑いをこらえるのに必死!
私は、とにかく描くことだけに集中しました。(ちなみに彼は合格していましたよ)
要は、色付きだろうが単色だろうが「きちんと描けていればOK」なんです。
(仮面についての教授たちの判断は不明ですが・・・)
話がだいぶ脱線してしまいましたが、
イタリアのアカデミアは科が
「絵画科」「装飾科」「彫刻科」「舞台美術科」
に分かれていて「絵画科」は日本の「油絵科」のようなくくりはないということなんです。
油絵科って油絵だけしか描いてはダメ?なイメージがありますよね。
それって変だよな~とイタリアに行って改めて思いました。
向こうでは、表現する方法として画材を決められることはありません。
ただ、画材を使いこなせないと意味がない。
なので入学してから1年間ずっと一番難しいとされる透明水彩を使っていました。
外出用に持っている透明水彩↓ ↓
透明なので、白い絵の具はなく、上から塗って消すことができない画材。
結構難しいんです。
普段小学校などで使っているのは不透明水彩です。
ガッシュとも言います。
子どもたちは自由に描くための画材が最適ですからね。
イタリアではその後、油絵の具を使い大作も描いてましたが、
それ以来ずっと水彩も描くようになりました。
水彩色鉛筆 というのもあるのをご存じですか?↓ ↓
画材の持つ魅力はそれぞれで、それぞれの顔があります。
表現として選ぶ画材も自分はこうだから、これだけしか使わない、
ではなく、
いろいろな画材を使ってみて決めたり、用途で決めたり、複合して使ってみたり。
好きだからこれ!というのもありですね。
次回のキッズワークショップではTシャツを絵の具でぬりぬりして、
世界で一枚だけのTシャツを作ります。
布に絵を描くのはさすがに透明水彩ではだめなので、
どんなTシャツができるか楽しみです
ちなみにこれはアクリルガッシュを使って作った葉っぱスタンプのエコバッグ↓ ↓
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