[Revenue & pricing #3] NBA AllStar & Endorsement | 続・NYスポーツビジネス留学挑戦記録 -No Pain, No Gain-

続・NYスポーツビジネス留学挑戦記録 -No Pain, No Gain-

フルブライト奨学生としてNew York Universityに留学したアラサー女のその後


週末のNBAオールスターの日は-16℃という今季最低気温を記録したNYでしたが、
せっかくなので一念発起して会場であるMadison square garden へ行ってきました。





面白いのがやっぱりやってたNIKEのアンブッシュマーケティング。
公式サプライヤーはadidasなので、adidasは「オールスター2015」の
ロゴを入れたグッズを売れるわけですが、Nike にはその権利がない。



会場に隣接してあるナイキショップはそれでも当然オールスターモード一色。
ナイキはオールスターのロゴを使えない代わりに、
オールスターに出場する契約選手たちをフィーチャーして





彼らのモデルシューズをディスプレイしたり、
”NY2015"とか書いてあるシャツなんかが売られていました。






この、「スポンサーじゃないくせに、あたかもそうかのようにイベントに乗っかる手法」を
アンブッシュマーケティングと言いますが、
NIKEはオリンピックでも大いにその巧妙ぶりを発揮するので、
そういう目線でナイキのCMとか見るとけっこう面白いです。

もちろん、イベント開催側の立場に立てば深刻に困った話で、
いかにスポンサーの利権を守るのか、は常に議論を起こすテーマでもあります。



さてさて、本日は毎度面白い授業の日…
の、はずが、まさかの先生バケーションで代講!そんなのありなの?笑

わんさか盛り上がるいつもの授業とは打って変わって静まり返る教室。
先生が変わるとこんなにも変わるのか。

まずは毎週恒例の個人ミニプレゼン。本日はペルーからやって来た、伊達男のルイス君。
唯一の同い年でもある情熱的なラテン人で、去年の私の誕生日には
スーツ着て真っ赤なバラの花束を持ってきてくれた陽気な男です。笑

内容はクリケットビジネスの可能性について。
アメリカでは大して人気のないスポーツですが、
実は世界大会にもなると10億人(?!)が観戦するということで、
アメリカ展開の可能性を示唆するプレゼンでした。面白かった。


で。授業のお題はアスリートのエンドースメント(広告起用)について。

まずは、現役/引退アスリートの、エンドースメント収益ランキングのクイズから。
さて、最も稼いでるアスリートは、果たして誰でしょう?

ヒント1.
顔が出てないスポーツは不利!

ヒント2
ファン層がリッチかどうかが鍵!

ヒント3
個人にブランドがあるか?!

というわけで、正解はこちら。

Top 5 現役アスリートの部
1. タイガーウッズ (ゴルフ)
2. ロジャー・フェデラー (テニス)
3. フィル・ミケルソン (ゴルフ)
4. コービー・ブライアント (バスケ)
5. ラファエル・ナダル (テニス)

Top 5 引退アスリートの部
1. マイケル・ジョーダン (バスケ)
2. アーノルド・パーマー (ゴルフ)
3. デビッド・ベッカム (サッカー)
4. ジャック・ニコラス (ゴルフ)
5. マジック・ジョンソン (バスケ)

ご覧の通り、実は意外とテニスとゴルフが二強だったりします。
フットボールとホッケーは顔が見えないのが難点。
野球はファン層の購買行為が弱いそうで、バスケが比較的強いとのこと。

また、水泳や陸上の選手はオリンピックなど大会の時には需要が高まるものの、
恒常的な露出のニーズはプロスポーツ選手たちには遠く及ばないとか。

何より意外なのは、現役アスリートとしてトップに君臨する問題児タイガー。笑

これは、スキャンダルを起こす以前にがっつり稼いだ分と、
輝かしいゴルフキャリアのおかげで、スポーツ企業の引き合いは未だあるからだとか。
言わずもがな、彼は家族層をターゲットにした数々の契約企業を失ったわけですが、
それでもゴルフ強しといったところでしょうか。


企業がアスリートを選ぶ基準は何かというと、ざっくり最重要な要素が3つ。

1.Fit
アスリートのイメージや功績と、企業あるいは製品が合っているか

2. Authenticity
信憑性とでも言おうか、"ホンモノ"であるか

3. Buy-in
そのアスリートを起用することで、ターゲット層の購買意欲を掻き立てることができるのか

この3要素が最低限マッチしていることが、良いエンドースメントの条件だそうです。
個人的には、3が一番重要な意思決定の要素になるんじゃないかと思います。


そんなこんなで、2時間半の授業が終わった後、教室を出たクラスメイトが一言。

" I don't like her class... So boring "
(彼女の講義やだな~…退屈。)

はい、agree. そして彼は続けます。

"You know? One class costs $200!! I calculated. That's insane."
(知ってる?1回の授業単価$200すんだよ!計算したんだ。バカげてるよ。)

ひぇ~~!高い高いとは思ってたけど、1コマ2万円強もしているなんて!!
さすがアメリカ国内でも屈指の金取り大学NYU。

せんせー、早くバケーションから帰ってきてー。涙