たぶん、あの方は、自分の夢が叶うかも、と思ったのだろう。

男の人独特の、少し距離を置いたところにどっしり腰をおろし、

斜め上を見て、ぶつぶついろんな提案を、自分にしはじめた。


ずっと営業マンやってたら、

きっと受注するだろうと思える、仕草、表情があらかじめわかっていたりして。

まさに、あの表情をみた。

なかなかあの表情は、みれないし、

みれることが、私なりの、営業マン冥利であり。


私に説得されて、しぶしぶ買うのではない。

私の話が上手だから買ってしまうのではない。


それを買ったら、自分の夢が叶うかもしれない、という

イメージが、くっきりもてたら、人は買うのだ。


でも、これは、昔の上司がよく言っていたことばでもあるな。

「それを買ったら絶対にうまくいくと、わくわくしてくるような提案をしろ。

受注はむりやりするのではない。うまくいくイメージをくっきり描けたら、相手は自然に買ってくれる。

買ってくれないのは、おまえの提案が悪い」と。


これは、私のなかでも、究極のセオリーで。


だから、営業マンに求められることは、

話上手でも、社交性が高い、ということでもない。


目の前の人に、それならうまくいくかも!とわくわくしてもらう、

夢を見させ、かつ、そこへ向かうための現実的な話ができることなのだ。

現実的な提案でなければ、いくら夢あふれる話でも、

人はわくわくしてこない。買おうとなんて、思わない。そこである。


幸せな一日でした。あの表情がみれたら、自分は、仕事をした気になる。