地震がおきた時、私はお仕事中で取引先の住宅展示場さんにいました。


  尋常じゃない揺れ方に、「外に出たほうがいい!」と聞こえてきた声。

  外は広々とした駐車場になっていて、室内にいるよりは安全?

  でも大きな揺れには立っている事ができず、地べたに這いつくばりました。

  ゴゴゴゴ・・っていう音と、駐車場に並ぶ車たちが前後に大きく動いていたっていうのは覚えてる。

  でも道路を走っている車がどうだったのかとか、

  建物がどう揺れていたのかとかは、全く見る余裕もなく。。


  やっとやっと長い揺れがおさまって、次に目にしたものは、お隣の建物の中のゆがんだ壁。

  床に落ちているこなごなに割れた食器類。

  それらを見て・・急いで家に帰らなきゃ!!って。

  ケージの中でお留守番しているたけるとぴちおちゃんはどうなっちゃっているんだろう・・


  幸い住宅展示場さんから我が家は車で15分か20分くらいの場所。

  ふたりの無事を必死に祈って、自宅まで車を走らせました。


  ところが帰るまでの道のりは、陸橋が壊れて通行止めになっていたり、

  回り道をしても、塀が崩れていて通れなかったり、、

  とにかく通れる道を探し探し走るも、みなさんも同じ行動のため、細い道で大渋滞。

  大渋滞で身動きがとれない所へ、たびたび来る大きな余震。


  やっとお家へたどり着いたのはどれくらい後だったんだろう・・

  覚えていないけど、必死に玄関を開けるとたけるの「きゃんきゃーん」って言う泣き声。

  部屋のドアを開けると、ぴちおちゃんの鳥かごがテーブルの上から転がり落ちている

  風景が目に入ってきました。


  でも不思議な事に・・って言ったら変な表現かもしれないけど、

  絶対落ちてもおかしくないような場所においてあったお皿も落ちていなくて、

  割れ物はいっさい割れておらず、たけるもぴちおも怪我もなく無事でした。

  無事でいてくれた事に感謝し、とにかく外へ出なくちゃと思った私は、

  とっさにぴちおちゃんのエサと、たけるの残り少なくなっていたカリカリごはんと、

  お水を水筒に入れて、たけるが寒くないように上着を持って、、荷物を持ち、

  たけるをスリングに入れて、ぴちおちゃんの鳥かごを持ち、車に避難。

  ご近所さんが赤ちゃんを抱っこして、やっぱり車に避難されていたので声を掛けて。

  その後、たけるとぴちおちゃんを連れて会社に向かいました。


  同じ市内でも会社は停電しており、井戸水のモーターも動かずお水も出ない状態。

  たけるとぴちおちゃんと身を寄せ合って、会社の人たちが現場から戻って来るのを待ちました。

  みんなが会社に戻って来れたのは何時頃だったのか?

  それももう覚えていないけど、

  信号は停電、塀は崩れて道は通れず、とにかく大渋滞の中帰ってきたようです。

  とにかく皆が無事でよかった。


  この日から私の不安な日々が始まりました。


  とにかくあの元気なたけちゃんが、ブルブル震えていて、ちょっとした音でもビクッって。

  抱っこなんて嫌いだったハズなのに、抱っこをせがんでくる。

  地震から2日間はたけるもぴちおちゃんも連れていたけれど、お仕事上そうも言っておられず。。


  お留守番中のたけるはケージの中のおトイレでチッコをしていたのだけど、

  それができなくなり、私が帰ってくるとケージの中はびしょびしょ。

  お家ではほとんど吠えたことのないたけるが、私が玄関を開けたとたん「きゃんきゃーん」。

  私がソファに座ると、今まではおもちゃを持ってきてカジカジしていたのに、

  地震後からは私の膝の上で小さく丸くなっちゃって。。


  夜は元気で寝ないことで有名(?)なたけちゃんマンだったのに、小さくなって寝ているのです。


  お留守番中に大きな地震を体験して、その後のお留守番でも余震に必死に耐えながら、

  私の帰りを待っていてくれている。。

  でも私は私で帰って来てテレビを付けると、凄まじい光景ばかり目に入ってきて、恐くて恐くて。

  現地の映像を見て自身も不安におちいる方が多くいたと聞きますが、私もその1人でした。

  きっとそんな私の不安や恐怖がたけるにも伝わって、たけるもますます不安だったのだと思う。


  こんな話を書こうと思ったのは、

  もしかしたらたけると同じようなワンコちゃんがいるんじゃないかな?と思ったから。

  私もたけるを見てなんだかとってもかわいそうで、でもどうしたらいいのか分からなくて、

  そんな時、他のワンちゃんはどうしているんだろう?って思いブログを覗かせてもらったりしたけれど、

  ブログを更新されている方は少なくて・・

  (こんな時に当然かもしれないけど)


  それでもワン友さんに励ましのメールをもらったり、先輩に励まされたりして、

  私は「恐い」って思う心を捨てました。

  何があっても絶対大丈夫!

  テレビは必要最低限のニュースだけを見るようにして、ラジオを聴くことにしました。

  (ラジオでアンパンマンの歌が流れた時には感動して涙が出た~)


  この日を境に、たけるの表情も変わってきたように思う!

  ブルブル震える事がなくなったし、おもちゃもカジカジできるようになった。

  たけるの表情は、私の顔を映していたのかもしれないな。。


  こんな事を書いても、震源地被災地の方には何の役にも立たないだろうけど

  (ってゆーか、そもそも読んでくれている方も少ないブログではあるけれど)

  でも、今回の地震で他のワンちゃんはどうしているんだろう?もしかしてうちの子だけこうなの??

  って思っている方が1人でもいらっしゃるのなら、

  私とたけるの事も1つの例として書いてみようかな、って。。今更だけど。


  以来、私は毎日たけると歌っています。

  実際一緒に歌ってくれるのは、セキセイインコのぴちおちゃんの方なんだけど、

  たけるも、私とぴちおちゃんの楽しく歌う声を聞いて、なんだか嬉しそう(*^.^*)

  お家の中で元気に走りまわれるようになりました。


  地震後、11日目にて。