本物がくれるときめき

本物がくれるときめき

手織り絨毯の専門店 色彩のギャラリーでおしごとしています。

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こんにちは。

手織り絨毯の専門店、色彩のギャラリー渡邊です。


唐突ですが、あなたは川遊びした事がありますか?





川でなくても海で泳いだり磯遊びしたり、湖で遊んだり、山歩きをしたり。

自然の中で遊んだ事はありますか?



じつはね、先日

「10年近く倉庫で眠っていたシルクのペルシャ絨毯をご購入されたというお客様がその絨毯からこながでて困っているそうなのですが何か対策はありませんか?」

というご相談を受けたのです。


私たちにできるのは【 ガード加工 】という撥水加工を施す事で摩擦を和らげ、こなこなの発生を少なくするといった事なのですけれども

実はコレ、根本的な解決方法はありません。


このガード加工も本来の目的は撥水ですので粉々を抑えるためのものではないのです。


この、こなこなの正体が何かというと、シルクそのものなのです。

ですから “ 物 ” としてそこに存在する以上は出続けます。

シルクというのはお蚕さんが出しているマユを分けてもらって作る糸の事で主成分は動物性のタンパク質です。

私たちが持っている髪の毛も動物性タンパク質なのでそれに近いかもしれません。


自然からいただいている素材なのです。


ですから徐々に自然へ還っていきます。


生み出されてから自然へ還るまでの間だけ


ヒトの手元に置いておけるのです。




これはシルクに限らずウールにも言えること。

だから手織り絨毯のほとんどは粉々を出しながら年数を重ねていきます。


せっかく手間暇かけるのだからもっと丈夫で長持ちする素材で作ればいいのに。

そう思う方もいるかもしれませんね。


でも、自然に還るからいいんです。




ビーチの波打ち際のビニル袋。

川べりに引っかかる蛍光色の釣り糸。

登山道に落ちているお菓子のパッケージ。



これらを見たときどんな気持ちになりますか?


ヒトが作り出した長持ちするものは自然に還るのに時間がかかるものです。




それに素材の持つ魅力というものもあります。

これまでもシルクに似た輝きとしなやかさを追求して人口的に化学繊維が作られてきました。

でもやっぱり本物のシルクの美しさには到底及ばずいまだに繊細なシルクという素材は人類から愛されています。


もしね、もしぜーんぶアクリルやナイロンで織られた手織り絨毯があったとしたら
ものとして放っている美しさも魅力もとても低いエネルギーのものになるんだろうなあ。


そんなの、見たことないけど。



ペルシャ絨毯に限らず、生花も、風景も

はかないからこそ、美しいのかもしれませんね。


ところで、絨毯から出る粉に対する対策ですがもっとも有効なのは、ていねいに掃除機をかけること、なんですよ。

優しくかけてあげてくださいね。