これまで少なくとも10年近く、ジャーナリストとしての視点で健康•医療分野の専門家たちのそばにいて、いろんな人たちの法人化の失敗例を見てきた。主にはNPOなんだけど。
だから、法人化そのものには、とても慎重になっている

かなり運営体制と適切な人材が整い、会員も安定数いて、実務が十分に稼動してからでないとやらないつもり。
公的な器を作ることで、社会的信用が得られて、取引先、会員、寄付などが獲得しやすくなる、というのが法人化の大きな理由だよね。
しかしNPOとはいえ、市場主義の世の中で、生き残るには、事業モデルが適切で、経営センスや営業力がかなりないと難しいみたい。行政支援なしなら、なおさら。
非営利団体の法人化したからといって、必ずしも事業は回らない。
というのも、社会貢献事業とはいえ、儲からないと、運営者たちがボランティアで働けるものではないでしょ?
◆失敗ケース(1)
ある予防医学系の学会から派生して、健康食品の認定を出すNPOが、多くの有名医師たちを理事にして立ち上がった。
でも、事実上の運営者が、健康医療分野で働いてきた人ではなく営業力もなかったからか、ビジネスは、ほとんど申し込みはなく閑古鳥状態。ほどなく休会となった。
医師たちはビジネスマンではないし、健康食品企業への営業なんてしてくれない。そこの見通しが、運営者も医師たちも甘かったケース。
→理事に偉い人たちを連ねても成功するとは限らない
◆失敗ケース(2)
メディアで働いたきた某氏が、市民のための医療メディアを立ち上げるという主旨のNPOを起こした。
収益モデルが、配布紙媒体の販売、イベント運営や主催、などあまり安定的な売上が出ず、もちろんそれでは主催者が生活する給料も出ず、休会したまま、某氏は企業に転職。
→理念はよくても、事業モデルとして見込みが甘いと存続不可
◆失敗ケース(3)
某大企業の会長の主催する個人的な交流会を母体として、マスコミ出身者と女性経営者が、健康コーディネーター認定NPOを立ち上げた。
ところが、立ち上げ時点で、協力する理事になる医師たちが見つからず、行く末が危ぶまれた。やっと80歳近い元厚生大臣の医師を担ぎだしてきた。
それでも数年は、教材を開発したり、認定テストを東京や大阪でやったりしてた。
しかし、核となる運営部に医学会で権威ある医師は参加せず、求心力が保てず知名度も上がらず休会中。
これは立ち上げ時点で、健康テーマなのに、部外者が健康認定ビジネスを当て込んだと疑われ、医療協力者が集まらなかったケース。
→運営に信頼できる協力者が集まらないと発展できないというわけで、社会貢献できて、お金が回るためには、権威ある協力人材も、実益を生む事業モデルも、優秀で堅実な運営者たちもすべてそろわないと成功できないんだな~って

いま思えば、貴重な見聞だったのかもね~
