NHK特集ドラマどこにもない国
終戦後、旧満州に取り残された
150万を超える日本人の帰国を実現に導くために
わが身を捨てて奔走した男たちがいた。
国家から見捨てられた同胞を
故郷に帰すための命がけの戦い、
そしてそれを支えた妻たちの愛。
複雑怪奇な国際情勢に翻弄されながら、
奇跡とも言われた引き揚げ、
どのようにして実現に至ったのか―
歴史の陰に埋もれてきた戦後秘話を
中国ロケも交え、壮大なスケールでドラマ化
とても見応えがありました。
満州からの引き揚げにまつわる本や
ドラマをいくつか拝見しましたが
日本からの船が用意されて
命からがら戻ってきたという内容は知っていても
誰がどのように満州での惨状を訴えて
日本に引き揚げの要請をしたのかということは
考えもしなかったです。
その頃、満州と日本を繋ぐ通信手段は断たれ
戦後の動乱の日本は満州に思いを馳せる余裕など
なかったのでしょう。
このままでは
満州に残る日本人は
殺されるか、売られるか、強制労働させられるか
飢えで死ぬか
一刻も早く日本人を救うよう
命からがら日本に渡った人たちの物語。
いえ実話です。
観てて恐怖に震えます。
現代に生きる人たちの
そこはかとない不安というものではなく
毎瞬、死と紙一重のような状況が続くのです。
本国でも空襲があり原爆が落ち
たくさんの命がアメリカ軍により失われていくのですが
満州では日本の敗戦後
ソ連軍の侵入による殺害
中国人による逆襲が続くのです。
日本人の子供をひきとってくれた
親切な中国人もいましたが
ここぞとばかりに残虐な中国人もいました。
日本人であるとわかれば殺されてしまうので
中国人になりすまして中国人ばかりの列車に
のるシーンはハラハラしました。
この時代に満州にいらした方のことを思うと
計り知れない恐怖を感じるのです。
どんな状況でも生き抜いてきた人たちがいた。
この戦争だけではなくその前の戦争でも
その前の戦争でもずっとずっとずっと先でも
生き抜いてきてくれたからこそ
今の命に繋がっているのだと
そんなことに思いを馳せました。
今はほんとうに平和です。
危ない要素を含んではいますが
この時に比べたら平和です。
自由な思想も許されています。
当たり前に過ごす日々の生活に
穏やかさがあります。
なんて幸せで有難いことかと思います。
日々の暮らしのなかで
起こってもいないことを不安に思ったり
将来を憂いたりできるのも
平和だからこそ。
ぐずぐず悩み暗い顔をするのは
死と隣り合わせに生きてきた先人たちに
申し訳ない想いさえします。
感謝の念が湧くとき
人は一番穏やかな気持ちになれると思います。
まだまだ小さいことにイラッとくることもある
私ですがせっかくいただいた命を
楽しんで生きたいと思います。
今を生きる人たちが心から楽しんで生きることが
一番の供養になるのではないかと思います。
３月31日午後９時から後編が放映されます。
前篇をご覧になっていなくても
内容はわかるかと思います。
昨年放映された松嶋菜々子さん主演の
「レッドクロス～女たちの赤紙～」も
素晴らしい作品でしたね。
語り継いでいこうとする制作者さん達にも
感謝です。
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