私は、今シーズンでアルペンスキー競技を引退します。
理由は、元々の強みでもあった攻めの滑りが出来なくなったからです。
4年前の手術で、左膝の半月板をほぼ失い、大腿骨の軟骨も削ってからは、ずっと痛みと戦いながらスキーをしてきました。
目標であるW杯やオリンピックに出るために、周りの方々の力をお借りして、なんとかここまで競技を続けてこられました。
しかし、膝は一時的に良い時はあっても、さらに痛めてしまう事が多かったのです。
今では痛み止めとテーピング、そしてサポーターを使っても、膝が痛くてまともに板に乗れない状態になってしまったので、引退の決心がつきました。
やはり、攻めることが出来なければ、レーサーではいられません。
今まで、温かく応援し、サポートしてくださった皆様には、W杯やオリンピックで活躍する姿をお見せすることができず、攻めの滑りもお見せできず、本当に残念です。
ですが、私なりに、今まで全力でやれる事をやってきたつもりです。
だからもう、未練はなく、やり切ったという気持ちです。
これからは、大好きな仲間である日本のアルペンレーサーの活躍に期待し、応援していきます。
今までスキーを通じて、たくさんの素敵な出会いがあり、辛いことも楽しいことも経験をさせて貰い、皆様のお陰で成長することが出来ました。
私が初めて全国大会で優勝したのは、全中でした。
その時、私以上に、支えて下さった周りの方々や仲間が喜んでくれた事が、本当に嬉しかったのを今でも覚えています。そしてそれは、「自分にも、こんなに人を元気にできるんだ。」と思った瞬間でした。
それからは、周りの応援全てが、私の心の支えでした。プレッシャーになんかなりませんでした。
今まで、国内のタイトルレース全てで優勝が出来たのも、応援し、支えてくださった皆様のお陰です。
今まで、苦しい時も辛い時も頑張れたのも、心の支えがあったからです。
こんなに夢中でスキーに打ち込めたのも、心の支えがあったからです。
皆様、今まで私にたくさんの力をくださってありがとうございました！！！
今までは、スキーで世界で活躍して、人に元気や勇気を与えられる人になりたかったけど、
これからの人生は、違う形でも人を元気にすることは出来ると思うので、私に出来ることを一生懸命取り組んでいきたいと思います。
これからも、どうぞ宜しくお願い致します。
水口かおり