離島はいつでも、新鮮な料理が食べ放題。
というのは、大きな勘違いである。
確かに、食材はね。
新鮮なものが多い。
お魚とか、フィッシュとか。あと、鮮魚とか。活魚とか。
しかし、調味料は違う。
新鮮なおサカナとれたどー言うて、
ほいじゃいっちょ、お刺身でもって
んーこの弾力!ねっとりとからみつく甘味!
やっぱ、とれとれぴちぴちはちがうなー!
なんつっても、お醤油は賞味期限ギリギリだったりするんである。
なんなら、半年くらい過ぎてたりするんである。
新しい醤油の栓を開けた時とか、ちょっと感動するかんね。
あー、お醤油ってこんな味だったねーつって。
ほいじゃ賞味期限のない塩にしたらいいじゃんつって。
てやんでえ、こちとら磯の男はぐわっと荒塩よ!
サカナなんぞ塩で十分!ほら食えミネラル!
新鮮なサカナじゃねえとこうはいかねえぞ!
なんつっても、塩がカタマリになってて
しょっぺかったりするんである。
ほんと、ほろ苦い。
そんなわけで離島の料理は、
新鮮な食材と賞味期限切れの調味料が
互いの個性を主張しあうバトルの様相を呈することになるのである。
そのうえ、調味料の種類が少ない。
味噌も醤油も塩も砂糖も、一種類。
いわんや、クミンやらターメリックやらローレルやらキャラウェイやら、
島で一軒こっきりのよろず屋さんに仕入れてって言ってみたところで、
日本語でおk、ってなる。
ああなんだろう。
どれを食べてもなつかしいつうのか、口にやさしいっつうのか。
これが郷土の味かー。
なんつって自分をごまかしてみるけれど、もうムリ。
食べ飽きたんである。
そんでも昔ならね。あきらめるしかなかった。
ハンケチを噛みしめ
ぢっとわが手を見つめ
累々と涙を流すしかなかった。
けど、今は違う。時代は変わった。
お・取・り・寄・せ(お取り寄せ)
ね。
結構結構。良い時代になったものじゃ。
オリンピック万歳じゃ。
これで都会と僻地の格差はなくなった。
離島にいながらにして、全国各地のうまいものが食べ放題!
これぞIT革命なんつって、
じゃあさっそくグーグル先生お願いしますってね。
頼みました。
全国各地から、うまいものをかき集めました。
食材はもちろん、調味料も新鮮なものを使ったうまいもんを。
だがまとめて来ても食べきれない。
ここ一瞬の食欲で、我を忘れてはいけない。
配送指定日をそれぞれわけて、さあこれでダイジョウブ。
どんとこい。うまいもん。
たらね。
まとめてきました。全国各地のうまいもん。
なぜじゃ。わしの計画は完ぺきだったはずじゃ。
いったいどこで計画が狂ったんじゃ。
と。ひとしきり絶叫したとこで気づきました。
島への定期便。めっちゃ少なかった。
定期便がでるまでに届いた荷物、全部本土で保管されてた。
あー。って。。。。
あああああー。つって。。。
そんなわけで、大量のお取り寄せ。
鮮度が損なわれるのが先か。
わしの食欲がすべてを食らいつくすのが先か。
今ここに、熱いバトルが始まったのである。
つづく(つづかない)。