さて、共同生活17日目。

半月が過ぎて生活の慣れてきた。土地鑑はまだない。
というか共同生活についてはもう半年もいる感じ…
だが、まだまだ楽しさで過ごせる。


この時のブームは共通の友人の結婚式までに痩せる!ということ。
WiiFit2を購入してから、体重を減らすためにゲームで運動していたのだ。

この日、ゲーム終わりに汗を流すため風呂に向かう笑顔担当に
思わず僕は叫んでしまった。

「何これ!?」

そのはみ出ているものをつまみ上げ、笑顔担当に聞くと
彼女はあくまで冷静に

「皮下脂肪です」

と答えた。


ショックだった。

わりと細身で、動かず額に飾ればステキ女性でいられる笑顔担当に
スカートのゴムの伸縮性に耐えられない腹回りの部分が存在していたなんて…

二十代後半ともなれば衰えた肉体が表層化し始める頃というわけか、
彼女自身がその素質を持っているのか、
目の前にある余り物は再び僕に「現実」を見せつけたのだった。


というちょっと。
共同生活7日目。
早いもので1週間が経過した。

わりと飛ばし気味で書いているのは
なるべく現在(日記を書いている日)に近づけるため。


その間も同居人の様々な生態が明らかになってきた。


5日目には貧子がぬいぐるみを探して夜中に各部屋を徘徊し、

6日目は笑顔担当が家出。だったかな?


そして7日目。
男性目線で興味深い内容だと思われるのでピックした次第である。




この日は笑顔担当の面倒臭がり(もちろん知ってはいた)が
本領を発揮して招いたイベントだ。



1日の生活サイクルで個人的にはあまり欠きたくない項目である

『風呂』

唯一、
家の中で保たれているプライベートルームでありプライベートタイムだ。


個人の部屋には鍵もなく、開けっ放しで出入りは自由なので
バスルームはトイレの次の聖域と言っても過言ではない。


通常、僕らは生活の時間帯が違うので風呂に入るタイミングが
かち合う事はない。今のところ。

しかし、ダイニングに給湯器の電源ボタンがあるだけで
追い炊き機能のない風呂なので、一気に入ってしまいたい時もある。


この日は雨降りも助け、まさにその日だった。

最初に家に帰ってきた貧子がお湯を溜めて入ったようで
傘を忘れて外出していた僕が帰ると、風呂に入れと言われるがままに入り、
しばらく後に帰ってきた笑顔担当が風呂を強要されて入ろうとした。
という経緯だったと思う。


僕が風呂から上がった時にはまだ笑顔担当が帰っていなかったわけだが
使わない時は電源を切るクセがある僕はそのボタンを押していた。


それが功を奏したのか、
笑顔担当は風呂に入ってからお湯が出ない事に気付いたのだろう。
ダイニングに僕がいないのを確認して
電源を入れるためそのまま出て来たのだ。



タイミング。


その時部屋にいた僕はテレビが見たくなり(ダイニングにしかテレビはない)
部屋を出ると一糸まとわぬ…

まではいかないがタオルだけの笑顔担当と鉢合わせた。



まるでドラマかライトノベル的な展開だが、
意外と早くこういう事は起こる。

それがリアルなのだ。
共同生活は4日目で、初めての平日。
同居人の二人はそれぞれの勤務先へ向かい、僕は片付けの終わっていない部屋で目覚めた。


昨日は貧子の彼氏が地元へ戻り、
僕は今日のプレビューを間に合わせるために必死で編集作業をしたのだった。


さて、夕方まで時間ができるとすることは、生活を継続させる努力である家事。
朝食を作って食って飛び出した感のあるキッチンを片付け、
洗濯カゴを見ると・・・まあ、予想していたものがある。





ー ルームシェアを始める前の話だが、
友人であるデスパレートな人妻にこんな事を聞かれた。

「洗濯とかはどうするの?」

すると、同居人の二人は迷う事無く僕を指差し

「ハジメさんがやる」

と、のたまった。冗談だと思った。
年頃ちょい過ぎの女性が同年代の男性に着衣を洗わせる。という事を進言したわけだ。

僕としては、そんな事をされたら男が黙っていない!反応がノーマル男児なのだが、
こいつら、ちなみにデスパレートも含む、には何故かそういう反応ができない。

他人に言わせれば、草で生きていけるタイプの男。ということだそうだからその通りだろう。

とにかく、女勢が多い家庭の暮らしの延長線上として感じられてしまうので
顔をうずめて「ぷはーっ!」という発想には到底辿り着けないのである ー





家には洗濯カゴが2つある。僕が持ってきたものと貧子の彼氏宅にあったものだ。
おそらく、最初に洗濯物をカゴに入れたのは僕だったと思う。いつものクセで自分のカゴに。

するとどうだろう。同居人たちはその上に自分の洗濯物を自然と入れていたのだ。
まるで、ゴミが集まる所がゴミ箱かのような集団心理(かどうかは不明)に抗うことなく…

わざわざ下着とそれ以外を分けて洗濯するのも面倒で、それこそ変な気を起こしそうなので
いっぺんに洗濯機にぶっこみスタートボタンを凹ませてやった。


もちろん、洗濯が終われば干す。言われなくても干してやったさ。

そして僕はプレビューへと向かったのである。