最近、ふと考えさせられることがあります
娘が今のカンパニーにトレイニーとして入ったばかりの頃
慣れないネオクラッシックに自信をなくし、電話口でよく泣いていました
その時の母は、ただ「大丈夫」と寄り添うことだけで精一杯でした
その頃から数ヶ月、娘は一歩づつ前へ進んでいます
来季はアプレンティスへの昇格が目の前まで来ていて、今はその吉報を待ちながら、並行してスペインの学校への受験準備も自分なりに進めようとしています
異国の地で、一人で情報を調べ、考え、未来を描こうとしている
そんな娘の姿を、母は知っています
でもその一方で、遠く離れて暮らしているからこそ、母の中に焦りが生まれてしまうこともあります
まだ昇格が正式に決まったわけではない今だからこそ、「受験の準備だけで大丈夫なの?」「就活も同時に動かないと、手遅れにならない?」
と、つい先を急がせるような言葉をかけたくなる自分がいるのです
けれど、ふと立ち止まって思い直します
娘は今、この瞬間も必死に食らいついているのだと
この2年間、娘は同じ場所に留まっていたのではありません
1年ごとに国をかえ、その度に言葉も文化も違う環境に適応し直してきました
やっと今の環境に馴染んできたといっても、それは決して「楽になった」わけではなく、今の場所で踊り続けるために、毎日心身を削りながら踏ん張っているのです
物理てきな距離があるから、娘のほんとうの頑張りは、母の目には見えにくいのかもも知れません
でも「見えない」ことを理由に、これ以上の負荷を強いていいはずがない...
娘が自分で調べて、自分で考えようとしているその頑張りを、母が焦りでダメにしてしまってはいけないのだと、自分に言い聞かせています
ここで背中を叩くのが正解なのか
それとも、娘の歩幅を信じて待つべきなのか
今、娘が背負っているものの大きさを誰よりも理解し、1番の味方てありたい
揺れる気持ちを抱えながらも、改めてそう強く感じています
そんな娘からお友達とミラノへ遊びに行った写真が送られてきました
ちょうど、ミラノ・デザインウィークが開催されていたそうです
娘から送られてきたのは、街中がアートであふれるミラノの熱気が伝わる写真
歴史ある建物のバルコニーから、まるでモンスターのような、真っ赤なタコの巨大なオブジェがいくつも伸びている遊び心いっぱいの写真や
通りを飾る洗礼された白いパネルの展示の様子
白いパネルには詩のようなテキストがイタリア語で記されているそう
「愛と人生についての名言」が書いてあるんだそうな🫶
バレエの厳しいトレーニングの日々からは少し離れて、同世代の友達と世界最高峰のデザインに触れ、新しいインスピレーションを吸収できたようです✨
そして娘にはもうひとつ楽しみがありました
ずっと行きたいと話していた、憧れのスカラ座
劇場の内装や、舞台裏を見学できたそうです
送られてきた写真の中には、スカラ座の豪華な客席をバックに、晴れやかな笑顔を見せる娘の姿がありました
バレエを愛する娘にとって、この場所に立てたことは、きっと何よりのエネルギーになったに違いありません
もちろん、美味しいイタリアンも堪能したようです
抹茶カフェは日本に本店がるんだそう
店員さんも日本人だったんだって
慣れない土地で、自分に厳しく戦い続けるのも大切
でも、時にはこうして街を散策し、美しい物に触れ、同世代と笑い合い、心を解き放つ時間を持つことが、娘のバレエの表現力にもきっと繋がっていくはず
そんな充実した表情の娘を見て、母の中にあった焦りや不安も、少しだけ和らいだような気がしたのでした





