基準暗記くんのブログ -15ページ目
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第2節不動産とその価格の特徴

第2節不動産とその価格の特徴

不動産が国民の生活と活動に組み込まれどのように貢献しているかは具体的な価格として現れるものであるが、土地は他の一般の諸財と異なって次のような特性を持っている。

(1)自然的特性として、地理的位置の固定性、不動性(非移動性)、永続性(不変性)、不増性、個別性(非同質性、非代替性)等を有し、固定的であって硬直的である。

(2)人文的特性として、用途の多様性(用途の競合、転換及び併存の可能性)、併合及び分割の可能性、社会的及び経済的位置の可変性等を有し、可変的であって伸縮的である。


不動産は、この土地の持つ諸特性に照応する特定の自然的条件及び人文的条件を与件として利用され、その社会的及び経済的な有用性を発揮するものである。そして、これらの諸条件の変化に伴って、その利用形態並びにその社会的及び経済的な有用性は変化する。

不動産は、また、その自然的条件及び人文的条件の全部又は一部を共通にすることによって、他の不動産とともにある地域を構成し、その地域の構成分子としてその地域との間に、依存、補完等の関係に及びその地域内の他の構成分子である不動産との間に協働、代替、競争等の関係にたち、これらの関係を通じてその社会的及び経済的な有用性を発揮するものである(不動産の地域性)。


このような地域には、その規模、構成の内容、機能等に従って各種のものが認められるが、そのいずれもが、不動産の集合という意味において、個別の不動産の場合と同様に、特定の自然的条件及び人文的条件との関係を前提とする利用のあり方の同一性を基準として理解されるものであって、他の地域と区別されるべき特性をそれぞれ有するとともに、他の地域との間に相互関係にたち、この相互関係を通じて、その社会的及び経済的位置を占めるものである(地域の特性)。

第1節不動産とその価格

第1節不動産とその価格


不動産は、通常、土地とその定着物をいう。土地はその持つ有用性の故にすべての国民の生活と活動とに欠くことのできない基盤である。そして、この土地を我々人間が各般の目的のためにどのように利用しているかという土地と人間との関係は、不動産のあり方、すなわち、不動産がどのように構成され、どのように貢献しているかということに具体的に現れる。

この不動産のあり方は、自然的、社会的、経済的及び行政的な要因の相互作用によって決定されるとともに経済価値の本質を決定づけている。一方、この不動産のあり方は、その不動産の経済価値を具体的に表している価格を選択の主要な指標として決定されている。


不動産の価格は、一般に、

(1)その不動産に対してわれわれが認める効用

(2)その不動産の相対的稀少性

(3)その不動産に対する有効需要

の三者の相関結合によって生ずる不動産の経済価値を、貨幣額をもって表示したものである。
そして、この不動産の経済価値は、基本的にはこれら三者を動かす自然的、社会的、経済的及び行政的な要因の相互作用によって決定される。不動産の価格とこれらの要因との関係は、不動産の価格が、これらの要因の影響の下にあると同時に選択指標としてこれらの要因に影響を与えるという二面性を持つものである。

総論第1章不動産の鑑定評価に関する基本的考察

総論
第1章不動産の鑑定評価に関する基本的考察
不動産の鑑定評価とはどのようなことであるか、それは何故に必要であるか、われわれ
の社会においてそれはどのような役割を果たすものであるか、そしてこの役割の具体的な
担当者である不動産鑑定士及び不動産鑑定士補(以下「不動産鑑定士等」という。)に対
して要請されるものは何であるか、不動産鑑定士等は、まず、これらについて十分に理解
し、体得するところがなければならない。
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