ニシンと塩が支えたハンザ都市 リューベック 【Lübeck】 | Kazuのかんたんドイツ語 【文法・語法・会話】

Kazuのかんたんドイツ語 【文法・語法・会話】

ドイツ語は難しい?いえいえ、実は英語よりも簡単です。挨拶・発音・数字から、ドイツ語を簡単に分かりやすく解説します。単語の増やし方、動詞・前置詞の格支配や名詞の性の学び方も解説していきます。マルチリンガルの私が、外国語一般の学習方法についても紹介します。

Quatsch!のコーナーです。


先週、世界遺産ということでお話したので…

今日は、この街のお話をします。

Luebeck

ハンザ都市・リューベックです。

この写真は、リューベック市街に入る門で一番有名な、
ホルステン門(das Holstentor)」を撮ったものです。

何気なしにハンザ都市(Hansastadt)と言いましたが、
このリューベックは、ハンザ同盟の中心都市でした。

ハンザ同盟って何かというと、
12世紀以降に発展した「北海・バルト海での都市間交易を担う商人たちの組合」
のことで、北海・バルト海の諸都市が緩やかな連合を組んでいました。

リューベックの他に参加していた都市は…

現在のドイツ国内で代表的な所だと、
ハンブルク・ブレーメン・ヴィスマール・ロストック
意外な所だと、
ドルトムント・ケルン・ゴスラーなどもそうです。



現在のドイツの領域外でも、
・ダンツィヒ(現ポーランド領グダンスク)
・ケーニヒスベルク(現ロシア領カリーニングラード)
・タリン(現ラトビア)
・ヴィスビー(現スウェーデン)
・ブリュージュ(現ベルギー) などが参加していました。

もっとも、緩やかな連合だったので、完全に一致団結という訳ではありませんでしたが、
軍で以って、国王・諸侯を向こうに回して戦争…なんてこともあったようです。


でも、基本は商取引が目的でしたから、リューベック市内には、
こんな建物も残ったりしています。

Schiffgesellschaft

船員の組合(die Schiffgesellschaft)の建物です。

こういった、バルト海での交易の跡を伺わせる建物が市内に点在しています。



ハンザ同盟の主な交易品ですが…
・フランドル(現在のオランダ・ベルギー)の毛織物
・北海・バルト海のニシンなどの魚
・バルト海東岸の琥珀・木材・毛皮

が、主力でした。

この中でも、
リューベックが扱っていたのが、バルト海で獲れた「ニシン」です。

これをヨーロッパの南方へと売ることで、中世のリューベックは繁栄しました。


しかし、
ニシンなんてそのまま運んだら腐ってしまいますので、
塩漬けにして売りさばいていました。



で、「塩」はどうしていたのかというと…

Salzstrasse

実は、内陸から、この道を使って運んでいたのです。

この街道をたどっていくと、
岩塩を採掘していたリューネブルク(Lüneburg)まで繋がっています。

リューネブルクから精製した塩をこの街道を使ってリューベックまで運んで、
その塩を使って、バルト海産のニシンを塩蔵していたわけなのです。


そして、その塩漬けの魚が、ヨーロッパの南の方へと売られて行くのです。



ただ、残念なことに、
16世紀以降は、ハンザ同盟はだんだんと衰退していくことになります。

というのも、「大航海時代」になると、交易の中心が、大西洋に移っていくことで、
北海・バルト海の交易の重要度が下がってしまったからです。

それに伴い、リューベックの重要度も下がっていきます。


ただ、皮肉な話ですが、中世当時の面影がこの街に残っているのも、
近代以降、経済の中心から外れていったからだ…という面もあります。

1日あれば、十分街を巡ることができます。
静かな雰囲気の街ですので、ゆったりとした気持ちで回るのも、いいかと思います。



最後に、リューベック旧市街を囲む運河の写真です。

Kanal Luebeck


それでは。


<リンク>
Quatsch! バックナンバーはコチラ。
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11528446169.html

次回:気になるドイツ語圏の世界遺産
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11917436189.html

前回:機内食は全力でネタを探って楽しむもの
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11914732728.html



<下のバナーをクリックして、応援をお願いします。>
にほんブログ村 外国語ブログ ドイツ語へ にほんブログ村 外国語ブログ 語学学習法へ  


読者登録してね ペタしてね