カンタのブログ

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         [ 杜野家(くまりアンさん家)の場合・・・]

 

くまりアンの息子・・杜野 静魔(もりの しずま) は、アイドルが逃げ出す・ほどの、可愛い容姿と・・いつも、(*´ω`*)ニコニコしていて、天使のような少年・・・・・・・・外見は・・・・

 

くまりアンも母となり、それなりに~親らしくしようと努力していた・・・

家庭は、順風満帆・平和そのもので・不満もなかったが・・気がかりが一つだけあった。息子の静魔の事である。

「シズ君(静魔)・・可愛いから~~いじめられてないか・・心配です~

悩みがないか・・聞いてみるです~~!」 静魔は、リビングのソファーで、寝そべっていた。トテトテトテ(くまりアンの足音)・・・「シズ君!」

「・・・何~?ママ・・」静魔は、目を開ける・・天使の目覚め・とは、こんなものだろうと、思わせる仕草だった。息子の悩みを聞き出そうと・くまりアンは、奇妙なポーズで身構えて・それなりに真剣な顔で話し出す・・

「シズ君~・・・何か悩んでないですか~~~?!」ポカン・と聞いていた静魔が・・・う~~~~~~~~~~ん・・・と!考える素振りを見せて・・・ 「そうだ!商店街の、たいやき屋さん!味が落ちたよね~?」

「は!?確かに~そうです~~!以前は~もっと!あんこが~~・・」

くまりアン我に返る・・「は!?そういうのじゃないです~~~!ママは~シズ君が!いじめられてないか~~心配してるです~~!!」

静魔は、ソファーから体を起こす。そして、微笑を浮かべながら・・・・

「ハハハ!そんな事・全然ないよ~?・・・それに・ね!ママ・・ボク、意外と強いんだよ~?」静魔の顔は、自信に満ちていた・・・・

自信過剰な、息子を諌めようと・・くまりアンは、母親らしく説教をした。

「シズ君~!そういうのを~~井の中のオカズって!言うです~~!」

「・・・・・え?胃の中のオカズ???それじゃ~ママ~お昼に食べた

コロッケだよ~~!」「・・・ポテトサラダと~~エビフライもです~~~

間違えたです~~(´(ェ)`)!」アハハハハハハハーー!親子で爆笑しだす・・所詮・・くまりアンには、人にお説教するなど、無理な事だった。

 

だが・・・静魔の言った事は・・本当だった・・

平凡に、日々ノホホーン・・と過ごしていた静魔が、怒った事は・・たった一度だけ。高校1年生の時・・その当時以前から、女子から絶大な人気があった、静魔は・・誰も相手にすることなく~適当に学園生活を送っていた。成績は、全てオール3・まるで、ワザと手を抜いているとしか思えないほど、全て平均点だった・・・ そんな、ある日・・・・・

有名政治家の、ドラ息子が転校してきた。この・・ドラ息子は、半グレ気取りのバカ息子で、親の権力と財力で・・それなりのチンピラ集団を束ねていた。そんな、バカドラ息子が・・・静魔に、ちょっかいを出すようになった。だが・・いつも、うまくスルーしていく静魔に腹を立て・・ある日、

校庭に仲間を集め、静魔を取り囲んだ・・・・ その数130人

 

「おい!オカマ野郎!泣いて土下座しろ!!そうすればー生きて帰してやろう・・ヒッヒッヒ・・」バカドラ息子の目的は・・女生徒達の前で、静魔を辱める事だった。しかし・・静魔は、黙って校舎の方へ・・・

「逃げるのかー?オカマ野郎・・そうだ!知ってるかー?こいつの親父!ただの門番やってるって!ヘヘヘヘ!それにー!母親!あったま悪そーな、パー女だって!ヘヘヘヘヘヘヘー!」政治家の父から聞いたのか・・静魔の父・無名院(むみょういん)が、皇居の裏門を警備している事を知っていた。     不意に・・・・・・・静魔の足が止まる。

 

「ボクの事は、何を言っても・・虫の鳴き声だと思ってやる・・・・・・・・・・・

けど・・・家族をけなすことは・・・・・・許さない!」

静魔が・・ゆっくり・・・振り向く。その顔は、微笑んでいたが・・いつもの天使の微笑みではなく・・・・・・堕天使の微笑みだった。

130人のチンピラが、地べたに横たわる時間・わずか3分・・不思議な格闘術で、一瞬で倒されていった。この事件は、有名政治家の息子が関わっていたからか?無かった事にされる。その直後・・その政治家も、何故か、汚職収賄が発覚し・政治家生命を絶たれ・・一家は、離散したのだった・・・・・ それ以来、静魔は・・相変わらず女子の人気は、凄かったが・・・恐れられるようになった。

 

          [ 隼人家(みーこさん家)の場合・・・]

 

みーこの息子・・隼人 翔武(はやと しょうぶ)は、どこか・・憂いを帯びた美貌の持ち主で・・口数が少なく・クールで、白銀の刀をイメージさせるような、少年だった。そして・・誰よりも、正義を重んじていた・・・

 

「おい!ショー(翔武の事)!たまには、店(猫カフェ・漱石)にも、顔を出しなよ!」みーこが、お玉を振りかざし・息子・翔武に話しかける。

キンッ!静かに・・翔武が、木刀で受け止める。「忙しい・・・。」

「はあ~?だいたい、お前!剣道部でもないのに、何で!朝練やってるんだよ?」みーこは、お玉と・しゃもじの二刀流を振りかざす!

キン!コン!「いい加減にしろよ!母さん!!週3で、手伝ってるだろうが!」寡黙な翔武が・・唯一・饒舌になる相手は、母のみーこだけだった。

「ショー!アンタが、店に出ると・・アンタ目当ての女の子達が来て、売上が上がるんだよ!ヒッヒッヒッヒッヒ・・」みーこが、妖怪のように笑う。「オレが・・奥で、皿洗いしてるだけで・・何で売上が上がるんだ?」翔武が、不思議そうな顔をする。

「女の子達にはさ!これ!ウチの息子の手作りなんだよ~?と言ったら!サンドイッチやら~ケーキやら~たのむこと!たのむこと!おまけに、女の子目当ての・野郎どもも来て!売上・ウッハ!ウッハ!ヒーヒッヒッヒッヒ!」みーこが、ほぼ妖怪の笑顔でこたえた。

「知ってるか・・?そう言うのを・・詐欺って言うんだぞ。」「人聞きの悪い事言うんじゃないよ!商売!だよ!商売!!まあー確かに・・実際、料理作ってるのが・・まさか、あんな・殺し屋顔の親父とは、思わないだろうからねーー・・・」チラリ・と!みーこは、厨房の方を見る。

シュシュシュッ!驍武の、目にも止まらぬ早業で・・野菜やフルーツが・・包丁でバラバラに切られていく・・・「・・誰が殺し屋顔だ・・?」

「ゲッ!聞こえていたのかい・・」その隙に、翔武は、家を出た・・・

 

「はーーー・・・・・まったく・・・!」翔武の顔が・・引き締まり、戦闘モードに入る・・・・ どこからともなく、人影が・・「翔武様・・・今回の仕事は、」

 

鬱蒼とした・・・神社の林の中・・・本来、神社の大気は・・清々しいものだが・・人々に忘れられた神社は、どんより~とした大気が漂っていた。翔武は、一人・・美しい彫刻のように、微動だにせず立っていた。

手にした木刀が、武神像を思わせるほど・・美しい・・・

スパッ!スパッ!突然!周囲の木々の枝が、刃物で切られたように落ちる。「フ・・見えているぞ・・・」 翔武の言葉に、ワラワラと・人間と同じ身の丈の、イタチ達が現れる・・・・ 妖怪カマイタチだ。その数9体・・

「お前たちだな?6日前・・孫をつれた老人に、重傷を負わせたのは?

その爺さんが・・今朝・・亡くなった・・。」

翔武の眼光に、蒼い殺気の炎が灯る・・・・・カマイタチ達が身構える!

不意に!?翔武が、後ろを向き・去って行く・・「・・??(カマイタチ)」

 

「もう・・・斬った・・・。」ボソリ・・と、翔武がつぶやく。ヒューーと風が吹く

・・・と!?バラバラと・カマイタチ達の体が・・崩れだした。カマイタチすらも気づかない・翔武の斬撃!恐るべし!!

 

「お見事です!翔武様。」若い僧侶が顔を出す。「・・・・・チラ!チラ!」

翔武が、周りを見渡す・・「親父は・・来てないな?」「ハハハ!翔武様が心配で、驍武様が見守っておられたのは・・中学1年生までです!

ご立派になられて・・師匠の剛煌様も、鼻高々でしょう。」

翔武は、父・驍武に憧れ・小学生の頃から、驍武の弟子・剛煌の弟子となり、修行をし・幼い頃から・・既に退魔業を行っていたのだった。

 

               [ 姉の作戦・・]

 

八剣(岡田)家では・・・・ 海外留学していた、世界が帰国し・・久しぶりに家族が揃い・一家団欒・・?

「(父) いやー・・家族揃うなんて!久しぶりだなーー・・!世界、勉強は、どうだい?大学は、楽しいかい?」世界は、成績優秀で・飛び級し、既に・・大学院まですすみ・博士号も取得していた。

「ふん!聞くまでもなかろう?岡田一般ピープル(父の事)の、想像もできぬ極地まで達しておるわ。」とても・・親子の会話とは、思えないが・・

世界は、母(リン子)は、尊敬していたが・・父の事は、何とも思っていなかった。

「こら!!世界!父さんに、なんて言い方するのよ!!」「ほ~~う、

プロフェッサー・イチゴ、他人の事・・言えるのか~?」バキッ!イテ・・

「家では、姉さんと言いなさい!!・・どう言う意味よ・・?」

「イテテ・・・姉ちゃんは、何故、岡田姓を名乗らない~?う~~ん?」

「・・うッ!」イチゴが、返答に詰まる。姉弟二人とも・母方の八剣を名乗っていた。「ハーーハッハッハッハ!答えられまい~?」「・・クッ!」

突然!父が泣き出す・・「ウ・・オーイオイオイ・・父さん・・会社で、なんて言われてるか・・知ってるか?捨てられた親父・・婿養子って言われてるんだよ?ウウウ・・・」 「あ~あ~姉ちゃんが、泣かしたーー・・」

「なッ!?アンタもでしょーー!」「どうせ、嫁に行ったら・・姓が変わるだろう?その間だけ、お情けで名乗ってやれよ?・・いや!待て!そうとも限らん。オレの計算では・・結婚できる確率は・・13%。いや!もっと・・低いか?」「何言ってるのよ!!!コラーーー!!」オーーイオイオイ・・父・さらに泣き出す・・  「騒がしいわね・・・」リン子が、リビングに入ってくる。「・・何泣いてるの?アナタ・・・脳ミソいじって・悲しい記憶操作してあげよっか?」ピタ!父泣き止む。「何でもないよ~!母さん!この通り、元気!ハハハハハ!」「・・そう、残念ね・・・・。それより、イチゴ・・例の件は、どうなってるの?」

「あ!そうだった!世界!アンタ、明日・・静魔君と、翔武君と、会う約束だから・・付き合いなさい!」 「断る。」 「何~~?」 「暇な、姉さんと違って・・研究が忙しいのだよ。」 「(リン子)・・そうだ、世界、アンタに、手紙が届いていたわよ。」リン子は、一通の封筒を差し出す・・

 

ガサガサ・・『八剣 世界・アナタを、最優秀科学者と認定する。』

「ハーーハッハッハッハ!見たか~~?吾輩の実力を~~?学会も認めた・天才頭脳!!まぁーー暇な時に・・適当ーーに、仕事してやるから、光栄に思え!」憎たらしい言い方だった。「(イチゴ) この・・!」

 

「(リン子)・・あら?もう一通・・手紙が。」

ガサガサ・・『八剣 世界・アナタを、学会から追放する。』

「・・・・・・・・・うむ、偶然暇が出来たようだ。よし!ワガママな、姉に付き合ってやろう~!ありがたく思え~~~バキ!ボコボコ!!!」イチゴ

の鉄拳が飛ぶ・・・  

 

そして・・・物語は、0(ゼロ)の・プロローグへ続く・・・・・

 

噂話・・・・「ねえ、知ってる?今・・すっごい!可愛くて、アイドルも霞むぐらいの!イケメンがいるの、知ってる?」「南の・・シズマ君でしょ?知ってるわよ!じゃあ~~北のショウブ君って・・知ってる~?」

「知ってる!知ってる!・・剣道部じゃないのに・・部員全員倒した・超イケメンでしょー?」「じゃあ~さ!これ知ってる?ほとんど・・都市伝説なんだけど・・東高校って・・あるじゃない?」「え?あの・・仏教系の男子校~?」「そう!そこに・・・全校生徒がひれ伏す・・カリスマイケメンがいるってー話・・。」「あ!聞いたことがある!でも・・ほとんど!ありえない、超人伝説みたいなのよ?ホントに存在するの~?」「さーー・・?」

「はぁーーー・・・」「何・・ため息ついてるの?」「残念な事に・・・この西高付近に・・イケメンいないのよね~~~・・・。」「ねえ!!あれ見て!!」カフェの外の、イートインスペースのテーブルに・・一人の、高校生ぐらいの、青年が・・・腰掛けた。その・・青年は・・メガネが似合う・インテリ風の、知的なイケメンだった・・・。


イチゴの作戦は、こうだった・・「いい?アンタ達は、力(霊力)が強力だから・・突然出会うと・お互い、攻撃し合う可能性があるの・・」 世界と

彗慶が、遭遇した時の事を・・イチゴは、教訓にしたのだった・・

「だから、穏やかな環境で・静魔君と翔武君を呼び出して、話をするの。」「ん?我がライバル・彗慶は、来ないのか?」「彼は・・全寮制だから、来れないかもしれないのよ。それから、わたし・・少し遅れるから・・」

「何?自分で呼び出しといて、遅れるのか?」「学会追放された、キ○ガイ博士と違ってー・・わたし、準備に忙しいのよ。」「・・・・・・・・・・」

「いい!?くれぐれも!穏便に!くれぐれも穏便に・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・

 

・・・・・・・世界は、本を読みながら、コーヒーを飲む。黙っていれば・・

知的なイケメンだった。

遠まきに、女子高生達が・・世界を見ていた。「チッ!」その後ろで、いかにもヤンキーっぽい・男が、スクッと・立ち上がり・・世界の方へ向かって行く・・。「チョット!何する気よ!?」「ウルセーー!」嫉妬に狂った男が、世界に詰め寄る。「おい!チョット・・顔かせ・・!」

「ほ~~~~~う。」世界が、マジマジと!男を観察する。もはや・・・

ガンを付ける・を通り越した、体の内部まで透視する勢いで・見つめる。「我が頭脳は、出会った全ての人類を記憶しているが・・この個体に関する記憶が・・見つからない。面白い~~!未知の生命体か?」

モルモットを見るような、視線に・・ヤンキーは、動けなくなり、周りの女子高生達も硬直した。「・・いや・・会った事ないし・・」「本当かね?」

世界の呪縛を、振り払おうと・ヤンキーは、虚勢を張る。「テ・テメー!」

 

                「ヤメテおけッ・・!」

 

声の方を振り向くと・・秀麗な若者が、いつの間にか立っていた・・・

「ウソ!ショウブ君!?」女子高生達が、ざわめく!

 

「その男は・・本当にお前(ヤンキー)を解剖するぞ・・。」翔武の言葉に、救われて・ヤンキーは、その場から後ずさる・・。

「隼人 翔武・・時間通りだな。」「・・・・・・」「何故、わたしが・・今の男を解剖すると思った?」「お前(世界)の事は・・母(みーこ)から、聞いている。リン子さんのコピーのような性格だと・・。」「ほーーう・・面白い!」

イケメン同士が・・対面する。「ど!ど!ど!どういう関係かしら??」

ヒソヒソと、女子高生達が・・突然!  「幼馴染だよ!」 背後から声が・・・・・「ええ~~~!!!シズマ君ーーーーーー!!???」

 

まるで・・瞬間的に現れたように、静魔が、天使のように微笑んでいた。

 

「・・静魔か?」「や~~!ショーちゃん久しぶり~!セーちゃんも、元気そうで何より~!( ^ω^ )」「馴れ馴れしく呼ぶな・・会うのは、赤子の時以来だろう?」「アハハ!まあ~~そうなんだけどね~~!」

「わたしは、覚えているぞ。記憶があるからな!ハーハッハッハッハ!」

「(翔武・静魔)・・・・・・・・・」「で~何の用かな~?」「ハーーハッハッハッハ!知りたいか~~?」 「わたしから、説明するわ!」イチゴ到着。 

「ハアーー・・よく考えたら、アンタ(世界)に・・マトモな会話なんて、不可能だから・・急いで来たのよ。」「ハーーハッハッハッハ!心外だ、わたしのどこが、マトモじゃないのか~~ねーー?」「全部よ!!」

 

「・・・・・・・て!事で、わたしの作る・組織に入ってもらいたいの。どうかな・・?」翔武は、黙って・目を閉じて・柱にもたれかかっていた。

静魔は、ニコニコと・聞いているのかわからない顔で、微笑んでいた。

周りの女性達の視線が・・イチゴに突き刺さる。3人の、超イケメンを相手にしているのだから・・・(うう・・居心地悪!!) 返事がなく・・困っていると・・・   「いいよ!( ^ω^ )」 静魔が、アッサリ!承諾した。

「・・・・え!?ホント???静魔君!!」「うん!暇だし~~。」

 

!!!!翔武が、目を開ける!「来たか・・!」世界が、ニヤリと笑う。

 

遥か彼方・・都心の人混みが・・割れるように・一本の道筋を作り出す!まるで・・モーゼが、海を割ったがごとく!人々は、自然に道を作った。その道を・・神のごとく・一人の男が、歩いて向かってくる・・!

 

       「皇・・彗慶・・・」 静魔の表情が変貌する・・・

 

彗慶が、向かってくる様子を見て・・イチゴは・・「わたし・・とんでもない人を・・勧誘してしまった・・?」と・・思ったのだった。

 

「皇 彗慶・・・お前も、呼ばれていたのか・・」静魔は、椅子から立ち上がっていた。「(世界)何だ?彗慶の事は、ズーちゃんとか呼ばないのか?」「ハハハ・・冗談!何で、ボクが・・こいつを、そんな風に呼ぶのさ!」「(彗慶)・・・・・」「ゴメン~~イチゴちゃん!さっきの・・話・・無しね!」「チョ!どうして!?静魔君!!」「こんな・・バケモノと・・一緒に仕事なんて~ゴメンだね!」彗慶は、黙って静魔を見つめていた・・・

「ボクね・・テキトーーに仕事して~~ノホホン~と・生きるつもりだったけど・・こんな、バケモノと・一緒だと・・・無理だからね。ニッコリ~」

彗慶は・・無言だった・・・

挑発するように・・静魔は・・「お前の、母には~何度か会ったよ。お前と・同様・・バケモノだった!」彗慶の目が・・一瞬動く・・・「ボクは、今だにね~お前の母と・・ボクの母が、相棒だったなんて・・信じられないんだよ!・・じゃ!ボクは、これで!」静魔は、その場から・・去って行く・・

「チョ!チョット!!!静魔君ー!」黙って見ていた、翔武も動き出す・・

「翔武・・君??」「悪いが・・・先約がある・・・。」「え!?え!?」

彗慶が・・初めて口を開く・・「自分がいては、まとまらないようですね。

もう少し・・考えさせてください。」「いや!?彗慶君????」

イチゴと・・世界だけが、残された・・・。

 

「我が姉なれど・・恐ろしいほど人望がないな!」「・・・アンタ!!少しは手伝いなさいよーーー!!」イチゴの絶叫が響く・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・前途多難!・・・つづく・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき・・・・・・・・・・第3話!未だ・・世界以外仲間にならず!いや~~~長引く長引く・・・・今回は、みんなの紹介のような内容です。誰も力(能力)使わず!・・次回は、事件が起こります!さて!いつになることやら・・・  その間に、短編があるかも?(ちょこさん中心の)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京・羽田空港・・・ 空港には、不釣り合いの・僧侶の姿が・・・・・・・・・

「あ、イチゴさん・・もう、到着時間なんですが・・・・弟さん、いませんねー・・・・・ひょっとして~到着時間間違えたのでは?」

『いえ!それは・・ないです。』

「じゃー・・・まさか・・・成田空港じゃあ・・・・?」

『いえ!予定の時間では・・確かに羽田着便です。あのバカは、決めたスケジュールは、分刻みで実行します・・・・おかしいですわね・・?すみません、部下28号さん、もう少しだけ・・待機していてください。よろしくお願いします・・・。』      ピッ!・・・・「どういう事?・・まさか!?」

 

 

               [ 弟・・・上陸する ]

 

高野山・陰陽師協会本部・・・・・ その日は、天気もよく・小鳥のさえずりが聴こえ・・・平和だった・・・はずだった!?

山門の、落ち葉を集め・掃除も一段落・・・あくびをしながら、一休みしようと、雑用僧・誠奏(せいそう)は、腰を下ろそうとした。「ん?雲か・・?」

突然・・山門が、影に覆われる・・・・・・・「ウエッ!??ウヘーーッ!!」

 

善事坊は、業務を終え・・あくびをしながら、一休みしようと中庭へ・・・・

「ぜ!!善事坊様ーーッ!!巨大大妖怪の襲撃ですーーーッ!!!」

「ブッー!!なッ!何~~~?!!!」

 

巨大な・・ガシャドクロのような・・それをもっと凶暴にした姿の、怪物が姿を現す!ゴゴゴゴゴゴゴーーーーー・・・・・・・・・・・・!!

額に一角獣のような、巨大な角を生やし・・西洋の鎧を纏った様な姿は・・・見る者を恐怖させた・・・・! よく見ると・・・その怪物の、左手の平の上に・・メガネをかけた・知的な、なかなかのイケメンの若者が乗っていた。 

「クロワッサン・・・何時だ?」『はい・・ピッタシ!10時45分でございます。』若者の傍らに、張り付くように飛んでいた・クワガタ虫が、流暢な日本語で応えた・・。「フフフ・・計算通りだな・・・さすが!天才!!フフフフ・・ハハハハハ!ハーーーーハッハッハッハッハーーー!!!」

 

「アレは・・・まさか!?リン子さんの息子・・・・世界(せかい)君か!?

君はーーー!世界君かーーーー!???」善事坊の問いに、高笑いをし続けるだけで・・応えない・・。「どうします?善事坊様・・このままでは・・本部が・・・。」「あの・・高笑いは・・間違いなく!リン子さんの血筋だ!息子の暴走は・・・親に止めさせろ!リン子さんを呼べ!!!」

 

10秒後・・・・「ターボ君・・わたくし忙しいの。つまらない用で・・呼んだのなら・・・死を覚悟なさい。」

「リン子さん!アレは・・・息子さんですか?」チラ・・「そのようね・・・。」

リン子は、帰ろうとする。「チョ!チョット!!何とかしてくださいよ!!」

「・・・何とかなってしまえば・・・いいのね。」リン子は、何かを飛ばした。

テントウ虫型ロボットが、世界の前に現れる・・・・

「?~コレは・・・唯我独尊虫(ゆいがどくそんちゅう)!?オオー!そこにおられるのは・・・プロフェッサー・リン子!」世界は、母が眼下にいる事に気づく・・・・

「フフフ・・世界、面白い物を・・開発したわね。・・ベースは、わたくしの

ガンダム(ガシャドクロ)マーク2のようだけど・・・・システムが、違うようね?」

「さすがは・・・プロフェッサー・リン子!」あくまで、母の事を・母とは呼ばずに、普通に会話が進む・・・

「この・[コツヴァンゲリオン]は・・自動で、我が意のままに動きます。」

「なるほど・・わたくしの、ガンダム(ガシャドクロ)マーク2は、パイロットの操縦が必要・・・世界の霊力なら・・遠隔操作できる・・。」

人並みの霊力の・リン子と違い、息子の世界は・・九大上人と、同等か・それ以上の霊力を持っていた。

「フフフ・・面白いわね・・・世界、そいつ(コツヴァンゲリオン)の性能が見たいわね。適当に、そこらの山を攻撃なさい!」

「(善事坊) リ!?リン子さん!!!何言ってるんですか!?」

「何?親が・・子供の成長を見たいのは、普通でしょ?・・我が子が、初めて自転車に乗れた・・ピーマンを食べれた・・そういったものと、同じでしょ?」 「・・・・・いやいや!違うでしょう!?規模が違う!!て、言うか・非常識でしょうッ!!!」「・・・それもそうね、森林破壊は・・良くないわね。・・・よし!ターボ君、標的になりなさい!そして・・・頑張って抵抗なさい!」

「うわーー!なんちゅう迷惑な親子だ!広島支部の・雪斎を呼べ!!」

善事坊の部下が、電話をつなぐ・・・「雪斎様と、つながりました!」

「コラッ!雪斎!!リン子さんは、お前のところの所属だろう!何とかしろ!!!」『(雪斎)・・・・・・』電話の向こうで声がする・・「少林軒です!

餃子とラーメンお待ち!」『善事坊・・大事な客が来たから、切るぞ。』

「嘘つけッッ!! ピ・・・あッ!切りゃがった!」

 

「さすがは・・・プロフェッサー・リン子。高野山・最強の大僧正・多聞天

善事坊が相手なら・・・テストに申し分なし!全力でいかせてもらう!!

フフフ・・ハーーーハッハッハッハッハッハッハーーー!!」

「みんな!ターボ君から離れた方がいいわよ・・?」リン子の言葉で、

僧達が、善事坊を置いて逃げ出す!ワーーーッ!逃げろーー!善事坊様、遠くへ行ってくださいーーー!!  コツヴァンゲリオンの目が・・

怪しく光りだす・・・・・

 

その頃・・・イチゴは、彗慶(ずいけい)が通う・都内の男子校に来ていた。「校長先生、皇(すめらぎ)君に面会者が来ています。」受付の職員の連絡に、校長は・・恐れおののき、カツラと入れ歯が吹っ飛ぶ・・・

「まさきゃ(まさか・・!?) ははおにゃ(母親)!!」「いえ・・違います。」

校長は、ホッとして・・入れ歯とカツラを装着しなおす。 コンコン・・

「どうぞ。」「失礼します。・・・・・・・・」イチゴは、ベレー帽のように・ずれた頭髪を見ても、何も言わなかった。「皇 彗慶君を、呼んでもらえますか?」「それですが・・・今・・彼は・・・・」

 

校長の話では・・・彗慶は、卒業前修行に出かけており、消息不明との事だった。「・・という事みたいなんです・・ちょこさん。」『ふ~~ん・・わかった!心当たりを当たってみるわね!』「お願いします!・・後ほど、

また!お礼を持って・うかがわせていただきますね・・!」『ウヒヒヒヒ!

任せといて!!山田ー!息子は、どこ行ったーー!?』 ピ!・・・

「さて!後は・・あのバカ(弟)が、どこに行ったか・・・?」

イチゴの携帯が鳴った・・「はい、イチゴです。・・・・え!?本部に弟が?・・母が向かった?まずいですね・・・火に、ガソリンを注ぐようなもの・・・すぐに!行きます!!」

 

「アーーーハッハッハッハ!」コツヴァンゲリオンの角(つの)が・・強烈な光の玉を作り出した・・・善事坊・絶体絶命の危機・・

 

「な~~~~~~~にやってんのよーーーー!!!!このバカッ!」

「ゲッ!?姉ちゃん!??」コツヴァンゲリオンが・・停止する・・・・

善事坊は・・その場で座りこんだ・・・・。

「あら・・?イチゴ、どうしたの?」「お母さんも、何やってるのよ!!」

「フハハハハ!プロフェッサー・イチゴ!久しぶりだな!!・・2年?

いや!正確には・・2年と16日・23時間・9分・35秒ぶり・・・」「コラ!おかしな呼び方するんじゃない!バカ世界!!!」

「バカ??何たる侮辱!!バカとは、頭の悪い者の事だ!俺のどこがバカだ!?」 「愚かバカと・言っているのよ!バカ弟!!!」

「クッ!・・・・で?何の用だよ・・・姉ちゃん。」「フン・・わたしが、作ろうとしてる・・組織に、アンタ!入りなさい!」「はぁ~?・・・断る!!」

「何ですっ・・・てーーー!」「興味がない!我が脳を退屈させるなんて、ゴメンだ!と・言ってるんだ!・・どうしても・と、言うなら・・わたしを屈服させてみせよー!プロフェッサー・イチゴ!フハハハハハハー!」徐々に調子を取り戻す・世界・・

「はぁ~?!わざわざ、アンタに迎えまで出したのよ!言う事聞きなさい!!世界!!!」 「断る~ハーハッハッハッハー!」

「このッ・・!だいだい・・何で!アンタ、飛行機に乗ってなかったのよ!」「フン・・自分の能力で、海を渡れるならば・・そうして当たり前!

プロフェッサー・イチゴ、毎年・・飛行機が、何機墜落しているか・・知っているか?天才科学者たる者・・そんな!不確かな物に乗るなど、ありえないのだよー!わかるか・・?」

「(リン子)うん、その通りね・・!」「母さんは、黙ってて!ややこしくなるから!!!」

 

母子で、話し合っている少し前・・・ちょこは、お礼(ゼリー)のために・・

息子(彗慶)探しに、奔走する・・。

 

             [ 久しぶりの・一家団欒 ]

 

「(山田) チョコサマ!ボッチャン(彗慶)ハ・・・コノ、3カショノドコカニイルト・・オモワレマスデス!」猫又の山田君は、たどたどしい日本語で喋る。

観置毛谷(かんおけだに)・・入ったら最後・・生きて出ることは、出来ないと言われている谷。

 

燐十の滝(りんじゅうのたき)・・野生動物さえ近づかない・・激流に混じって・岩が落下してくる滝。

 

仄紫山(そくしざん)・・斜角89度の、ほぼ直角の山・・登山はおろか、猿も落ちて死んでしまうほどの、死の山。

 

3箇所の共通点は・・・人が行ってはいけない場所で、当然・携帯など繋がらず・確実に死が待っている。・・早い話が、全て!ろくでもない場所だった・・・

「う~~~~ん・・全部まわってたら・・1時間は、かかるわね!」(注:人が行けない場所です。) すると・・・カメ吉(玄武)が、地図上の仄紫山を、前足で踏んづけた。「そこにいるの!?」「カメカメ!(*゚▽゚*)」

「ア!?タシカ・・ダンナサマガ、イッテマス。」「まるほど・・・親孝行のアノ子なら・・あるかもね!よっしゃーーー!チョット・行ってくるわ!」

 

もう・・ダメかもしれない・・・・ 自衛隊・特殊部隊所属の斎藤 一(さいとう はじめ)曹長は・・後悔していた。学歴が不足した分・・体力で、部隊隊長の地位を勝ち取ろうと、無茶な単独訓練を志願したのだが・・・

「ダメだ・・・ここは、人間の来る場所では・・無かった。」

みの虫のように、ザイルで装備と体を固定して・・少しづつ登ってきたが・・強烈な風と、冗談のような傾斜が、体力・気力を奪っていく・・・・

幻覚も・・・最初は、修験者か・修行僧のような男が、なんの装備も持たずに、腕力だけで・この死の山を登っていく姿だった・・・

そして・・数日後・・・今度は、高校生らしい若者が・・忍者のように・ヒョイヒョイと、登っていくのを見た。 ありえない事ばかりだった・・

「しっかりしろ!!俺!!」パンッパンッ!と、顔を叩いて正気を保つ・・

「俺は・・絶対にやり遂げるんだ!!!」斎藤の目に・・輝きが戻る!

 

そこへ・・・ うひゃひゃひゃひゃ!ひーひひひひーー!!狂気を含んだ

笑い声と共に!どう見ても・・そこらの主婦が、玄関先にゴミを出しに行くような姿で・・サンダル履きで、ほぼ直角の山を駆け上っていった・・

「も・・もう・・・ダメだ・・・!」斎藤の目が・・・死んだ。山を降りよう!限界だった。

 

頂上で・・ちょこ・真実・彗慶は、出会った。「ちょこさん・・何かあったんですか?」「母上、家の方で何か起きたのですか?」

「うはははははは!アンタ!バイト行きなさい!」「・・は?バイト・・ですか?」 殺風景な、山頂で・・親子三人、久しぶりの再会だった。

 

               [ 着信・アリ・・☠ ]

 

ちょこの話は、唐突で滅茶苦茶で・・何を言っているのか良くわからなかった。

「つまり!アレよ!お礼のブツのためにー・・イチゴちゃんのとこで、バイトしろって言ってるのよ!」「は・・?イチゴさんとは・・八剣様の娘さんの・・イチゴさんですか?」「そう!それ!」彗慶は、困惑する・・

ちょこは、イライラして切り札を出した。「いい?何と!?アンタが大好きな、オニバンバもOKを出したみたいよ!」彗慶は、お婆ちゃん子だった・・「お祖母様がですか!?」「そう!あのオニバンバがよ!驚いたでしょう?」彗慶の反応を見て、ちょこは・決まったー!と、思った。

黙って聞いていた、真実が口を開く・・「彗慶、一度・・下山して、確かめては、どうかな・・?」「そうですね・・父上・・」

「はーーだいたい、アンタ達が悪いのよ!こんな・・携帯も繋がらない場所で・・めんどくさいったら~ありゃしない・・・」

 

その時・・・突然!携帯が鳴った・・!!「え!???(親子三人)」

「・・母上の携帯ですよ?」 「そんな・・・バカな・・・・??」ちょこは、恐る恐る・・携帯を取る・・・ピ!  

    『・・オニバンバだけど・・彗慶ちゃんは、いる?( ̄▽ ̄)』

ギャ~~~~ーーー!!ちょこは、携帯を彗慶の方に投げつけると・・

時速115キロで、山を駆け下りていった・・・・・

 

聖子から・・詳しい話を聞く事ができた・・が・・・・

『あとは・・・アナタが、自分で・自分の意志で、決めなさい。』

「お祖母様、イチゴさんの居場所が・・わかりますか?」

『・・・高野山ね・・そちらで、大きな力を感じるわ・・・・』

「承知しました。では、行ってまいります!」チラリ・と彗慶は、上空を見上げた。そして・・・消えた!

自室にて・・聖子は、携帯を離す・・。「さすが、わたしの孫ね!アレに気づくなんて・・・フフフフフ!」

 

一人・残された、真実の頭上・・はるか上空で・・一羽の鳩が飛んでいた。聖子の、中継用の式神だった・・・

 

                [ ライバル・・ ]

 

「姉の言うことが聞けないの!!」「ワーハッハッハ!・・聞けんな~」

ザワリ・・!!世界が、何かを察知する・・!何かが・・・来る!!!

 

今までの、フザケた態度が・・ガラリ!と変わる!「下がって!!!」

世界は、姉と母を庇う様に、前に立つ!!

「天才的・結界術・・発動!!」世界は、左手に特殊な手袋をはめていた。その左手をかざす・・「倍増!多重結界!!」超強力な結界が、幾重にも張られる。

「(善事坊) まさか!?大仙様の奥義を!??雪斎すら習得できなかった術を・・!・・しかも!多重とは・・!!!」

だが・・その結界を押しのけて、人影が現れた・・・・・・!

           「お前は・・・・皇 彗慶!!!」

世界が、叫ぶ・その先に・・・悠然と、彗慶が立っていた。そして、友好的な眼差しで・・・「・・・君は・・・世界か?」 二人が再会したのは・・赤ん坊の時以来だった。   「君の、姉上に呼ばれて参上した。」

「ハハハハハ!わたしの記憶力はー赤子の頃から鮮明なのだよ!」

「君の姉上・・イチゴさんは、どこにいる?」

「時に・・彗慶!どうやって・・我が結界を破ったのだ・・?」世界は、全く人の話を聞いていない。「移動術を、使っただけだが・・・・」

「何~?ただの移動術で・・我が結界を?フフフ・・ハハハハ・・アーハッハッハッハー!ア~~~ハッハッハッハッハッハー!!!」

狂ったように、笑い出した。   「面白い!!!」

 

ユラ~~リ・・・世界が、両手をX(エックス)の形に・・前にかざす・・・。

 

コツヴァンゲリオンが、咆哮を上げる!グオォォォォォォーーーーー!

「フハハハハハーー!ゴット!キラーー!(神殺し) 発動!!!」

コツヴァンゲリオンの・・全身が輝き出す!

 

「(リン子)・・!?まさか・・・アレは・・!?!」リン子が、10年前から開発していた、神を倒すための必殺光線だが・・構想段階で、完成には至らなかったシロモノだった。

「やめなさいー!世界ーーー!!」イチゴが叫ぶ!!

 

シュゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!

まばゆい光が、彗慶を包む・・・・・ 

 

「・・・・・・・・・な!何ー!??アレを・・アレを・・相殺しただと・・・!!」

彗慶は、無傷で立っていた。しかし・・その表情は、誰にも見せた事のない・・真剣で驚いたような表情だった・・・。「(彗慶)・・・・・・・・・・。」

その時・・グシャ・・・コツヴァンゲリオンが・・崩れ落ちた・・・。

「チッ!・・まだ、一発撃つのが・・限界のようだ。」世界が、緊張を解いて、後ろを振り向く・・。彗慶は、両手を見ながら・・母(ちょこ)意外に、全力を出した自分に、まだ・・驚いていた。

世界が・・再び、彗慶の方に振り向く・・・。

「フフフフフ・・・ハハハハハー!認めよう!!我がライバルに・・・・

                皇 彗慶!!!!」

 

その光景を・・・リン子は、懐かしそうに・・優しい目で見ていた・・・。

かつての・・自分とちょこ・との出会いを・・思い出していた。

 

「こーーーのーー!バカ弟!!!」バコリッ!「いて!何するんだ!姉ちゃん!!」「ごめんね!彗慶君!ウチのバカが、突然ひどい事して・・・・・」「いえ・・・気にしていません。」彗慶の表情は、穏やかだった。「じゃ!じゃ~あ・・わたしの作る・・部所に・・・」「すみません。まだ・・卒業前なので、考えさせてくれますか?」「え!?も!もちろん!いいわよ!ハハハハハ・・・・・」「では・・失礼します。」シュッ!・・・・

彗慶は、移動術でその場を去った・・・・。

 

「こ~~の~~~バカーーーー!!!!彗慶君に断られたら、どうしてくれるのよーーーー!!!」

「ハーーハッハッハッハ!わたしの、知った事ではない!プロフェッサー・イチゴ!おのれの人徳の無さだろう~?」「何を~~~!!!」

イチゴが、世界をぶん殴る直前・・・・!

 

「世界、アナタ・・イチゴの組織に入りなさい。」リン子が、突然言い出した・・。「世界・・これは、母から息子へのアドバイスよ・・。わたくしも・・昔・・ライバルを追って・陰陽師協会へ入ったわ・・。そして、そのライバルの近くで、負けないように・己を磨いたの・・・。」リン子の目は・・遠くを見つめるような、眼差しだった。

「・・・なるほど!近くで、観察・研究するわけか・・・。よかろう!入ってやろう!プロフェッサー・イチゴよ!」世界は、ひじょーーーーに上から目線で・イチゴに言った。「アーーーハッハッハッハ!!!」イチゴは、笑いながら・・・弟をぶん殴った・・・・・。           一人目・世界

    

                                 ・・・・・・・つづく。

 

 

 

 

 

 

 

あとがき・・・・・・・・・     いや~~~2話分書いてしまった!!

 

本当は、世界登場で・済ますはずだったのに・・・世界仲間入り・まで行ってしまいました。ここから・・・0話へとつながります!次回は、4人勢揃い・静魔(しずま) 翔武(しょうぶ)の家庭の事情も明かされます。

つまり・・くまりアンん家・みーこさん家ですね・・。う~~~ん・・長くなりそうだ~~~・・・・

ああ!あと・・・世界の必殺光線は、かつて・・神と戦った・リン子さんが、神の復活(ありえませんが)に備え・・研究していたもの・と言う設定です。では・・次回・3・で!乞うご期待!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

ちょこ達の、たった1度の・ママ友会から16年・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

                    [ 姉・・動く ]

 

八剣(岡田)家・リン子の家では・・・・  

「イチゴ・・アナタ、雪斎(せっさい)君の助手辞めるの?」

「うん、・・・思うところあってね・・。明日・・善事坊(ぜんじぼう)さんの所へ行ってこうと思ってるの。」「ターボ君(善事坊)の所へ・・?・・何を企んでいるの?イチゴ・・・」「企むなんてー人聞き悪いなーー母さん。」

「そう~?」「そうだよー・・!」フフフ・・フフフフフッアーハッハッハッハ!

アーーーハッハッハッハー!アーーハッハッハッハッハッハーー!

怪しく笑い続ける、母娘(親子)・・・・

 

陰陽師協会本部・・・・ 「これはこれは、イチゴちゃん!久しぶりだね。」「ちゃん付けは、やめてください。わたしも・・もう、二十歳を過ぎましたわ、善事坊様・・。」「・・・もう、ターボのお兄ちゃん・と、呼んでくれないんだね・・。」「ご自分が、おいくつになったか・・お考え下さい・・・。」

「・・・・(善事坊)」      「今回は・・お願いがあってまいりました。」

「何かな?」 「じつは・・・新たな外法師対策組織を・・作ろうと思っていますの。」「外法師対策組織・・ですか。」「はい、吉狼(きちろう)上人様が・・凱寛(がいかん)様の跡を継ぎ、日本各地を巡っておいでですが・・

お一人では、限界があるかと・・。それに・・外法師は、魑魅魍魎の類より、厄介です!・・・お力になりたいんです!」

「吉狼のね~・・・・・・・ニヤリ」善事坊は、意味ありげな笑みを浮かべた。「雪斎を~見限ったの?」雪斎は、イチゴの初恋の人だった・・・・

 

「・・・フンッ!いつまでも、初恋の人(リン子)を、引きずっている男なんて・・ゴメンですわ!」 イチゴの母・リン子は、雪斎の初恋の人で・・・

雪斎は、今も・・密かな想いを捨てきれずにいたのだった・・。

ウヒヒヒ!ヒャヒャヒャッ!イーーーーーヒッヒッヒッヒッヒッヒー!

善事坊が・・笑い転げた・・・。「・・それで!承認はッ?どうですの・・?」

「ヒヒヒ・・いや~~ゴメン!失礼!面白いから・・・いや!・・オホンッ・・

とても良い話です。・・・が!かなり・・危険な仕事です・・正直、命の保証ができない。外法師の中には・・わたし達・九大上人に匹敵する者も、いるかもしれない・・・そんな仕事に、君をつかせるわけには・・いかない。それに・・・人材のアテは、あるのかな?」

「善事坊様、わたしを見くびらないでください。わたしは・・八剣リン子の娘ですよ?・・それに、人材のアテならございます、4人ほどですが。」

「ほうーーー・・・それを、お聞かせ願えるかな?」・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「エエエエエエエーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」

叫び声を上げて、善事坊がひっくり返った。

「そ!そんな事が・・・可能なのッ?????オレだったら・・100回は、殺されてるよッ?いや~~~無理無理!無理だってーー!!!」

いい歳した、中年男が転げ回る・・・・・

「・・・それで、どうですの?」「わかった!その4人が揃えられたら・・承認します!」「約束ですわよ・・?」イチゴが、不敵に微笑んだ。

 

「さて!約束は取り付けたし・・まずは、ホントは・・嫌だけど・・あのバカを呼ばないと。ホントにホントに嫌だけど・・一応、身内だと言う事で・・心強いから・・。はぁ~~~ーーーー・・・・・」イチゴは、あきらめたようなタメ息を吐き・・。「バカは、呼び出すとして・・・最初は・・・一番強敵から、攻略しようかな。それには・・まず、あの人に会わないと・・。」

 

            [ 将を射んと欲すれば・・・]

 

あくる日の午後・・・イチゴは、緊張した面持ちで・・とある家の前に来ていた。少し、緊張で・震えた指で・・インターホンを押そうとしていると・・

「あら・・?アナタは・・・ひょっとして、イチゴちゃん?」品の良い、老婆と呼ぶには、若々しい感じの女性が、背後に立っていた。

「あ!!あの!ちょ!ちょこさんの・・お母様ですか!?・・・・え??わたしの事・・知ってるんですか?」「フフフ・・・少しは・・・ね!(^O^)」

言い伝えの巫女の一人であった・イチゴは、聖子達(皇室陰陽師)の、かつての監視対象だった。「お入りなさい・・・。」「は!はい!!!」

(なぜだろう?普通のおばあちゃんのはずなのに・・・どこの誰よりもすごい人に思える・・・・) 

「それから・・斉前(ざいぜん)さん!・・隠れてないで出てらっしゃい・・。」

シュ~・・・突然!初老の男が現れる。皇 斉前(すめらぎ ざいぜん)

現皇家・本家当主にして、現在の八咫烏を束ねる人物であった。

「さすがはー・・・聖子さん!我が隠形の術など効きませんな!ハハハハハー!」「ラッキョの匂いが・・しましたわ。」「なぬ!?そんな・・バカな!・・今日は、納豆しか食うておらんはず・・・?」「冗談です・・・・。」

この、妙なやり取りを、イチゴは・・ボケーと見ていた。どうやら、斉前は、何度も・この家に足を運んでいたようだった。

「二人とも・・ご用件は、一緒でしょう?フフフ・・お入りなさいな・・。」

 

斉前とイチゴは、応接間に通された・・・・。

まずは、斉前が口火を切った。「聖子さん!孫の彗慶(ずいけい)君を・ぜひ!!本家の養子にいただきたい!!人格・能力・全てにおいて、素晴らしい!!!とても、アンタの孫とは思えないほどじゃ!あの・・

性格が破綻した母親(ちょこ)から・・産まれたのが~まさに!奇跡!!

彼は、本家に必要な男なのじゃーーーーー!!」熱く語る・斉前は、いらない事まで言っているのを・忘れるほど興奮して語った・・。

斉前の息子・亜光(あこう)は、ヘビメタバンドにハマっているバカ息子で・・額に、音命痔(おんみょうじ)と、間違った漢字のイレズミを入れている、救いようのない馬鹿で・・屋敷の者たちに、影でアホウと呼ばれていた。

 

「・・・・イチゴちゃん、アナタは・・?」

 

「わたしは・・・彗慶君を、新たに設立する・外法師対策組織に加えたいと思っています。」「そう・・・他には、誰がいるの?」「まだ・・予定の段階ですが・・・杜野 静魔(もりの しずま) 隼人 翔武(はやと しょうぶ)

それに・・我が弟、八剣 世界(やつるぎ せかい)を・・と、考えております。」 それを聞いた、聖子の目が大きく見開かれ・同時に軽快に笑い出した!「ホホホホホホホッ!!フフフフフ・・・面白い・・・面白い事、考えるわね・・アナタ・・・。」聖子は、もう・・ちゃん付をしなかった。

「アナタ・・・何をする気なの?」聖子の表情が・・変わる。怖い!!イチゴは思ったが・・ここで引くわけには行かない。

「せ!正義のためです!!!」じっと・・イチゴを見ている聖子の目が緩んだ。「そう・・・」イチゴは、ドッと汗が流れるのを感じた・・。しかし・・

「彗慶ちゃんは・・・ちょこの息子よ?・・どうして、わたしのところへ来たの?」「わかりません。ただ・・そうしなければならない・と、思ったからです。あの・・・アナタは・・・何者なんですか・・?」しまった!と・イチゴは、思った。聞いてはいけない事を聞いてしまったと・・・

聖子の表情は、変わらないように見えたが・・中身だけ、別のものに変わったような・・動けなかった・・!

その時!「ワシは反対じゃ!彗慶君を・・たかが、外法師退治に使うじゃと~?そんな事は、高野山の坊主どもに任せておけばいいじゃろーが!」 間の抜けた、中年の叫びだったが・・イチゴは、我に返った。

斉前の・「たかが」「坊主ども」が、カンに触った。

「ラッキョオヤジは、黙っていてください・・!」「なぬ~?納豆じゃと・言っておろうが!」どうでもいい事だった・・・・

「まあまあ・・イチゴちゃんもラッキョも落ち着いて・・・」いつもの聖子に戻っていた・・・。「アナタ達の提案に・・わたしは、反対しないわ。あとは、母親を・・説得なさいな。ちょこも同意したのなら、彗慶ちゃんには・・わたしから、話を通してあげるわ。」

「いやいやいや!聖子さん!あそこ(ちょこ家)は、怪物しかおらん!化物屋敷じゃ!何度も足を運んだが・・生きて帰れる気がせん!!ウチの若いもんが・・全員半殺しにあっておる。アンタの娘は、まともに言葉が通じん!だから、性格が歪んでいても・言葉が通じる、アンタにたのんでいるんじゃ~!」・・少しだけ・・聖子の表情が・ピクッとなった。

「・・わかりました。ちょこさんが、いいって言ったらいいんですね?」

「ええ・・約束するわ。」聖子が微笑んだ・・・・

 

イチゴには、勝算があった・・ちょこをよく知る人間・そう!母・リン子に相談すれば・・・・・・・・・

 

「おかあさん・・・・・ホントに、これ持っていけばいいの・・?」「わたくしを信じなさい・・・それと!ちょこに、難しい説明は・・・無駄よ!脳みその容量が受け付けないから・・そうね・・・バイト!と・言いなさい。そう、チョッとしたバイトと・・・・わかったわね?」

 

後日・・・・ 斉前が、先に・ちょこ家に来ていた。

インターホンを鳴らし・・「わしは!本ゲーーーーーッ!!」本家と言おうとしたが・・・白虎(マコト)の猫パンチを喰らい・・・吹っ飛ばされた。

「やかましーわよッ!ホンゲー!新聞なら間に合ってるわよーー!」

ちょこの怒号が飛ぶ・・・

今度は・・イチゴがインターホンを鳴らす・・・「いいかげんにしろーー!

ホンゲー!!!」カメラ越しに・・リン子に渡された・ブツを見せる・・・

「ん?まさか・・・アレは、北海道物産店・限定・熊の手ゼリー詰め合わせセット!?」「ちょこさん!わたしです!」「ありゃ?イチゴちゃん??よく来たわねーー!」ちょこは、ニコニコ顔で・・手土産を見ながら出迎えた。交渉は・・10秒で決まった・・・リン子に言われた通りに、彗慶にバイトをたのみたい・と言うと、即座にOKが出た。

 

「そう、ちょこの許可を得たの・・・わかったわ、約束通り・彗慶ちゃんには、わたしから話を通しておくわね。」イチゴからの電話を、聖子は受けていた。「じゃ・・またね。・・カチャ・・・・・フフフ、やるわね!あの娘・・・。

それとも・・リン子ちゃんかしら・・・?」

 

現在・・彗慶は、高校3年生・・しかも、全寮制の男子校にいるので・・すぐに会うことは、かなわなかった。

「まずは・・皇 彗慶(すめらぎ ずいけい)。あとは・・バカ弟(世界)が、来てから・・・ね!」

イチゴの挑戦は始まったばかりだが・・・そう簡単には、行かなかった。

 

                              ・・・・・・・・・・つづく。

 

 

 

 

 

 

あとがき・・・・・

さて!新シリーズ・ちょこさん達の息子編始まりです。ずいぶん間があきました~~~・・・コロナで、仕事が暇になる予定でしたが・・意外に忙しかったーー!嬉しい誤算で、執筆が進みませんでした。

出だしですが・・・まだ・名前だけで・一人も登場していません。ですが・ご安心なく!次回キチンと!登場します!

 

次回予告![ 弟・・上陸 ]からです・・・。

 

あと、いつもの、ちょこさんシリーズ・などなども・書いていく予定です。