私の右股関節
2~3年前から時々痛むことはあっても
去年まで普通に歩くことができた

毎日継続して痛むようになったのは
去年の暮れ

長期間在住していたヨーロッパ
現地の言葉が話せる
ヘルパー2級を持っている
ということから
私に白羽の矢が立ち

知り合いから頼まれ
ヨーロッパ在住日本女性(認知症)の
介護をするため去年11月 海を渡った

お世話をしていた日本女性は
嫁いでからヨーロッパ在住30年
成人してから覚えた現地の言葉を
すっかり忘れ
日本語しか話すことができない彼女
自分の家族とさえコミュニケーションがとれず
毎日の夜間徘徊
朝晩の度重なる弄便
介護者への攻撃的な態度

話に聞いていたのとは異なり
重度の認知症患者だった彼女
ほぼ24時間体制の労働時間
介護中にかかる足腰への負担
ほとんど外出できないストレス

介護を始めて一ヶ月たった頃には
激しい痛みが毎日続くように・・・

それでも
一人孤独な日々を送っている彼女のため
なんとか痛みを我慢し
3ヶ月間の介護期間を終え
日本に帰国した時には
歩けないほど症状が進んでいた



もともと臼蓋形成不全という原因を
抱えていたわけだけれど

あの介護期間中

介護による足腰への過度の負担
大理石の床をはだしで歩く、
劣悪な道路事情などの環境因子
外出できない室内に篭りきりの生活
パスタ、パン、イモなど
炭水化物オンリーの偏った食事しか与えられず
それに伴い急激に増加した体重

全てが凝縮されて
急激に悪化したのは明らかである


そして気がつけば
取り返しのつかない事態に・・・


知らない、ということは恐ろしいものだ
もし自分が臼蓋形成不全で
変形性股関節症になっている、と知っていれば
絶対、そんな無茶はしなかっただろう


誰を恨む訳ではないけれど
悪いほうへ転がる時は
とことん転がるものなのだ