2024.9.7(土) 関西日本サイ科学会主催・密教分化会「手印講座」 を行いました

正雀市民ルームで講師: 松本真弘阿闍梨でした。

仏像をご覧になったらお分かりの通り仏様の手はいろいろな形をしています。その手の形にはどんな意味があるのでしょうか?今回の講座はこうした仏様の手の印について密教の阿闍梨から実習とともに学ぶ講座でした。

もともと印も真言も無かったそうです。ガンダーラあたりから仏像が作られるようになり、印もその頃からです。
インドの宗教の一つであるバラモン教で踊る時に手先をいろいろ変えますが、その形、ムドラーが印の元になったそうです。

真言密教では、手に印を結び(身密)、口で真言を唱え(口密)、心に仏を思う(意密)ことが重視されています。つまり、仏と一体になるには真言、印、イメージとを用いて一体化する。それが三密加持で、その時、身体に仏が宿るとされています。仏様と一体化すると仏が自分を見ている感覚になると松本阿闍梨は言います。

印は仏の姿の一つで印相が仏の力が宿っている、仏の姿を現します。不動明王、観音菩薩など仏様に応じておよそどのような形の印かを決められています。

仏様と対面するには、命の恩人に会いに行くように思い、挨拶するのが良い。お香も焚く方が良い。できたら天然香料の物を使い、それで清めます。

手印の左は人間界で右は仏界を現します。
障害などで指が無い場合はあるとイメージで補います。

護摩壇では不動明王の事が多いですが、印と真言で仏様を呼び出しておもてなしする様な感じです。その作法にも印や真言があります。

真言はもともとサンスクリットですが、声に出しても良いし、心の中で唱えても良いです。できたら意味を分かって読む方が良いです。

ちなみに、梵字を今、使っているのは日本だけでインドでも使っていないそうです。

以下は印の組み方実習の解説です。

第7、第8チャクラを浄化して印を組むと何もしないよりもっと効果があります。第7、第8チャクラを浄化するには利他の祈り、例えば、世界平和、全世界の人が裕福になるよう、などを行うと第7、第8チャクラが浄化されます。

まずは身を清める印、真言を紹介されました。右手で左の親指を巻き、左回りに3回、回す。真言は、オン、シュタリ、シュタリ、シュマリ、ソワカ 1回唱える
烏枢沙摩明王の真言とも言われています。

次に光明真言でのエネルギーを真言を唱えながら受け取り、五色光印を用いて仏様にそのエネルギーを入れることもあります。光明真言はオールマイティの力を発揮し、因縁で困るなどでもよく用いられます。

天部の仏様にお願いするとき、天部の仏様は人間に近い存在なので思いがけず、ちょっとしたことでお怒りを受けることがあり、そういう事態を招かないように天部の仏様に頼む前に「金剛薩埵仏」と予め一体化します。
それを金剛薩埵の観想(金薩観)と言います。できたら真言を唱え、印を組みます。
右に五鈷杵と左に五鈷杵鈴を持っているとイメージします。こうすると自分が持っている業としての障害が吹き出ないにでき、天部の神様の思わぬ暴走を防げます。

印と言えば九字切りの印が有名ですね。印で九字を切るやり方を指導してもらいました。
臨、兵、闘、者、皆、陣、烈、在、前
でそれぞれどうするか?を丁寧に指導してもらいました。

以下は参加者からの依頼に応じて印、真言を紹介されました。

・呪詛返し、星回りの悪い時
・過去生が見える効能があるご真言
・お金回りがよくなる

いずれにしても日頃から仏様と親しくしておくことが大事

消災呪で星回の悪い時、災害の時の真言宗での印も紹介されました。

講座の後は懇親会で楽しいひと時を過ごしました。