ワシが歩いていると、ハンケチを落としてしまった。
すると、それを拾ってくれた心優しき女子大生がいた。
見ると、穴の空いたズボンを履いていた。
こいつは幸せになる資格があるなって思ったんで話しかけた。
「そこの服屋さんで、ズボンをプレゼントさせてくださいませんか。それ、穴が空いているようなので。」
「あ…これ、ダメージデザインっていうやつなんで…」
ワシは涙で顔をくしゃくしゃにしながら自分の服を引き裂き、笑った。
「たしかに、おしゃれだ。」
小走りで去っていく女子大生の背中に呟いた。
ワシがその場に立ち尽くしていると、女子たちの声が聞こえてきた。
「えっ、あそこのあいつキモくない!?めっちゃ服破れてるけど何が起きてんの?」
などと言い、ケラケラと笑っている。
ワシはその女子たちの眼前に仁王立ちして、泣き腫らした真っ赤な瞳で誇らしく言った。
「これは、ダメージファッション!」
「きもっ!?こわっ!」
女子たちは走り去っていった。
一番ダメージを受けたのは心だった。
これもファッションなのかな。
ワシはいてもたってもいられず、反対側に走り出した。
一周したところでまた会えると信じて。