災害時にも漢方薬は役に立つ! | 富山発 現役薬剤師がお届けするやさしい漢方とハーブ

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こんにちは。

漢方薬剤師のみゆきです。

私の漢方歴についてはこちら

 

 

東北や関東地方で大きな地震がありましたが
お住まいの方はご無事でしょうか。

まだ余震も続くとのこと、
どうか気をつけてお過ごしください。

大きな被害が出ないことを心から祈っています。




何か私でもお役にたてることはないだろうか・・・

そう考えていた時に、
以前、学会で聞いた講演を思い出しました。


講演のタイトルは、
「災害時の医療活動における東洋医学の役割」

東日本大震災で医療活動された漢方の先生のお話です。

 

 

以前にもブログでご紹介しました。

 

 

 

 

 

今回の地震では津波の被害はありませんでしたが、 

まだ真冬の寒さが続きます。 

 

もし、停電や避難などで 十分に暖をとれない場合など 

寒さ、低体温が問題となります。



低体温はいわゆる「冷え」の状態。

西洋医学では冷えの概念がありません。

なので、積極的な治療ができません。




ですが、
東洋医学では冷えも治療の対象となります。


つまり、漢方だと、
低体温に効果がある薬がある
というわけです。




実際の現場でも
漢方薬がとても効果的だったそうです。


からだをあためる漢方薬として、

・当帰四逆加呉茱萸生姜湯合人参湯

 

 

 
 

 

 

 

 

この2つの漢方薬を合わせたもの。

を使って効果があったとのことでした。




風邪をひく方も多かったようですが、

悪寒や高熱で葛根湯

というよりは、

体がだるい、
冷えや寒気を感じる、
鼻水、喉の痛み

というように
麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)が合う症状が多かったそうです。


麻黄附子細辛湯についてはこちらのブログに詳しく書いています^^

やはり冷えが根底にあったのでしょうね。





さらに時間の経過につれて、
不安感やイライラ、不眠などのメンタル的な不調が増えてきそうです。



今回の地震でも、

余震の心配で気持ちが不安定になったり、
不安で眠れない

という方がいらっしゃると思います。


そういう場合は、


・抑肝散:よくかんさん、抑肝散加陳皮半夏:よくかんさんかちんぴはんげ

イライラが強い、不眠

 

 


・加味帰脾湯:かみきひとう

不安感が強い、不眠

 

 


 

 

・柴胡桂枝乾姜湯:さいこけいしかんきょうとう

冷え、動悸、不眠

 

 


などが役立ちます。



特に、柴胡桂枝乾姜湯は
震災後のストレス、動悸や不眠、感情不安定などに対して、
心身のバランスを整えるために有効だった
こちらに報告されています。



睡眠薬や精神安定剤だと
依存性や副作用が心配になりますが、

漢方だと
こころとからだのバランスを整えて
やさしくサポートしてくれるので
安心して試してみることができるのがうれしいですね^^


少しでもお役に立てれば幸いです。

 

 

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