ふるさと納税でマスカットが送られてきた。
果物好きの甥には一房の半分をあげ、
残りの半分を家族みんなで食べようと皿に盛った。
案の定、甥は、私達の皿の上の葡萄を回収し始めた。
妹と私が「これはみんなの分、甥の分はそこにあるでしょ」懇願した。
しかし、王様となった今、暴君と化した甥には、
民の声は届かない。
結局、ぶどう狩りは行われた。
私達は、
「お腹が空いたな。
ひとつだけぶどう食べたいな」
王に懇願した。
しかし、王には、農民の声なんて届かない。
何もなかったようにむしゃむしゃと食べている。
もう一度私は言った。
「お腹がすいて元気が出ないー
ぶどう少しだけ食べたいな。
少し食べたら元気になるのにな」と言った
すると妹には、二個手渡しで、あげていた。
妹が、「お姉ちゃんには、あげないの?」と言った。
スルト甥は、おもむろに一粒むしりとり、
私に向かってポンっと、イヤイヤ1個投げた。
生まれて初めて葡萄を、投げつけられた。
もう、妹と、二人で苦笑い。
それでも一個くれるという甥の優しさに私は感動した。
愛してるわ。