彼は、毎日、メールをくれたよ。

いつも、優しい彼のメール。

私のこと、君って、書いてたから、私の名前知らないと思ってた。



友人とランチしたとき、彼のこと話したら、

「あの子、いい子だったよね。可愛くて、性格良くて、私、好きだったよ。」

「うん。電話してみようか?」



友人に、電話変わって、彼びっくりしてた。

友人に、

「私の名前、知ってるか聞いてみて!」

彼女が聞いてくれたら、


「カノン!って、知ってたよ。」

だって、


一安心。


彼がある日、

私のこと、


「とっても大切な人だって思っているから・・・」


って、書いたメールをくれたんだよ。


その意味がわかるまで、あんまり時間はかからなかった・・・


彼は、


「カノンのこと、好きなんだ・・・」


って、書いたメールをくれたから・・・



初めて、会社の帰りに、二人で、待ち合わせした。

お互いの車の運転席に乗ったままだったけど、いろんなこと、話した。


会えて嬉しかった。

ありがとう。


って、メールをもらって、私のほうが、嬉しくなった。


顔を見るだけでいいんだって。

話ができたら、もっと嬉しいんだって。


私に会って、あんなに喜んでくれた人、今までいなかったから・・・


生まれてきて良かったって、心から思った。



家に帰って、子どもから、ほかの事で、いろいろ、文句ばかり言われたけど、今日は、気にならなかった。


主人は、相変わらず、私に触れてもくれない。


キスさえ嫌がる・・・


自分が惨めで、悲しくなる。


このまま、女を、終わってしまうんだろうか・・・


そんな、焦りにも似た感情が芽生えてくる・・・


セックスレス、そうだよね。


1年くらい関係は無い。


主人から求めては来ない・・・






彼が言うには、


二次会から、三次会に行く時、私が、かなり酔っていたから、手を繋いで、体を支えて、連れて行ってくれたそうなの。


ごめんなさい。


3ヶ月たった今でも、思い出せない記憶。


でも、二人が、出会った時のことは、覚えているよ。



あれは、中二のとき、


夏休みの学校行事で、林間学校に行った時だったね。


彼は、隣のクラスで、初めて話したんだよね。



「靴のサイズ、何センチ?」

「24」

「デカ!!、俺、23.5」


あの時、綺麗な顔してるな!って、思ったよ。

話しかけてくれて、嬉しかったんだ。


で、その日の夜。

イベントがあったんだ。


きもだめし大会


でも、きもだめしに出る条件は、男女のペアで、手を繋いで、お墓のとこを歩いていくって、条件。


学校は、男女のペアを、自分たちで、探して来いって言うんだよ。


相手なんて、いるはず無いじゃん。


私なんて、魅力ないし、可愛くないから、誰も、声なんてかけてくれないよ・・・



何故か、気がついたら、彼と二人で、並んで、行くようになってたんだよ。


私、初対面の彼と、手を繋いで、誰もいない道を、二人で、歩いているんだよ。


空には、見たことも無いくらいの、満天の星空が、見えた。


「星が綺麗ね。」

「そうだね。」


ぎゅっと、握った彼の指先に、ドキドキした。


このまま、時間が、止まってほしいと、本気で思った。



夢中で歩いて、学校に戻ったとき、繋いだその手を、離したくない私がいた。




彼のメールには


あの時の、林間学校のきもだめしで、歩いたことを、思い出したよ。


あの時みたいに、君の手を握って、歩いたよ。



ごめんなさい。


林間学校は覚えているけど、同窓会のことは、覚えてない・・・


もう一度、その手をぎゅっと握って、一緒に歩きたいな・・・










8月14日。

下の娘の19歳の誕生日が、中学の同窓会でした。


同窓会って言っても、高橋克典がいるわけじゃあるまいし、期待しないで行ったんです。


みんな、いいおじさん、おばさんになっていて、グラスを交わすたびに、ビールの量が、増えていく・・・


気がつくと、いっぱい、飲んでました。


そんなときに、中二のバレンタインに、チョコを渡した彼と会いました。


「ねえ、私たち、付き合っててたよね!」

「うん」

「覚えてたの?」

「うん」


付き合ったといっても、一緒に帰ったこともなく、チューも無く、両思いというだけで、これといったお付き合いは、しなかったんです。


だから、彼は、忘れていたんじゃないかと、思っていました。


昔のよしみで、アドレス交換しました。



次の日


飲みすぎで、二日酔いの私に、


「大丈夫か?」


って、メールが・・・



誰ですか?


アドレス聞いたけど、名前を入れていなかったので、思い出すのに、少し、時間がかかってしまいました(笑)



どうも、私が、酔っ払ってしまっていたから、中二の元彼、しんちゃんが、心配して、メールしてくれたんです。


「ありがとう。

どうにか、生きてるよ・・・」


その日は、二日酔いで、夜まで、食事は、取れませんでした・・・


心配してくれる人がいて、とっても、嬉しかったです。